機能性ディスペプシアとは?症状・原因・治療法を詳しく解説

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執筆者:メンタルコーチしもん
・メンタルと睡眠の専門家 / 作家 / 講師
YouTube登録者数1.4万達成
・5年以上の双極性障害とうつを克服
・29年間の睡眠障害を克服
・IQ上位0.1%『GIFTED EYES』メンバー
・上級睡眠健康指導士
著書
眠れない理由を知って眠れる方法を知れば安眠
脱・中途覚醒 “夜中に目覚める”悩みが消える
12歳になるまでに読みたい 「子どもの睡眠」

「食後にすぐお腹が張る」「少し食べただけで満腹になる」「みぞおちが痛い」—— こんな症状が続いているのに、病院の検査では異常なしと言われたことはありませんか?

それは 「機能性ディスペプシア(FD)」 かもしれません。
機能性ディスペプシアは、胃や十二指腸に明らかな病気がないにもかかわらず、慢性的な胃の不快感が続く疾患です。

現代のストレス社会では、10〜40%の人が経験 するといわれるほど身近な病気ですが、原因が特定しにくく、適切な対処ができていない人も多いのが現状です。

この記事では、機能性ディスペプシアの症状・原因・治療法をわかりやすく解説 します。
「ただの胃もたれ」と軽視せず、適切なケアで快適な生活を取り戻しましょう!

1. 機能性ディスペプシア(FD)とは?

機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia:FD)は、明確な器質的疾患(胃潰瘍やがんなど)がないにもかかわらず、胃や十二指腸の不快な症状が続く一般的な胃腸障害です。

特徴的な症状には、上腹部の灼熱感、上腹部の痛み、食後の膨満感、早期満腹感などがあり、食事によって症状が悪化することが多いです。

かつては「非潰瘍性ディスペプシア」とも呼ばれ、胃炎や消化性潰瘍などの「器質性ディスペプシア」と区別されていました。


2. 機能性ディスペプシアの原因とメカニズム

機能性ディスペプシアの正確な原因は不明ですが、さまざまな要因が関与していると考えられています。

主な要因

  • 胃・十二指腸の運動機能異常(食べ物を適切に消化・排出できない)
  • 胃・十二指腸の知覚過敏(通常よりも痛みや膨満感を感じやすい)
  • 腸内細菌叢の変化
  • 免疫機能の異常
  • 腸脳軸の機能障害(腸と脳の相互作用の異常)
  • 胃の電気リズムの異常
  • 自律神経系・中枢神経系の調節不全
  • H. pylori(ピロリ菌)感染
  • 心理的ストレス・不安・うつ

リスク要因

  • 女性(男性よりも発症率が高い)
  • 喫煙
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用
  • 高BMI(肥満)
  • 胃腸感染症の既往歴
  • 精神的ストレス(不安やうつ)
    特に不安を持つ人はFD発症リスクが8倍高いという報告もあります。

3. 機能性ディスペプシアの症状

機能性ディスペプシアの症状は 「食後愁訴症候群(PDS)」と「心窩部痛症候群(EPS)」 の2つのタイプに分類されます。

① 食後愁訴症候群(PDS:Postprandial Distress Syndrome)

  • 食後の膨満感(お腹が張る感じ)
  • 早期満腹感(少量でお腹いっぱいになり、食事が続けられない)

PDSはFD患者の**約69%**が該当する最も多いタイプです。

② 心窩部痛症候群(EPS:Epigastric Pain Syndrome)

  • みぞおち(上腹部)の痛み
  • みぞおちの灼熱感(焼けるような不快感)

EPSはFD患者の**約7%**を占め、PDSとEPSが重なる人も約25%います。

その他の症状

  • 吐き気
  • 胸焼け
  • 食欲不振
  • 消化不良感
  • げっぷ

症状は慢性的で、良くなったり悪くなったりを繰り返します。


4. 機能性ディスペプシアの診断

機能性ディスペプシアは、**「症状の持続」と「検査で異常がないこと」**をもとに診断されます。

診断基準(ローマIV基準)

過去3か月間、以下の1つ以上の症状が続いている

  • 食後の膨満感
  • 早期満腹感
  • 上腹部の痛み
  • 上腹部の灼熱感

症状の発症が診断の6か月以上前からある
内視鏡検査で胃潰瘍や胃がんなどの異常がない

診断に必要な検査

  • 血液検査(貧血や炎症の有無)
  • ピロリ菌検査(尿素呼気試験、便抗原検査)
  • 胃内視鏡検査(胃がんや潰瘍の除外)
  • 超音波・CT検査(必要に応じて)

5. 機能性ディスペプシアの治療法

機能性ディスペプシアの治療には、生活習慣の改善、薬物療法、心理的ケアなどがあります。

① 生活習慣の改善

  • 少量の食事をこまめに摂る
  • 脂っこい食事を減らす
  • カフェイン・アルコールの摂取を控える
  • ストレスを軽減する
  • 適度な運動をする

特に脂っこい食事は胃の感受性を高め、FDの症状を悪化させるため要注意です。

② 薬物療法

症状に応じて、以下の薬が使用されます。

薬の種類作用主な薬剤
消化管運動促進薬胃の動きを改善アコチアミド、モサプリド
胃酸分泌抑制薬胃酸を抑えるPPI(オメプラゾール)、H2ブロッカー
胃の知覚過敏改善薬胃の痛みや不快感を軽減ミルタザピン(抗うつ薬)、ブスピロン
漢方薬胃腸機能を調整六君子湯

PDSには消化管運動促進薬、EPSには抗うつ薬やPPIが有効なことが多いです。

③ 心理的ケア

  • ストレス管理(瞑想、ヨガ、カウンセリングなど)
  • 認知行動療法(CBT)
  • 抗うつ薬・抗不安薬の使用(必要に応じて)

特にストレスや不安が強い場合、心理的アプローチが有効です。


6. 機能性ディスペプシアの予後

機能性ディスペプシアは慢性的な疾患ですが、命に関わる病気ではありません

長期的な経過

  • 約15~20%の患者は症状が続く
  • 50~35%の患者は症状が消失
  • 30~35%の患者は他の消化器症状を経験

📌 定期的な生活習慣の見直しや適切な治療により、症状を管理することが可能です。


7. まとめ

  • 機能性ディスペプシア(FD)は、検査で異常がないのに胃の不調が続く病気
  • 食後の膨満感、早期満腹感、上腹部痛などが主な症状
  • ストレスや食生活が影響しやすい
  • 生活習慣の改善と薬物療法で症状を管理可能
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