眠りを学ぶ生徒の皆さん、こんにちは。睡眠教室 学長の野上しもんです。
今回の睡眠教室では、ベッドの上で使える120秒で眠れる『米軍式睡眠法』をお伝えします。
なかなか眠れない人が、寝つきに困っているときに使える睡眠テクニックです。
やり方は簡単。体と思考をリラックスする6ステップを行うだけ。
心身ともに緊張がなくなり、リラックスして気持ちよく眠れるようになる。
あなたはこのように考えていませんか?
「すぐに寝付くことができない。眠れる方法を知りたい!」
「寝ようと思っても、いろいろ考えすぎて眠れない!」
「米軍式睡眠法は知っているけど、うまくいかない!」
睡眠には、体だけではなく、思考もリラックスすることが大切。
思考のリラックスが苦手な人は、思考を手放すテクニックを知るのが大事。
この記事を最後まで読めば、『120秒以内で眠れる米軍式睡眠法』が身に付きます。
今回の記事では、米軍式睡眠法のやり方だけではなく、できないときの方法もお伝えします。
ご興味があるかたのみ、最後までお読みください。

野上しもん 睡眠教室「ひつじは眠る」学長
・上級睡眠健康指導士
・講師/作家/カウンセラー/YouTuber
・5年以上のうつ病と29年間の不眠症を改善
・趣味:ランニング・運動・読書・話すこと
・IQ149.1(CAMS)
・著書「眠れない理由を知って眠れる方法を知れば安眠。」
サイト記事補佐:村上かおり先生
120秒ですぐ眠れる『米軍式睡眠法』を解説

米軍式睡眠法とは、米国軍人の96%が6週間の訓練で120秒以内に眠れるようになった方法です。
6週間の訓練と書かれた通り、うまく使えるまでには時間がある程度かかることがあります。
ただ120秒にこだわらず、10~20分で眠れるというレベルであれば、すぐに使いやすい睡眠法です。
米軍式睡眠法は「体の上から下、思考の順番でリラックスしていく」方法です。
肉体の緊張がなくなり、力が抜ければ、体は眠りに向かっていきます。
でも、体がリラックスしただけで、眠れる人もいれば、眠れない人もいます。
いろいろと考えすぎてしまう人の場合、思考に力が入って眠れないことがあるからです。
では、どのように米軍式睡眠法を行っていけばいいか、「具体的な方法」と「米軍式睡眠法がうまくいかない場合の対応策」をお伝えしていきますね。
米軍式睡眠法のやり方を6ステップで解説!

米軍式睡眠法の6ステップをお伝えします。
米軍式睡眠法6ステップ
①顔の筋肉をリラックスする
②肩と腕が布団に沈むイメージでリラックスする ※片側ずつ行う
③息を吐いて胸をリラックスする
④足をリラックスする
⑤何も考えず深呼吸を10秒
⑥以下の3つのうち、1つをイメージ
・澄んだ青空の下、 穏やかな湖畔でカヌーの上で寝ている。
・真っ暗な部屋で黒いベルベッド色のハンモックに横たわっている 。
※暗く沈んだ色をイメージすると良いです。闇にとけこむような色ですね。
・ 「考えるな、考えるな、考えるな」と10秒間、心の中で自分に言い続ける。
うまくリラックスできないとき…
①顔の筋肉をリラックスする
顔のパーツを中心に集めるようにして力を入れる(5~10秒)→力を抜く
②肩と腕が布団に沈むイメージでリラックスする ※片側ずつ行う
肩と腕をピンと伸ばすように力を入れる(5~10秒)→力を抜く
③息を吐いて胸をリラックスする
息を吐いて、息を吸って、息を2~5秒止めて、息を吐く
④足をリラックスする
足をピンと伸ばして力を入れる(5~10秒)→力を抜く
⑤何も考えず深呼吸を10秒・⑥以下の3つのうち、1つをイメージ
⑤⑥についての思考とイメージについてはこの後の文章をお読みください
うまく体も思考もリラックスすれば、すーっと眠りに入っていきます。
まずは気軽に米軍式睡眠法を試してみませんか?
僕の場合の「米軍式睡眠法」
僕の場合は、記事でも書いているとおり、120秒にはこだわっていないです。
時間を意識すると、眠りにくくなってしまうからですね。
では、どうするかというと、筋弛緩法とボディスキャン瞑想を組み合わせます。
筋弛緩法とボディスキャン瞑想のやり方は、それぞれの記事で詳しくお伝えします。
まずは筋弛緩法で、顔の力を抜きます。
次に、ボディスキャン瞑想(体全体がリラックスしていく瞑想)の短縮版で、体をリラックス。
あとは呼吸に意識を向けていれば、自然と眠れることが多いです。
もしも、眠れない場合は、「布団の気持ちよさに意識を向ける」「体の力が抜けていくことに意識を向ける」など、幸せの方程式でお話しした方法を使います。
それでも眠れない場合は、「猫をイメージする」「自分がプロ野球で大活躍する妄想する」など、思考をリラックスします。
ちなみに妄想は「現実離れしたリラックスする内容」がおすすめです。
現実とつながりがある妄想は、執着を生んで、不安や焦りを呼び起こすことにつながります。
<記事>【筋弛緩法のやり方】眠いのに眠れないときに、体をリラックスさせる方法
米軍式睡眠法をやりやすくする呼吸法はコレだ!

米軍式睡眠法ではリラックスが大切。
リラックスする呼吸で使えるのが腹式呼吸です。
さらに、吸う息より、吐く息を長くすると、より深くリラックスしやすくなります。
基本は、鼻から息を吸って、口から息を吐くと、リラックスしやすいです。
慣れてきたら、「鼻から息を吸って、鼻から息を吐く」と、酸素効率がよくなりおすすめです。
腹式呼吸はリラックスする理由と鼻呼吸の酸素効率
なぜリラックスするかというと、腹式呼吸で横隔膜が上下に大きく動くからです。横隔膜には自律神経が集まっており、落ち着く効果がある副交感神経が働きやすくなります。
逆に浅い呼吸になりやすい胸式呼吸は、興奮や緊張につながる交感神経が優位になりやすいです。
鼻呼吸は酸素効率が良いと言われます。口から息を吐くと酸素がですぎてしまうからです。
腹式呼吸を意識的にすると、リラックスはしやすいです。
ただ腹式呼吸を意識してコントロールしているので、やや思考に力が入りやすいです。
もちろん、体がリラックスしてくるので、少しずつ思考も落ち着いてきます。
でも、腹式呼吸のコントロールをする意識が強い場合は、なかなか眠れないかもしれません。
思考を落ち着かせる意味では、「自然な呼吸を観察する」がおすすめです。
腹式呼吸、吸う息より吐く息など、まったく意識もコントロールもしない方法です。
自然に呼吸する自分をただ観察します。
やり方は簡単で「あー、呼吸してるなー。お腹が上下している。息が口から入ってお腹に入って、また出ていく」と、感じていくだけです。呼吸のコントロールをしません。
呼吸の観察は難易度がやや高いのですが、やりやすくする方法があります。
難易度がやや高い理由は、まったくリラックスしていない状態だと、かなりの集中力がないと呼吸をただ感じ取っていくのが難しいからです。
まずは腹式呼吸と吐く息を伸ばすでリラックスしてから行うと、呼吸を感じ取りやすくなります。
腹式呼吸から呼吸の観察につなげる方法が身につくと、どこにいてもリラックスしやすくなってきます。
体も心も落ち着く呼吸
①腹式呼吸をする
②吸う息より、吐く息の時間を伸ばす(吐く息のほうが2倍くらい長い)
③少し落ち着いたら、あとは自然な呼吸に任せる(呼吸をコントロールしない)
④あとは呼吸をただ感じ取っていく
僕の場合の「心を落ち着かせる最強の方法」
さらに心を落ち着かせる「内部の感覚」を感じる方法があります。
脈をさわらずに感じ取っていく、という方法です。
脈をさわらずに感じ取っていくには、気持ちも体も力が抜けないと感じ取れないので、気づけば自分まるごとがリラックスしています。
腹式呼吸でもまったくリラックスができない場合は、「いろいろ考えすぎて眠れない!60秒で考え事が消える方法7選で寝つきをよくする」の記事に書かれたリラックス方法をどうぞ、お試しください。
米軍式睡眠法で眠れないのはイメージが原因かも?

米軍式睡眠法でうまくいかない人の多くは、イメージ部分でひっかかることが多いです。
- 澄んだ青空の下、 穏やかな湖畔でカヌーの上で寝ている。
- 真っ暗な部屋で黒いベルベッド色のハンモックに横たわっている 。
- 「考えるな、考えるな、考えるな」と10秒間、心の中で自分に言い続ける。
湖畔でカヌーって言われても!
ベルベッド色のハンモックって言われても!そもそもベルベット色ってなに!?
考えるなを繰り返すのが圧迫感があって、ちょっとしんどい!
って思いませんでしたか?僕は思いました笑
そもそもアメリカのテクニックなので、日本人ではイメージしにくいところがあります。
もちろん、うまくいけば、米軍式睡眠法のままでのやり方でもOKです。
でも、うまくいかない場合は、リラックスするイメージを変えることが大事です。
例えば。
僕の場合であれば、子猫を抱っこして寝ている自分を思い浮かべます。
他にも、波のない湖に月が映る姿を思い浮かべる。体が気持ちよく浮かんでいく姿をイメージする、などを使うことがあります。
米軍式睡眠法のイメージ部分でうまくいかない場合は、ひとまずあなたがリラックスするイメージをしてみましょう。
シンプルに「ふわ~」と力が抜ける擬音を思い浮かべるだけでも効果があります。
シロクマ実験の考え方でいくと「考えちゃいけない」をうまく使うことが大切です。
シロクマ実験を分かりやすくいうと「人間は考えちゃいけないと思うと、より考えてしまう」という心理結果が出た実験です。
例えば、明日の仕事のこととか、不安やストレスがあること、悩みごとなど「考えちゃいけない」と思うと、より考えやすくなります。
シロクマ実験とは?
神戸学院大学:心理学部/心理学研究科より引用
心理学者、ダニエル・ウェグナーのシロクマ実験では、Aグループには「シロクマのことを考えておいてください」と、Bグループには「シロクマのことだけは考えないでください」と伝えました。時間をおいて質問すると、シロクマのことをより頻繁に考えてしまうのはどっちだったでしょうか? 答えは意外にも「考えないでください」と伝えたBグループだったのです。
では、どうすればいいかというと「考えない」ではなく「別のことを考える」です。
先ほどの「僕の場合」でいくと、子猫を抱っこして寝ている自分を考えるとお伝えしました。
シロクマ実験でいくと「子猫を抱っこして寝ている自分を考えちゃいけない」と思った方が、より強く子猫を抱っこして寝ている自分をイメージできるかもしれない、ってことですね。複雑です笑
実際に今、猫をイメージしようと考えると力が入ってうまくイメージできないですが、猫をイメージしちゃいけないと考えると、自然と猫がイメージできて、心がほっこりします。
米軍式睡眠法の「考えるな考えるな……」は引っかかるかも?

個人的には「考えるな、考えるな、考えるな」は効果が薄いと感じています。
シロクマ実験でいくと、より考えてしまうことにつながる…という理由ではありません。10秒間連続的に考えるなと問いかけると、思考に隙間はなくなるので、ほかのことは実際に考えられないのは確かです。
では、効果が薄いと考える理由は何かというと。
米軍式なので本来は英語だからです。
つまり、「考えるな」は「don’t think(ドンシンク)」です。頭で自分に問いかけるとわかるのですが、「考えるな」よりも、「don’t think」はリズムに乗りやすく問いかけやすく、思考により隙間を与えにくくしやすいです。
この手の言葉のテクニックは言語の違いで効果が変わってくるのでは?と僕は考えています。
「ヒツジを風る睡眠法」
有名な「ヒツジが一匹、ヒツジが二匹…」と数えるものも、英語だと「sleep(眠る)」と「sheep(ひつじ)」がスリープとシープで発音が近く自己暗示効果があるからだともいわれています。また海外の人にとってはヒツジがイメージしやすいのも理由かもしれません。このように海外系テクニックは、そのまま使えないこともあります。』
米軍式睡眠法をより使いやすくする知識

- ボディスキャン瞑想
体がリラックスする癒しの瞑想法 - 寝付きが悪い人が深い腹式呼吸でリラックスして眠る方法とは?
呼吸を使って、体をリラックスする方法 - 【筋弛緩法のやり方】眠いのに眠れないときに、体をリラックスさせる方法
力を入れてから、力を抜くをすることで体をリラックスする方法 - 【寝付きが悪い】執着が原因?『幸せの方程式』を使えばぐっすり眠れる
リラックスをする思考法は幸せの方程式【幸せ=快感÷執着】が参考になります。 - いろいろ考えすぎて眠れない!60秒で考え事が消える方法7選で寝つきをよくする
リラックスがなかなかできないかたは、60秒で考え事が消える方法で自分に合うものを使うのがおすすめです。
YouTubeでは、さまざまな眠れる方法をお話ししています。
ご興味があるかたのみ、ご覧ください。
『120秒で眠れる米軍式睡眠法』のまとめ
- 体と思考をリラックスすれば、自然と眠れる
- 体のリラックスがうまくいかない場合は、腹式呼吸と筋弛緩法を使う
- 思考のリラックスがうまいかない場合は、米軍式睡眠法とは違うイメージ方法を使う
おすすめ本
・眠れない理由を知って 眠れる方法を知れば 安眠。
・賢者の睡眠
・最高の体調 体の不調がなくなればリラックスしやすくなる
今回の授業は以上です、ありがとうございました。
それではまた、次の睡眠教室でお会いできることを楽しみにしています。
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