こんにちは!今日は「精製された炭水化物と炎症反応の関係」について解説します。
白米や白パン、砂糖を多く含むお菓子など、精製された炭水化物は日常的に食べる機会が多いですが、実はこれらが体内で炎症を引き起こす可能性が指摘されています。では、その理由を詳しく見ていきましょう。
1. 血糖値の急上昇とインスリン反応
精製された炭水化物は、食物繊維やミネラルが取り除かれており、消化吸収が非常に早いのが特徴です。そのため、食後に血糖値が急激に上昇します。これに伴い、インスリンの大量分泌が促され、インスリン抵抗性のリスクを高めることが知られています。
インスリン抵抗性は慢性的な炎症状態を引き起こす要因の一つです。
インスリン抵抗性とは、インスリンが十分に分泌されているのに、体の細胞(主に筋肉や脂肪、肝臓)がインスリンの働きに反応しにくくなる状態です。その結果、血糖値を下げるためにインスリンがさらに分泌され、血糖値が高い状態が続きます。
インスリン抵抗性が起こると、脂肪細胞(特に内臓脂肪)が肥大化し、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6など)を分泌しやすくなります。これらのサイトカインは全身の炎症を引き起こし、さらにインスリン抵抗性を悪化させるという悪循環が生まれます。
2. 体内のAGEs(終末糖化産物)の増加
血糖値の急上昇は、血中の糖と体内のたんぱく質が結びつく「糖化反応(メイラード反応)」を促進し、AGEs(終末糖化産物)を増加させます。
AGEsは体内の酸化ストレスを高め、細胞を傷つけ、炎症反応を引き起こすことがわかっています。
3. 腸内環境への悪影響
精製された炭水化物は、食物繊維をほとんど含まず、腸内の善玉菌を養う働きが弱い食品です。
これにより腸内環境が乱れ、腸管バリア機能が低下し、腸内から有害物質(リポ多糖など)が血中に漏れ出して全身の炎症反応を促進するリスクが高まります。
4. 過剰摂取による肥満と脂肪組織の炎症
精製された炭水化物を過剰に摂取すると、血糖値の急上昇により脂肪細胞が肥大化し、脂肪組織から炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6)が分泌されやすくなります。
これが慢性的な炎症状態の原因となり、生活習慣病(糖尿病、心血管疾患)のリスクを高めることがわかっています。
まとめ
精製された炭水化物は、血糖値の急上昇やAGEsの生成、腸内環境の悪化、脂肪組織の炎症を通じて、体内の炎症反応を引き起こす可能性があります。
健康のためには、白米や白パンを控えめにし、玄米や全粒粉パン、野菜、果物など食物繊維豊富な食品を取り入れることが大切です。