日々の仕事や生活で、複雑な問題を解決する場面に直面することはありませんか？そんな時に役立つのが「シックスハット思考法」です。この革新的な思考法は、異なる視点を取り入れることで、柔軟で包括的なアイデアを生み出し、問題解決や意思決定を効率的に進められるようにします。本記事では、シックスハット思考法の基本的な概要、活用のメリット、具体的な使い方、実際の事例、そして導入時の懸念点や解決方法まで詳しく解説します。これを読み終えた後、あなたもシックスハット思考法のプロフェッショナルになれるでしょう。
野上しもん
・29年間の睡眠障害を克服
・5年以上の双極性障害とうつを克服
・上級睡眠健康指導士
・メンタル心理カウンセラー
・食生活アドバイザー
・YouTube「メンタルコーチしもん」登録数1.3万
著書
・眠れない理由を知って眠れる方法を知れば安眠
・脱・中途覚醒 “夜中に目覚める”悩みが消える
・12歳になるまでに読みたい 「子どもの睡眠」
シックスハット思考法とは？
シックスハット思考法の基本的な定義
「シックスハット思考法」とは、エドワード・デボノが提唱した思考技術で、6つの異なる視点（ハット）を用いて考える方法です。それぞれの「ハット」は特定の思考スタイルを象徴しており、議論の中で視点を切り替えることで、問題を多面的に分析し、解決策を導き出します。この手法は、個人の創造力を高めるだけでなく、チームでのブレインストーミングや意思決定にも役立つ汎用的なアプローチです。
各ハットの役割
シックスハット思考法を理解するためには、それぞれのハットの特徴を知る必要があります。以下がその概要です：
- 白のハット：事実やデータに基づく客観的な視点。主観を排除し、情報の正確性に集中します。
- 赤のハット：感情や直感に基づく視点。理屈ではなく感覚的な意見や第一印象を重視します。
- 黒のハット：リスクや欠点を見つけ出す批判的思考の視点。問題点を洗い出し、リスクを最小化します。
- 黄のハット：ポジティブな可能性や成功のシナリオを考える視点。楽観的な見方でモチベーションを高めます。
- 緑のハット：創造的で新しいアイデアを追求する視点。従来の枠を超えた発想を探ります。
- 青のハット：全体の議論を俯瞰し、進行を管理する視点。どのハットに焦点を当てるべきかを指揮します。
この手法を使うことで、私たちは偏りや思考の行き詰まりを防ぎ、柔軟かつ深い議論を展開できるようになります。
シックスハット思考法のメリットとは？
なぜシックスハット思考法が役立つのか？
シックスハット思考法は、問題解決や意思決定をスムーズに進めるための有効なツールです。その具体的なメリットを詳しく見ていきましょう。
効果的な問題解決を可能にする
シックスハット思考法を使うと、一つの視点に偏ることなく問題を包括的に分析できます。たとえば、データに基づいて現実を把握（白のハット）しながら、感情的な反応（赤のハット）や潜在的なリスク（黒のハット）を考慮できます。これにより、感情や直感を無視せずに論理的な判断ができるため、よりバランスの取れた結論を導き出せるのです。
チームワークの向上
複数人でシックスハット思考法を取り入れると、メンバー間の視点の共有が進みます。一人ひとりが異なるハットを担当することで、全員が同じ方向に向かって議論を進めやすくなります。また、個々の意見を尊重しながら全体像を把握できるため、チームの結束力を高める効果もあります。
創造性と論理性の両立
緑のハットを用いて創造性豊かなアイデアを出し、黒のハットでそれを精査する。このように、自由な発想と現実的な分析を組み合わせることで、斬新で実行可能なアイデアが生まれます。このバランスこそ、シックスハット思考法の最大の魅力です。
時間効率の向上
議論の焦点を明確にすることで、無駄な話し合いや混乱を減らせます。特に青のハットが進行を管理することで、議論が効率的に進み、時間の節約にもつながります。
シックスハット思考法の詳細説明
各ハットを深掘りする
シックスハット思考法を実践するには、それぞれのハットの役割と効果をしっかり理解しておく必要があります。
白のハット（データ志向）
白のハットは、事実やデータをもとに冷静に考える役割を担います。具体的な数値や信頼できる情報をもとに判断を行うため、議論の基盤を築く重要な役割を果たします。「現状の数字は何を示しているか？」「どのデータが信頼できるか？」など、データの正確性を重視します。
赤のハット（感情と直感）
赤のハットでは、論理では説明できない感情や直感を意識的に取り入れます。たとえば、「この計画にはなんとなく違和感がある」「この提案には期待感が湧く」といった感覚的な意見を出す場面で活用します。これにより、潜在的な問題点や機会を見落としにくくなります。
黒のハット（批判的思考）
黒のハットは、リスクや欠点を洗い出すために欠かせない視点です。「この案にはどのようなリスクがあるか？」「どの点を改良すればより効果的になるか？」といった観点で問題を分析します。批判的な視点があることで、計画の実現可能性を高めることができます。
黄のハット（ポジティブ思考）
黄のハットは、ポジティブな面に焦点を当て、成功のシナリオを描く役割を果たします。特に、「この案がうまくいった場合、どのようなメリットが得られるか？」といった明るい未来を描き、議論を前向きに進めます。
緑のハット（創造的思考）
緑のハットでは、斬新なアイデアや発想を積極的に探ります。「もし制約がなかったらどうするか？」といった自由な発想を促すことで、他では得られない革新的なアイデアが生まれる可能性があります。
青のハット（管理と俯瞰）
青のハットは、議論全体を統括し、進行を管理する役割です。現在どのハットに焦点を当てるべきか、議論の流れを見極めながら適切に指示を出します。議論の方向性がぶれないようにするため、全体の舵取りを担います。
シックスハット思考法の具体例
新製品の企画立案の場面
たとえば、企業が新しい製品の開発を考えているとします。この場合、シックスハット思考法を活用すると以下のように進められます。
- 白のハットで市場調査データを分析し、消費者ニーズや競合他社の状況を把握します。
- 赤のハットで直感や感覚的な印象を共有し、感情的な反応を集めます。
- 黒のハットでリスクや懸念点を洗い出し、どの部分を改善すべきかを考えます。
- 黄のハットで成功した場合のメリットや利益を見通し、計画を推進する理由を明確化します。
- 緑のハットで新しいデザインや機能を提案し、革新的なアイデアを生み出します。
- 青のハットで議論を整理し、次のステップに進むための計画を立てます。
この手順を繰り返すことで、現実的かつ創造的な解決策が得られます。
シックスハット思考法への反論
主な懸念点
「シックスハット思考法は複雑すぎる」「時間がかかりすぎる」といった声もあります。特に、初めてこの手法を使う人にとっては、各ハットの役割を理解し、使いこなすまでに時間がかかるという問題があります。また、特定のハットに偏ると、視点が狭まる可能性も否めません。
反論をカバーする方法
効率的な導入の工夫
これらの課題を克服するためには、以下の方法が有効です：
- 進行役を決める：青のハットを担当する進行役が議論を管理することで、時間を有効活用できます。
- 実践を繰り返す：繰り返し取り組むことで、各ハットの切り替えがスムーズになります。
- ツールを使う：テンプレートやアプリを活用し、視点の切り替えを簡単に行える環境を整えるとよいでしょう。
まとめ
シックスハット思考法の魅力と可能性
シックスハット思考法は、柔軟な発想と多面的な視点を活かして問題解決に取り組む画期的な手法です。この方法を導入することで、個人やチームの生産性を向上させるだけでなく、これまでにない新しいアイデアを生み出す力を手に入れることができます。ぜひこの記事を参考にして、あなたの現場でシックスハット思考法を取り入れてみてください！
