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自責思考は性格的か行動的かでメンタルへの悪影響が変わる|他責思考のバランスより大事なこと

「自分を責めないことが大事だよ。」
という言葉はよく聴きますし、僕も人によく伝える言葉です。
でも、「他責思考になるのは逃げているような気がするし、自責思考も大切なんじゃないか?」と思う方もいますよね。
実際にネットで検索すると、「自責思考と他責思考はバランスが大事だよ」と、2つとも大事であることが書かれている情報が多いです。

ただ、自責思考と他責思考において、バランスの重要度は4番目以降です。
もっと大事なことが3つあります。
自責思考が多いことよりも、自責思考の捉え方が問題なんです。
今回は、確実にやめたほうが良い自責思考と、自分を許す考え方をお伝えします。

メンタル
運営者:メンタルコーチしもん
・双極性障害とうつを克服 |薬なし安定
・29年間の睡眠障害を克服
・38歳運動開始 マラソン完走&800m優勝
・チェストプレス107kg達成|体重50㎏
・上級睡眠健康指導士
→詳細プロフィールはコチラ

1.性格に対する自責思考が問題

一言で自責思考と言っても、何を責めるかによって、メンタルへの影響は変わってきます。
人から責められた場合で考えると分かりやすいですが、「性格や人格を責められるの」と「行動を責められる」のでは、受けるダメージが変わってきます。
1つはメンタルが悪化しやすく、もう1つは場合によっては良い方向に働く自責思考です。
まずは自分がどちらの自責思考かを知ることが大事です。

解決①:行動的自責思考か性格的自責思考かを知る

心理学者のブルマン博士は自責思考を2つに分けています。
それが「行動的自責思考」と「性格的自責思考」です。

行動的自責思考とは?
行動的自責思考は、自分の行動に原因があると考えるタイプの自責思考です。
この場合、行動すれば問題が解決できるため、コントロール感が高く、「次はどうすればいいか?」という前向きな考えが生まれることがあります。

性格的自責思考とは?
性格的自責思考は、自分の性格や変えられない特性に原因があると考える自責思考です。
この場合、「自分は無力だ」「自分は根本的にダメだ」といった自分に対する否定的な感情が強まり、無力感につながりやすいです。
しかも、行動とは違い、簡単に変えられるものではないので、長期的に苦しみやすい自責思考です。

意味は少し変わりますが、個性や人格も含めた「自分のパーソナリティを責めないこと」が大切です。
パーソナリティを責めてしまう場合は、自責や他責に関係なくマイナスに働きやすいからです。
まずは自分が行動的自責思考か性格的自責思考か、「どっちに寄っているか?」を知ることが大事です。

解決②:原因は行動に求める

原因を行動に求めれば、改善する方法を見つけることができます。
「行動のここが失敗の原因だったんだ。次はこうしよう」と、次に成功するための情報になってくれるからです。
逆にパーソナリティに原因を求めると、失敗は単なる失敗になり、苦しみを生みます。
なぜなら、原因が行動ではなく、「自分そのものが原因」と思ってしまうからです。

例えば、「もっと自分を優先して、ゆっくり生きたいけど、できない…」と思っている場合、パーソナリティに原因を求めると「私には価値がないから、そんな資格はない」のようにあきらめにつながります。
しかも、パーソナリティは自分そのものという感覚が強いため、責めた場合のダメージが大きくなってきます。

行動に原因を求めると、「人の誘いを断れないのが原因だから、断る方法を知ろう」のように、改善する方法が見えてきます。
原因を行動に求めることが大事です。

解決③:無理にポジティブ思考にならない

性格に原因を求めすぎてしまうと、「消極的だからもっと積極的になって、ポジティブに考えなくちゃ!」と、性格をポジティブに偽ってしまうことがあります。
自分を偽るポジティブ思考は、素直な感情を抑え、ストレスやプレッシャーが高まります。
これが、「有害なポジティブさ」で知られる「メンタルを悪化させる偽りのポジティブ思考」です。

性格は変えていくことはできます。でもそれは、体験や知識を増やし、捉え方を変える中で、少しずつ変わっていくものです。
あなたの本質はそのままでよく、活かし方を「どう考えていくか?」が大切です。

ここまで「行動的自責思考は良い」とお伝えしましたが、原因を行動に求める際に気をつけなければいけないことがあります。
行動的自責思考も完全に良いわけではなく、良いものと悪いものと分かれていくからです。

2.原因に罰を求める自責思考

自分の行動に原因があると考えることは良いことです。
行動に原因があるということは、「自分で解決できる」という意味だからです。
でも、行動がうまくいかなかったときに「罰を与えるべき」と考えると、苦しみが生まれます。

例えば、友人とコミュニケーションをして、傷つけてしまったときに、「あんなこと言うんじゃなかった。自分はひどいやつだ。」と、自分に罰を与え、パーソナリティを責めやすくなります。
「行動した自分が悪い」と考えやすくなるためです。

でも、自己否定をしても、友人は喜びません。
友人が優しい人であれば、自己否定をするあなたを見て、自分が傷ついてしまったことに負い目を感じてしまうこともあります。

解決④:自分に罰を与えるではなく、原因を考える

自分に罰を与えるのではなく、「原因を考えて行動すること」が大切です。
先ほどの友人を傷つけた話であれば、自己否定をするよりも謝る、何に傷ついたかを聞く。
あるいは言葉ではなく、「一緒にどこかに遊びにいく」などの行動で示す。
関係性によっては、何事もなかったかのようにふるまうことで、より良い方向に動くこともあります。

相手や状況によって原因は違うので、先ほどのどれが良い解決法なのかは、場合によりけりです。
だからこそ、行動がうまくいかなかったときは「原因を考えて、行動すること」が大切になってきます。

ちなみに「原因に罰を求める」という考え方は、ほとんどの人が無意識に持っているものです。
社会の中では「責任をとる=罰を与える」というのが常識のように考えられているからです。
罰を与えることは集団の秩序を守る上では手軽な方法かもしれません。でも、個人レベルで考えた場合、罰による苦痛を与えるよりも、「今後どうすればいいか?」と改善の行動をとったほうが健全です。
失敗に対し罰を与える考えが強いと、自己否定につながるばかりか、ひどい場合だと法律を超えたレベルで人を非難する行動をとる可能性も出てきます。

自分の行動に原因があっても、罰を与える必要はなく、原因を考えて改善して行けば、それでOKなんです。
「原因」と「罰感情」を切り離すことで、自責思考のデメリットが大きく減ります。
この原因と罰感情を切り離すときに、妨害してくるのが「甘えは悪い」という誤解です。

解決⑤:甘える事が悪いという誤解をやめる

自分に対する罰感情が芽生えやすいのが「自分は甘えている」と感じるときです。
今まで生きてきた中で「甘えている人には厳しくしなくちゃいけない。厳しくすることが、改善するために大切だ」という先入観が植え付けられているからかもしれません。

でも実際には、厳しくすると「失敗しちゃいけない」という意識を生み、行動に強いプレッシャーを感じやすくなります。
そうなると、失敗を必要以上に恐れて、1つ1つの行動が重くなります。改善するための行動がとりにくくなります。

ここで1つ質問です。
あなたはどちらの生き方のほうが、健康的に前に進める考え方だと思いますか?
「甘えずに生きていくことが大事。この考えを貫くことが大切だ」
「ときには甘えることも大事。やわらかく考えながら生きていくことが大切だ」

ほとんどの人は「ときには甘えることも大事」と考える方が、健康的に前に進めると思うのではないでしょうか。

僕は20代の頃、自分にプレッシャーをかけることが多かったです。
「これぐらいしなくちゃいけない。失敗しちゃいけない」と、強く自分を追い込んでいました。
このプレッシャーは、短期間であれば行動力を高めることがあります。でも、無理をしてストレスをため続ければ長くは持ちません。しかも、失敗を恐れるので柔軟な行動がとれません。
実際に、自分を追い込めば追い込むほど、何をすればいいかが分からなくなりました。
しかも、「こんなことじゃダメだ。もっと厳しくしなくちゃ」と、悪循環になって、メンタルを壊しました。
その後、僕が前に進めるようになったのは「甘えが生まれるのは自然なこと。それも踏まえて、自分の行動を見直していこう」と考えるようになったからです。

「ときには甘えてもいい。」と心にゆとりを持つことで、前に進みやすくなります。
視野が広がり、失敗を必要以上に恐れることがなくなり、人に頼りやすくもなるからです。

甘えは悪いものではなく、ただ過度になれば人生に悪影響が出やすいだけのものです。
甘えに限らず、思考や感情は「どう使うか?」が大事です。
甘えを受け入れて、適切にコントロールするほうが、人生のより良い方向に進めます。

行動に原因を求めて、罰を与えるのではなく改善に目を向ける。
これで自責思考のマイナス面はかなり減りますが、まだデメリットがあります。
それは「解決できない原因までなんとかしようと考えること」です。

3.解決できない原因に捉われる自責思考

自分に原因があったとしても、「解決できるもの」と「解決できないもの」があります。
解決できないものまで、なんとかしようと思うと、「自分を追い詰めるまでがんばってしまう」という、行動をとりやすくなります。
そのため、原因を考えるときは、解決できる原因とそれ以外で考えることが大切です。
自分に原因がないものも含め解決できない原因は、自分ではどうしようもないからです。

「現実的に解決できる原因を意識すること」が大切です。

解決⑥:少しがんばれば解決できることが大事

ただ実際には、「解決できる・できない」という0か100ではなく、「解決しやすい・しにくい」という0~100のグラデーションになっています。

まずは「少しがんばれば解決ができるレベル」までを意識しておくと、気持ちの負担が減って、前に進む行動がとりやすくなります。
感覚的なものですが、「70%以上で成功しそう」というレベルがおすすめです。
少しがんばって解決することで自己効力感が高まってきます。また、失敗によって、自己効力感が下がるリスクを抑えることができます。

解決⑦:難しい行動はハードルをさげる

難しい行動はハードルを下げて、「70%以上で成功しそうな行動」にしましょう。
例えば、「毎日、朝散歩を20分しよう」と考えた場合。
「これはかなりがんばらないといけないな。冷静に考えると成功率は30%もないかも…」と思ったら、行動のハードルを下げることを考えます。
「近くのコンビニに朝ご飯のパンとオレンジジュースとヨーグルトを買い行く。往復で10分ぐらいだ」という風に考えると、心理的にも時間的にもハードルが下がります。
「少しがんばればできそうだな」と思えるレベルまでハードルを下げることが大切です。
そして、習慣化ができたら「最初の朝散歩を20分する」に切り替えていけばOKです。

解決⑧:原因を振り分ける

どんなことであったとしても、誰か1人だけの原因ということはありません。
僕たちは人とのつながりの中で生きているので、原因は分散しているものです。

例えば、僕がうつ病でなかなか回復しなかったのは、自分を大切にしなかったことが原因の1つです。
でも、「自分を大切にしなかったこと」のみを原因にしていれば、僕はいまだに引きこもって苦しんでいたでしょう。当時は、お医者さんの圧力がストレスだったのも原因ですし、スマホという便利アイテムによって行動力が下がっていたのも原因だったといえます。他にもいくつかの原因があったと思います。

10年前の僕であれば、「他に原因を求めるなんて、なんと無責任な!」と思ったかもしれませんが、それは行動ではなくパーソナリティを責める考え方です。無責任は「行動ではなく、自分に対するもの」だからです。

原因を冷静に分析するからこそ、「お医者さんにも原因がある。ということは、僕が良くなっていくためには、もう少し自分で考えて行動して、お医者さんの原因を減らす必要がある」と考えることができました。
セルフコンパッションなどの心理学を学んで、心の負担を下げるために転院をしました。

原因を振り分けることで、「どういった行動をとればいいか?」が見えやすくなります。
なぜかというと、「自分にすべての原因がある」という考え方は非現実的で、選べる行動が減ってくるからです。
原因を振り分けることで、現実が見えやすくなり、前に進む行動がとりやすくなってきます。

もしも「自分がすべて悪い」という風に自分のみに原因があると考えてしまうときは、次のように自問してみてください。

解決⑨:「神に比べ、自分の原因は何%か?」と自問する

もしも、「自分にすべて原因がある。またはほとんど原因がある」と考えた場合は、「神でもない一人の人間である自分にどれだけの原因があるだろう?」と自問すると、「そこまで背負わなくて良いかも」と気持ちが楽になりやすいです。

人間は神に比べて、ちっぽけな存在です。
昔は「ちっぽけな存在」という言葉が、マイナスに聞こえていました。
でも、今は「ちっぽけな存在だからこそ、それほど背負おうことなく、自由に生きられる」のだと思っています。
もしも、漫画に出てくるような世界を救うヒーローであれば、背負うものが多く、自由に生きることが難しくなります。

ここまで、自責思考の3つの問題点をお伝えしてきました。
①パーソナリティに原因を求める
②原因に罰を求める
③解決できない原因にとらわれる

この3つを取り除くと、自責思考が自分らしく生きる思考に変わってきます。
自然と、他責思考とのバランスがとれてきます。
ここからは、3つの問題点を解決する方法を、さらに深ぼってお伝えしていきます。

4.自分のパーソナリティを認めるには?

「パーソナリティに原因を求めない」と考えても、ついつい求めてしまうものです。
その原因の1つが、「自分を認めていないこと」です。
自分を認めていないからこそ、パーソナリティに原因を求めるようになるんですね。
つまり、自責思考で苦しまないためには「自分を認めること」が大事になってきます。

解決⑩:セルフコンパッション

自分を思いやる心理学セルフコンパッションを行うことで、少しずつ自分を認めることができます。
簡単にできる方法だと、自分を責めたときに「自分の胸を優しくなでて、『OKだよ』と声をかけること」です。
胸を優しくなでることで、愛情ホルモンのオキシトシンが分泌されて、安心感やリラックス効果が得られます。

また、2013年のポーランドの研究では、「胸に手を当てることで、より正直な行動が取れる」と伝えています。この結果は、ポーランドの「胸に手を当てることは誠実性を表す」という価値観が影響したとも考えられます。でも、日本も同じような価値観があるため効果が期待できます。

つまり、胸を優しくなでる行為は、「自分への優しさを高める効果」と「愛情ホルモンの効果」だけではなく、「自分に対して素直に向き合える力を与えてくれる」んですね。

胸を優しくなでたあとで、「行動の何が原因だったか?」と行動に目を向けましょう。
セルフコンパッションを高めていく方法にご興味がある方は、ゼロ式セルフコンパッションシリーズをご覧ください。説明欄にリンクを用意しています。

解決⑪:素直になれる人間関係をつくる

素直になれる人間関係を作ることで、自分のパーソナリティを受け入れやすくなります。
自分を偽ることが増えれば増えるほど、本当の自分が見えなくなって、認めるのも難しくなるからです。
素直になれる人間関係を築くのは、簡単ではないかもしれません。でも、意識をすることが大切です。
自分を偽らずに素直でいられる人間関係を少しずつ作っていきましょう。

初対面のうちからいきなり素直な自分を出すことに、抵抗がある人もいると思います。
ただ、少しずつ自分のことを伝えて、素直な感情表現をしていくことが大事です。
素直な自分を出していくことで、お互いの信頼感が高まっていくからです。

信頼の大きなポイントは「未来予測」がしやすいことです。
相手がどんな反応をするか、どんな行動をするかが予測できると、そこに信頼が生まれます。

誠実な人を信頼しやすく、嘘をつく人を信頼できないのは、未来予測のしやすさにあります。
約束を守ると言っていた相手が何度も約束を破ると、信じるのが難しくなりますよね。
言葉と行動に一貫性がなく、未来予測ができなくなるからです。

素直な自分を出していくことで、相手はあなたの性格や好き嫌いなどいろんなことを知っていきます。
どういう人間かが、少しずつ分かってくるんですね。
未来予測がしやすくなり、より安心できる人間関係を築くことができます。
自分の悩みを打ち明ける時も、相手がどんな反応をするか分かれば、安心して話しやすくもなります。

5.「原因=罰を求める」思考をやわらげるには?

「原因=罰を求める」思考をやわらげるには、「原因」と「罰感情」を分けるだけでは解決しないことがあります。
「原因=罰を求める」思考が習慣になっていて、無意識にそう考えてしまう可能性があるからです。
この思考の習慣をやわらげていくためには、自分以外に対しても、罰感情と原因を分けて考えていくことが大事です。

解決⑫:他人が原因でも「罰」を与えようと考えない

自分だけではなく、他人に対しても罰を与える意識を減らすことが大切です。
思考は習慣によって作られていきます。
他人に罰を与える思考を持っていると、いざ自分が失敗したときに自分に罰を与える思考が働きやすくなります。

例えば、有名人が法律や倫理を犯したとき、ネット上では攻撃的に非難する人が出てきます。
その中には、「攻撃すること自体が楽しい」という人もいますが、「悪いことをしたのだから非難するのが正しい」と考えている人も少なくありません。
「悪いことをした人には罰を与えるのは当然。むしろ良いこと」と思ってしまうからです。こういった価値観を持っていると、自分が失敗したときに罰を与えるようになります。

「非難することが正しい」と思っている人は良かれと思って行っています。
そんなときは「本当はどうすることが良いだろうか?」と視点を変えて考えることが大事です。非難以外の思考が身に付くことで、他人だけではなく自分に対しても攻撃をすることがぐっと減ってきます。
今回の話につなげるなら、「相手を攻撃するのではなく、今後どうすれば良い方向に進んでいくか」と行動や仕組みの改善に目を向けていくことが大切です。

解決⑬:感謝日記を書く

分かっていても思わず他人を責めてしまうことがあると思います。
この「分かっていてもうまくできないとき」というのは、視野が狭くなっている、心に余裕がないことが原因かもしれません。

そんなときは、「感謝日記」の習慣をつくることがおすすめです。
感謝日記を書くことで、視野が広がって、心に余裕が生まれるからです。
カリフォルニア大学2016年の実験では「感謝を行っている間、副交感神経が活性化した」という結果が出ています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27187845/

感謝することで、自分以外に意識を向けることができ、心理的な視野が広がります。さらにリラックスできることで、心に余裕が生まれます。

まずは「感謝することを3つ書く」。慣れてきたら「5分間、感謝日記を書く」習慣を作っていきましょう。
感謝を続けることで、自然と「良いところを見つける力」が鍛えられます。他人だけではなく、自然と自分を許す力も高まっていきます。

僕ははじめ、「自分に対する罰感情をなくす」と考えることが難しかったです。
でも、感謝から始めると、自然と自分への思いやりが持てるようになりました。
自分に対して厳しくなりすぎるときは、いったん外に意識を向けることで、視野が広がります。
そうすることで、少しずつ自分に優しくできるようになってきます。

6.原因を現実的に受け止めるには?

何か問題があって、行動に原因があると思うとき、それが解決しやすいものなのか、解決しにくいものなのかの判断は難しいことです。
自信がない人の場合は「解決できない」と思いやすく、自信がある人は「解決できる」と思いやすいです。
でも、自信によって左右されるのは「現実的な考え方」とは言えません。

では、どうすれば「現実的に解決しやすいのかどうか」が分かるのでしょうか?

解決⑭:行動する前ではなく、後で評価する

「解決しやすいかどうか」を行動する前に評価するのが難しい場合は、「いったん行動してみること」が大切です。
実際に行動すれば、それが解決しやすいかどうかが分かるからです。
特に完璧主義傾向が強い方は、行動する前に「できるかどうか」を評価して、準備や計画に時間を使いすぎてしまうことがあります。
でも、まず行動した方が「できるかどうか」が早く分かります。準備や計画がどのくらい必要なのかも判断しやすいです。場合によっては、「思ったよりも簡単だった」と感じて、そもそも準備や計画をする必要がなかったと気づくこともあります。

以前の僕は行動する前に評価をすることが多く、なかなか行動ができませんでした。
例えば、「体を動かすと疲れる」と考えていて、休むときは横になることが多かったです。でも、疲れがとれることはありませんでした。
そこで、「体を動かすとどうなるか?」と試してみると、むしろ疲れがとれやすくなりました。
実際に少し体を動かすことで、脳や体に酸素や栄養が行き渡り、かえって疲れが取れやすくなります。特に現代では、動かないことが疲労の原因であることも多いからです。

このように、行動する前に評価をしてしまうと、解決できることを見逃してしまうことがあります。
そのため、行動する前ではなく、行動した後で評価をすることが大切です。

結果的に「体を動かしたら、もっと疲れた」という場合でも、
「体を動かしすぎたのかも?」
「運動だと疲れるから、買い物に行くみたいな外出ぐらいがいいかも?」
「血行だけを考えるなら、お風呂でもいいかも?」
「これぐらい疲れていると、さすがに横になったほうがいいんだな」
と、少しずつ自分にあった疲労回復法が見つかってきます。

行動が良いものかどうかは、行動したあとで評価することが大切です。
「行動して評価する」を繰り返すことで、行動前に見極める力も高まってきます。

ただ、いきなり大きく行動すると失敗したときのダメージが大きいです。
まずは「小さく行動すること」が大切です。

解決⑮:マスタリー獲得思考を持つ

マスタリー獲得思考を持つことで、「小さく行動すること」がしやすくなります。
マスタリー獲得思考とは、「誰かを意識してマイナスを避ける」ではなく、「自分のためにプラスを手に入れる考え方」のことです。
「自分のために」という考えなので、「やらなくちゃ」ではなく「やりたい」というモチベーションを高めやすいです。

また「行動するプレッシャーをやわらげる効果」があります。
「マイナスを避けるため」という回避思考の場合、マイナスを意識して、失敗を必要以上に恐れるようになります。逆に「プラスを手に入れるため」という獲得思考の場合、プラスに意識が向くので、失敗を必要以上に恐れることがなくなります。

マスタリー獲得思考はモチベーションを高めて、行動するプレッシャーが下がるので、「小さく試す行動」がしやすくなります。
この思考は、達成動機づけ研究の第一人者、アンドリュー・J・エリオット教授(ロチェスター大学)が提唱した「2×2達成目標フレームワーク」を応用したものです。

以前の僕は「人と比べて体力がないから、運動しなきゃ」と他人軸の回避思考でした。でも、この思考は義務感を生んでしまうので、モチベーションが長く続きません。
でも、「体力をつければ、やりたいことが増える」と考えて始めてから、3年間、週5回以上の運動が継続できています。
考え方を少し変えるだけで、行動に大きな違いが生まれます。

ただ、大きなリスクは回避する必要があるので、「マスタリー獲得思考で行動を小さく始めていくこと」が大切です。

解決⑯:なんとかする。そして、なんとかなる

解決できる原因は、「行動することが大事」だと、ここまでお伝えしてきました。
ただ、できる行動をしたあとや、解決できない原因については「なんとかなるさ」と楽観的に手放すことも大事です。

行動するときは「なんとかする」と現実的に考えて、手放すときは「なんとかなる」と楽観的に考える。
この使い分けを意識するだけ、自責思考のメリットを活かして、デメリットを減らすことができます。

まとめると、「自分のためにプラスになる行動を少しずつ積み重ねていく。行動の評価は終わったあとにする。そして、行動が終わった後は楽観的に結果を待つ」ということですね。
自責思考の解決法のまとめ

解決①:行動的自責思考か性格的自責思考かを知る
解決②:原因は行動に求める
解決③:無理にポジティブ思考にならない
解決④:自分に罰を与えるではなく、原因を考える
解決⑤:甘える事が悪いという誤解をやめる
解決⑥:少しがんばれば解決できることが大事
解決⑦:難しい行動はハードルをさげる
解決⑧:原因を振り分ける
解決⑨:「神に比べ、自分の原因は何%か?」と自問する
解決⑩:セルフコンパッション
解決⑪:素直になれる人間関係をつくる
解決⑫:他人が原因でも「罰」を与えようと考えない
解決⑬:感謝日記を書く
解決⑭:行動する前ではなく、後で評価する
解決⑮:マスタリー獲得思考を持つ
解決⑯:なんとかする。そして、なんとかなる

まずは、興味があって、できそうなものを1つだけ行っていきましょう。

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2-2.セルフコンパッションの3つの要素
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3-3.【タイプ別】セルフコンパッションの5つのロードマップ
4.セルフコンパッションエクササイズ20
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5-1.好きになるかは自由「心理的リアクタンス」
5-2.ポジティブな記憶が残る「ピークエンド効果」
5-3.週4回以上行うと「習慣化する」

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