眠れない人が眠れる人になる『ディズニーが使う思い込みテクニック』。
方法は簡単。自分を『眠れない人』ではなく『眠れる原因がある人』と思い込みを変えるだけ。
なぜ思い込みを変えると眠れるかというと、『自分は眠れない人』という思い込みはレッテル効果を生み、眠れない人として行動しやすくなるから。
あなたはこのように考えていませんか?
「私は睡眠が苦手な人」
「私は眠れない人」
「私は睡眠できない人」
「私は不眠症の人」
「私は一生、睡眠薬は手放せない人」
このように考えていると、本当に眠れなくなってしまうんです。
眠るための行動や考え方をしにくくなるからです。
さらに、眠れなくなる行動や考え方をするようになってきます。
大切なのは「思い込んで決めつけ=レッテル」を変えること。
この記事を最後まで読めば、『よく眠れる人』に変わってきます。
本記事内容のYouTube動画のコメント
眠れない原因がある…正に今の私です。また、色々と、どうせ私には出来ないレッテルを貼ってしまっていました。向き不向きは、あるにせよ、努力もしないとな…って反省しました。良い動画をありがとうございます!頑張り過ぎず、ぼちぼち努力もします。
眠れない人になってしまうレッテル効果とは?
レッテル効果は分かりやすく言うと、「人の特徴を決めつけること」です。
「私は眠れない人」と自分にレッテルをはると、眠れない人の行動や考え方をするようになり、より眠れなくなってしまいます。レッテル効果は「そんなに影響ないだろう」と思っていても、かなりの効果を発揮してしまう心理効果があります。
例えば、「私は眠れない人」とレッテルをはると、寝る前にスマホをさわらないほうがいいと思っていても、「どうせ眠れないから」とスマホをさわりやすくなる。キウイを食べると眠れると聞いても「キウイを買う気がわかない」。キウイを買って食べたとしても、その日眠れなかったらすぐキウイを食べるのをやめる。など、眠れない人としての行動をしやすくなります。
レッテル効果とは?
「〇〇な人」などと、レッテルをはることで、〇〇の行動をとりやすくなる効果。レッテルとは商品の説明を紙で貼る行為のこと。ラベリング効果ともいう。
例えば、「良い人」とレッテルをはられると「良い行動をしようとする」。逆に「いつも遅刻する人」とレッテルをはられると「遅刻する行動をとりやすくなる」。レッテル効果は特に子どもに効果があると言われるが、大人にも強い効果を発揮する。
レッテル効果はディズニーでも使われており、大きな力を発揮しています。
ディズニーはディズニーランドで働く人のことを「スタッフ」ではなく「キャスト」と呼びます。つまり、「単なる従業員」ではなく「夢の国に遊びに来てくれた人をおもてなす出演者」とレッテルを貼り替えているんです。
レッテル効果が生まれることで、ディズニーランドで働く人は「働く義務」ではなく「使命感」が生まれ、モチベーションが高まります。
仕事にやりがいをもたせるジョブクラフティングで使われる方法です。
ジョブクラフティングとは?
働く人が自分と仕事の関係を捉えなおしたり、行動を変えたりすることで、やりがいのない仕事をやりがいのある仕事に変える方法のこと。
人にレッテルを貼ると聞くと悪いイメージを持たれる人もいるかもしれません。
でも、レッテルは効果が高いため、ネガティブに使えば問題ですが、ポジティブに使えばより良い方向に進める力にもなります。
つまり、レッテルを貼り替えるだけでマイナスだったものが、プラスになることがあるんです。
眠れない人がよく眠れる人になるレッテル貼り替えはコレだ!
「眠れない」ではなく「眠れる」ように自分のレッテルの貼り替えをしましょう。
分かりやすくいうと、「私は眠れない人」ではなく「私は眠れない原因が今はあるだけ」のようにレッテルを貼り替えます。ただ、レッテルを貼り替えるにはポイントがあります。
レッテルを貼りかえるポイントは、事実にあったポジティブな捉えなおしです。
具体的には「私は眠れない人」ではなく「私は眠れない原因が今はあるだけ」「私は眠れないときがある」などの貼り替えです。
事実はあっているけど、ポジティブな方向にはなっていますよね。
そもそも「眠れない人」というレッテルは事実ではない。
どんな不眠症の人も、生まれてからずっと不眠症ではありません。今後の人生で一睡もできないこともないですよね。つまり、「眠れない人」はやりすぎたネガティブなレッテルなんです。
ここで1つお聞きします。
- 「私は眠れない人」
- 「私は眠れない原因が今はあるだけ」
2つを比べたときに、
どちらのほうが眠れる人になりそうですか?
どちらのほうが眠れるための行動をしたくなりますか?
おそらく「私は眠れない原因が今はある」のほうが、「眠れる人になれそう」という希望を持ちやすく、眠れるための行動をとり、眠れる人になれそうと感じると思います。
レッテルを眠れそうと思わせるものに貼りかえることで、「そっか、今は眠れないだけで、眠れるときもあるし、昔は眠れたんだから眠れるようにもなっていくよね」と考えられるようになっていきます。
眠れるようになっていく気持ちがわくと、眠りに対するストレスやプレッシャーがぐっと減ります。
ストレスやプレッシャーが減れば、もちろん眠りやすくなっていきます。
他にも事実にあった良いレッテルは。
「私はここ2年間だけ眠れないけど、その前は眠れていた」
「3か月前はほとんど眠れなかったけど、今は少し眠れるようになった」
「私は今は眠れていないだけで、眠れるようにはなっていく」
などですね。
いろいろと考えてみて、あなたがしっくりくる良いレッテルにすることをおすすめします。
普段から「私は眠れないんだよね」と話したり考えたりせず、「最近、眠れないんだよね」「今は〇〇で眠れないんだよね」と話したり考えたりすることで、レッテルが自然とよいものに貼り替わっていきますよ。
僕の「眠れない人」というレッテル
僕は2021年の38歳のときに29年間続いた睡眠障害(ほとんどは不眠症)を改善しました。
最後の不眠症改善のきっかけはレッテルの貼り替えでした。
僕は35歳までうつ病だったんですが、セルフコンパッションやACTという心理学テクニックをもとにうつ病やメンタルを改善しました。つまり、35歳の時点でメンタル的な問題はかなり解消されていました。
でも、29年間眠れないと思っていた僕は「睡眠薬をやめると眠れない」「自分は眠れない人」と思い込みすぎて(レッテルをはってた)、睡眠のための行動をしたとしても「どうせ眠れない」と思っていたんです。
でも、2021年の秋か冬ぐらいに「あれ?なんで眠れないと思い込んでいるんだろう?」とふと疑問に思い、「睡眠薬なくても眠れるのでは?」ととらえなおしました。
このときは運動と食事も改善しつつあったのもあり、睡眠薬をやめて1~2週間ですんなり眠れるようになりました。
不眠症のほとんどの原因は、おそらくうつ病改善のときに解決しており、最後は「眠れない人」というレッテルだけが問題になっていたんですね笑
他にも
・僕は上手に話せない人
・僕は運動できない人
・僕は人前で緊張する人
など、多くのレッテルがありましたが、レッテルを貼り替えてしまえば、すべてが解決しました。
レッテルは人生を狂わせるほどの力があるので要注意です。
良いレッテルの3つのポイント
良いレッテルの3つのポイントをお伝えします。
- ネガティブは今だけのこと
- 今も実はポジティブな状態ととらえなおす
- 未来はポジティブに変わっていく
例えば。
ディズニーの場合の「スタッフ→キャスト」は「実は現在もポジティブな状態ととらえなおす」というレッテルです。
「眠れない人→眠れない原因があるだけ」の場合は「ネガティブは今だけのこと」「未来はポジティブに変わっていく」レッテルです。
人は前に進んでいくことに力を得ていきます。今より、未来がよくなる言葉は大切です。
「眠れない人」→「よく眠れる人」と反対のレッテルはダメ?
「眠れない人」というレッテルを「よく眠れる人」という反対のレッテルにすることはおすすめできません。
理由は簡単で、とらえなおしているのではなく、嘘になってしまっているからです。
レッテルを「よく眠れる人」にするにしても、「私は運動をするとよく眠れる」など、事実に近づけたほうがいいです。
ただ「よく眠れる人」と反対のレッテルにしても、短期間的にはうまくいくことがあります。
「よく眠れる人」のレッテル効果が働き、眠るための行動や考え方をしやすくなってくるからです。
「認知的不協和の解消」によって、大きく行動が変わることがあります。
認知的不協和の解消とは?
米心理学者レオン・フェスティンガーが提唱。認知的不協和が起きると不協和を低減する行動が起きるということ。今回の眠りの例で分かりやすくいうと、「よく眠れる人」と考えると、「眠れないこと」と矛盾が起きてしまうため、よく眠れる人の行動をして、矛盾を解消しようとする
もしも、あなたが「眠れない人」というレッテルを、「よく眠れる人」というレッテルに貼り替えることができ、眠れる人になれるならば、「眠れない人」→「よく眠れる人」と自分に対してレッテルを貼り替える方法もOKです。
でも、多くの場合、この方法は失敗してしまいます。
なぜなら、事実からかけ離れすぎて、ストレスやプレッシャーを生み、メンタルが落ち込んでしまう可能性があるからです。
反対のレッテルを2つのデメリット
①眠りをがんばることは睡眠では逆効果
眠れない人がよく眠れる人と、とらえ方を変えすぎると、眠りをがんばりすぎてしまう可能性があります。
実は眠りはがんばりすぎてしまうことは、眠りにくくなってしまう行動です。
がんばる意識は、睡眠ではなく、覚醒につながる意識だからです。よりストレスやプレッシャーが生まれます。
②ストレスが強まりメンタルまで落ち込む
事実とは違うなかで、行動をするので、ストレスが強まります。
すぐに改善できるものであればよいのですが、眠れないがよく眠れるに変わるまでには時間がかかることもあります。「①眠りをがんばることは睡眠では逆効果」で伝えた通り、より眠りにくくなり、より事実と離れてしまう可能性もあります。自分に嘘をついている感覚がうまれ、大きくメンタルが落ち込んでしまう可能性があります。
例えば、ネガティブ思考の人が、無理にポジティブ思考になろうとしても、うまくいかないばかりか、自己肯定感がさがり、自己否定感があがりやすくなる仕組みと似ています。
レッテルを貼り替えても、眠れない場合
眠れない原因は、レッテルだけが原因はありません。
レッテル貼り替えはあくまできっかけになる方法なので、あせらずに眠れるようになっていく行動をしていくことが大事です。
僕のように最後のきっかけになる場合もありますし、睡眠改善するための最初のきっかけになる場合もあります。
最後のきっかけであれば、レッテル貼り替え後、すぐに睡眠改善する可能性は高いです。
でも、最初のきっかけの場合、少しずつ睡眠改善をしていく流れになります。
レッテルはそもそも貼り替えるまでにも時間がかかる場合があります。
すんなりレッテルを貼り替えることができたり、貼り替えようと思っても今までのレッテルがはがれにくいことがあります。
ものに貼ってあるシールをはがすときも、すんなりはがれることもあれば、はがれにくいことがありますよね。特に長い期間貼ったシールははがれにくいです。レッテルも同じです。
レッテル効果は高いぶん、はがす貼り替えるに時間がかかることはあります。
ゆっくりと少しずつレッテルにつながる普段の考えかたや口癖や行動を変えていけば大丈夫です。
レッテル効果の理解に役立つ知識
- ジョブクラフティング
仕事にやりがいを持つ方法。とらえかたをなおす考え方が身に付きます。 - プラシーボ効果
思い込むことで、効果がないものに効果がうまれたりするものです。
レッテル効果も思い込みなので、プラシーボ効果ともいえます。 - マインドフルネス瞑想
マインドフルネスには今ここに気づく力が身に付きます。
レッテルではなく、自分の状態の本質に気づきやすくなるので、レッテルを貼り替えることに役立ちます。 - クリティカルシンキング
自分の考え方に疑問を持つ思考です。
「あれ、これってレッテルだよね?」と考えて気づく力が身に付きます。
参考:悩む力 天才にすら勝てる考え方「クリティカル・シンキング」
睡眠に対して「ある考え方」をしていると、不眠症になりやすくなります。
睡眠リズムを整えても「ある考え方」を持っていると、不眠症がなかなか改善しないことがあります。
▶「不眠症につながる睡眠の認知16パターンとは?」
YouTubeでは、さまざまな眠れる方法をお話ししています。
ご興味があるかたのみ、ご覧ください。
「眠れない人がよく眠れる人になる」まとめ
- 「私は眠れない人」と自分にレッテルを貼ると眠りにくくなる
- 「私は眠れない人」ではなく「私は眠れない原因が今はある」などにレッテルを貼りかえる
- レッテル効果は思った以上に高いので注意する
おすすめ本
・悩む力 天才にすら勝てる考え方「クリティカル・シンキング」
・「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問
・史上最強の哲学入門 ← とらえ方を変える力は哲学で身に付きやすい
今回の授業は以上です、ありがとうございました。
それではまた、次の睡眠教室でお会いできることを楽しみにしています。
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