不眠症が治らない認知の歪み「不眠症につながる認知16パターン」

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不眠症を改善するときに、重要なのに忘れがちなのが「不眠認知(睡眠の認知)」です
認知は「ものごとのとらえ方」なので、ここでは「睡眠の考え方」でOKです。

不眠認知は、分かりやすく言うと「睡眠がうまくできなくなる考え方」です。
もともとは30パターンあるものだったんですが、より精度を高めるために16パターンに絞られています。
こちらの「睡眠に関する機能不全の信念と態度 (DBAS): 簡易版の検証 (DBAS-16)」の研究(英語)ですね。
この16パターンの認知を持つ人は睡眠を悪化させやすいということが分かりました。

もちろん、太陽の光、運動、食事、睡眠薬などで睡眠を整えることは大事です。
でも、睡眠に対する認知でひっかかっていると「どうして、うまく睡眠が改善しないんだろう?」となってしまいます。
僕もそうでしたし、僕にご相談くださるほとんど方が今回の「睡眠がうまくできなくなる認知16パターン」に当てはまっていました。

逆にいうと、不眠認知16パターンの考え方を「やわらかくすること」ができれば、睡眠改善に大きくつながる可能性があるということです。

野上しもん
・29年間の睡眠障害を克服
・5年以上の双極性障害とうつを克服
・上級睡眠健康指導士
・メンタル心理カウンセラー
・食生活アドバイザー
YouTube登録1.2万人以上
著書
眠れない理由を知って眠れる方法を知れば安眠
脱・中途覚醒 “夜中に目覚める”悩みが消える
12歳になるまでに読みたい 「子どもの睡眠」

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  1. 1.不眠症につながる認知16パターンを読む前の注意点
  2. 2.不眠症につながる認知16パターンを紹介
    1. 16位「睡眠は予測できない」影響度:☆(0.7)
    2. 15位「化学物質のバランスが崩れることによる不眠症」影響度:★☆(1.5)
    3. 14位「8時間の睡眠が必要」影響度:★★☆(2.7)
    4. 13位「解決策としての薬物療法」影響度:★★☆(2.7)
    5. 12位「結果を管理できない」影響度:★★★(3.1)
    6. 11位「不眠症が健康に及ぼす影響」影響度:★★★☆(3.6)
    7. 10位「睡眠のコントロールを失うのではないかと心配する」 影響度:★★★☆(3.7)
    8. 9位「義務を取り消す」影響度:★★★☆(3.8)
    9. 8位「睡眠薬を服用した方がよい」影響度:★★★☆(3.9)
    10. 7位「睡眠不足によるエネルギー不足」影響度:★★★☆(3.9)
    11. 6位「睡眠不足を補う必要がある」 影響度:★★★★☆(4.6)
    12. 5位「1つの貧しい夜は1週間を邪魔する」影響度:★★★★☆(4.6)
    13. 4位「不眠症による気分障害」 影響度:★★★★☆(4.9)
    14. 3位「人生を破壊する不眠症」影響度:★★★★★(5.1)
    15. 2位「不眠症は日中の活動を妨げる」影響度:★★★★★☆(5.6)
    16. 1位「おやすみしないと仕事ができない」影響度:★★★★★☆(5.8)
  3. 3.【補足】不眠症につながる認知16パターン対策のYouTube
    1. 【不眠症】眠れないを「幸せの方程式で解消」
    2. 【不眠症】眠れないを改善する方法「レッテル効果の使い方」

1.不眠症につながる認知16パターンを読む前の注意点

当てはまる考え方が多いと、「私はダメだ」と自分を責めたり、自信を失うことがあります。
でも、「当てはまっていたからといって、自分を責めないこと」が大切です。

今回の16パターンにまったく当てはまらない人も、そうそういません。
そして、多少当てはまっても、認知だけが睡眠改善のポイントでもないので大丈夫です。
「今回の16パターンの考え方をやわらかくしていこう」ぐらいの感覚でOKです。

もしも、「私はダメだ」「これだと不眠症が解決できるわけがない」みたいに考える場合は、「認知の歪みを整える」の項目からご覧ください。
今回の「睡眠がうまくできなくなる考え方」が認知の歪みから来ているものもかなりあります。
認知の歪みを整えるだけでも、睡眠改善につながりますよ。

2.不眠症につながる認知16パターンを紹介

ではでは、どんなものがあるかを見ていきましょう。
まず論文に記載される16パターン(30パターンから抜き出されたもの)をGoogleの日本語訳したものをそのまま載せますね。

1. 8時間の睡眠が必要
2. 睡眠不足を補う必要がある
5. 不眠症が健康に及ぼす影響
8. 睡眠のコントロールを失うのではないかと心配する
10. 不眠症は日中の活動を妨げる
11. 睡眠薬を服用した方がよい
12. 不眠症による気分障害
17. 1つの貧しい夜は1週間を邪魔する
18. おやすみしないと仕事ができない
19. 睡眠は予測できない
20. 結果を管理できない
21. 睡眠不足によるエネルギー不足
24. 化学物質のバランスが崩れることによる不眠症
25. 人生を破壊する不眠症
27. 解決策としての薬物療法
30. 義務を取り消す

「睡眠に関する機能不全の信念と態度 (DBAS): 簡易版の検証 (DBAS-16)」

では、それぞれの意味を影響度が小さい順分かりやすくお伝えします。
書かれている考え方をやわらくすることで不眠症改善につながります。
※影響度=不眠症につながる影響度(研究と臨床のサンプル数の平均値)

16位「睡眠は予測できない」影響度:☆(0.7)

「良い睡眠がとれているか自分にはわからない」
夜の睡眠が良いものなのか、悪いものなのか、自分ではよくわからないと考えることです。
熟睡できているのかな、できていないのかな。浅い眠りだったのかな、どうなんだろう?と考える感じです。

15位「化学物質のバランスが崩れることによる不眠症」影響度:★☆(1.5)

「うまく睡眠ができないのは、ホルモンバランスが崩れているからだ」
ホルモンバランスの崩れなどによって、不眠症が起きていると考えることです。

14位「8時間の睡眠が必要」影響度:★★☆(2.7)

「8時間は眠らないと日中を元気ですごすことはできない」
8時間は眠らないといけないと考えることです。
今回は8時間ですが、7時間は眠らないといけないなど、〇時間は眠らなければいけない…というものもあてはまってきます。

13位「解決策としての薬物療法」影響度:★★☆(2.7)

「不眠症は睡眠薬などの薬でしか解決できない」
不眠症を解決するには、睡眠薬や抗不安や抗うつ剤などの薬しかない!と考えることです。

12位「結果を管理できない」影響度:★★★(3.1)

「睡眠不足だと、自己コントロールを失ってしまう」
前日に眠れないなどで睡眠不足の場合は、自分をコントロールすることが難しい。日常生活や仕事などで自分をうまくコントロールできなくても、仕方ないと考えることです。
「睡眠不足だから仕方ない」「睡眠不足の場合はどうしようもない」と考える感じですね。

11位「不眠症が健康に及ぼす影響」影響度:★★★☆(3.6)

「睡眠不足が続くと、健康に大きな問題がでてきてしまう」
不眠症になると、自分の体や心に大きく悪い影響を与えるんじゃないかと考えることです。
逆に、不眠症が改善すれば、健康がものすごくよくなるんじゃないかも、似たような考えにつながりやすいです。

10位「睡眠のコントロールを失うのではないかと心配する」 影響度:★★★☆(3.7)

「睡眠を自分でコントロールすることができない」
睡眠を自分でコントロールできないのでは、と心配してしまうことです。
寝ようと思っても眠れないのではないか?
起きようと思って起きれないのではないか?
睡眠は自分でコントロールできるものとは思えなくなってくる、感じですね。

9位「義務を取り消す」影響度:★★★☆(3.8)

「睡眠不足だから、日常のやることをやめたほうがいい」
睡眠不足になると、義務(仕事や学校、家庭のことなど普段しなければならないこと)をやらなくなったり、キャンセルすることです。

8位「睡眠薬を服用した方がよい」影響度:★★★☆(3.9)

「睡眠不足になるくらいなら、睡眠薬を飲んだほうがいい」
日中を元気にすごすには、睡眠薬を飲んででも睡眠不足を解消したほうがいい。と考えるものです。
睡眠障害などでは睡眠薬は服用したほうがいいです。ただ単なる睡眠不足も睡眠薬を飲まなければならないと考えてしまうことです。

7位「睡眠不足によるエネルギー不足」影響度:★★★☆(3.9)

「睡眠不足の状態だと、元気がなくなる」
元気がない、仕事がうまくいかない、日常生活がうまくいかないなどのときに、「昨日、よく眠れなかったからだ」と考えたり、「睡眠不足だからだ」と考えることです。

6位「睡眠不足を補う必要がある」 影響度:★★★★☆(4.6)

「睡眠不足の場合、睡眠をどこで補わなければならない」
睡眠時間が少ないときがあると、そのぶん別のところで睡眠時間を増やさなきゃいけない、と考えることです。
「昨日、あまり眠れなかったから、今日はたくさん寝よう」みたいな考え方ですね。

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5位「1つの貧しい夜は1週間を邪魔する」影響度:★★★★☆(4.6)

「1週間のうち1回でも睡眠不足になると、睡眠リズムが崩れてしまう」
元の日本語訳が分かりにくすぎますが笑
1週間のうち、1回でもうまく眠れなかった日があると、1週間の睡眠リズムが崩れてしまう。という考えです。

4位「不眠症による気分障害」 影響度:★★★★☆(4.9)

「睡眠不足になると、気持ちが不安定になる」
前の日眠れなかったなど睡眠不足によって、気落ちが不安定になって、イライラ・焦り・不安が生まれやすくなると考えることです。

3位「人生を破壊する不眠症」影響度:★★★★★(5.1)

「睡眠不足が続くと、人生は楽しめない」
不眠症になると、人生は楽しめない、うまくいかない、やりたいことができないと考えることです。

2位「不眠症は日中の活動を妨げる」影響度:★★★★★☆(5.6)

「睡眠不足の状態だと、日常生活がうまくいかなくなる」
睡眠不足になると、次の日の仕事、趣味、運動、人間関係など日常生活がうまくいかなくなる、という考えです。

1位「おやすみしないと仕事ができない」影響度:★★★★★☆(5.8)

「しっかり眠っていないと、仕事はできない」
元の日本語訳がかわいいですね。
十分な睡眠をとらないと、次の日の仕事などの活動がうまくできていないと考えることです。



以上です。
僕がうつ病で不眠症のときを思い出すと、16パターン中14パターンは強く当てはまっていました。
今でも複数当てはまっています。

認知の歪みと違うのは「不眠症につながる認知」は、あながち間違っていないところです。

ポイントは、白黒思考で考えていないかどうかです。
多少当てはまっていても、強く思っていなければOKです。
例えば、「睡眠不足になると仕事できなくなる」と考える場合、「睡眠不足で仕事ができなくなる日もあれば、睡眠不足でも仕事ができることもあります。睡眠だけが仕事のモチベではないので、むしろ睡眠不足でも普段以上にできることもあります」。
という風に全体的にやわからく考えればOKです。

最終的なゴールは「睡眠の意識をなくし、自然に早く寝て早く起きるリズムができること」なのかなと思います。
ただ「睡眠の意識をなくす=睡眠の意識を0」にするのは、とても難しく完璧主義的な考えです。
基本は「睡眠の意識を減らし、自然に早く寝て早く起きる生活リズムを作っていく」ぐらいでOKです。

今回の16パターンは実際には質問形式になっており、点数によるセルフチェックが可能です。
ただ英語であり、著作権のからみもあり、質問をそのままは使っていないです。
正式な質問や、やりかたは下記のサイト(英語)になります。
https://mysleepwell.ca/cbti/beliefs-about-sleep/

3.【補足】不眠症につながる認知16パターン対策のYouTube

【不眠症】眠れないを「幸せの方程式で解消」

僕のYouTubeで「その日から眠れるようになった」という声が多かった動画です。
おそらく不眠認知によって眠れなかった方に効果があったと思われます。
眠れないことを意識せずに、ベッドの気持ちよさに目を向ける話をしています。

【不眠症】眠れないを改善する方法「レッテル効果の使い方」

こちらは「自分は眠ることができない」などのレッテルを貼ってしまっている人に効果ありです。
レッテル(ラベリング)も認知の歪みの1つであり、やはり不眠認知につながってきます。

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