「胸に手を当てる」という何気ない仕草が、私たちの“誠実さ”を他人に伝えるだけでなく、自分の行動までも正直にするかもしれない──そんな驚きの心理学研究をご紹介します。
参考:【2013年】ハートに手をかざすことで道徳的判断と行動が促される
【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。緑のメモは僕の意見・感想です】
結論
「胸に手を当てる」という象徴的なジェスチャーは、他者からの誠実さの評価を高めるだけでなく、自分自身の正直な行動を促す効果があると示されました。
昔から正直さを促すときに言われている「胸に手を当てて考えてみて」という言葉の研究ですね。日本の研究ではないですが、ポーランドをはじめとする一部のヨーロッパ文化で“誠実さ”“心からの本音”を象徴する仕草として根付いているようです。このように国を超えて根付いているものは、人間の本質を表しているかもしれないですね。
内容の信頼性
10点中 8点
ポーランドの研究者による4つの実験で一貫した結果が得られており、心理学の既存知見にも基づいています。ただし文化依存性があるため、他文化での再現が必要です。
何の研究か?
「胸に手を当てる」という文化的に“誠実さ”と関連づけられたジェスチャーが、
- その人の誠実さのイメージを他人に強く印象づけるか
- 実際にその人の行動まで誠実にするかを検証した社会心理学の実験研究です。
研究した理由は?
これまでの心理学では、道徳的判断や行動は主に理性的な熟慮や感情に左右されると考えられていました。しかし、特定の身体的ジェスチャーという“非感情的”なきっかけが、無意識のうちに道徳性に影響を与える可能性があるのかを知るために行われました。
胸に当てた際に、オキシトシンが少し分泌されそうなので、オキシトシン効果かもしれないですね。あと、心臓の音を感じとることができるので、内需感覚を感じとるマインドフルネス的な効果もあるのかもしれないです。
結果はどうだったか?
ジェスチャーの印象効果【詳しく】
「胸に手を当てる」という仕草は、多くの文化で「心からの誠実さ」や「真心を込めた誓い」を象徴するとされています。
この研究では、同じ人物でも胸に手を当てている写真を見せると、見た人は「この人は正直そうだ」「信用できる」と感じる割合が大きく増えました。
例えば、就職面接の自己PR動画を見せて評価する実験では、嘘っぽい自慢話をしていても、胸に手を当てているときのほうが「本当かもしれない」と信じてもらえたのです。
「嘘っぽい自慢話を、胸に手を当てながら話す」は個人的にうさんくさい気がしますが笑
でも確かに求心力がある話しをしている人は似たような行動をしている気がしますし、それに惹き付けられている人の多い印象ですね。
行動面の効果
さらに面白いのは、見た目の印象だけではなく、ジェスチャーをした本人の行動が変わった点です。
● 外見評価の実験
普通、人は相手が不快にならないように多少のお世辞を言いがちです。
でも、胸に手を当てた状態で他人の魅力度を評価すると、お世辞が減り、相手があまり魅力的でない場合でも率直に「魅力が低い」と正直に答える傾向がありました。
● カンニング実験
また、別の実験では、ちょっとした不正行為(テストの点数をごまかす)をする機会を与えられたとき、
胸に手を当てた人は不正をほとんどしませんでした。
対照的に、胸以外に手を置くなどジェスチャーをしない人たちは、報酬欲しさに正答数を多めに申告する人が増えたのです。
「みんな、胸に手を当てて、正直に考えてみて」という言葉の投げかけは理に適っているようです。面白いですね。迷ったときは「胸に手を当てる」と、望む選択肢をとりやすくなる、とかもありそうですね。
感情の影響ではない
「じゃあ、胸に手を当てると気分がよくなるから正直になるんじゃないの?」と考えがちですが、
それを否定するために腕を曲げる別のジェスチャー(肩に手を置く)も比較されました。
結果は、腕を曲げる動作だけでは誠実さは高まらず、
胸に手を当てるという“誠実さの象徴的意味”が大事だと分かりました。
つまり、ジェスチャーが特定の意味を持つからこそ、人の無意識に働きかけて正直さを引き出したのです。
「じゃあ、胸に手を当てると気分がよくなるから正直になるんじゃないの?」と考えがちというのは、私が初めにメモしていた「オキシトシン」や「マインドフルネス効果」なんじゃないの?と意味的に同じですね。実際に、他のジェスチャーでは効果がなかったようなのでオキシトシンやマインドフルネス効果の可能性はありますね。あるいは、相乗効果