スマホゲームをしていると、なぜか眠くなって寝落ちしてしまうことがよくあります。スマホのブルーライトは通常、眠れなくなると聞きますが、なぜこうしたことが起こるのでしょうか。この不思議な現象について、「マインドレスネス」と「スマホの光の影響」という二つのポイントから詳しく考えてみましょう。
野上しもん
・29年間の睡眠障害を克服
・5年以上の双極性障害とうつを克服
・上級睡眠健康指導士
・メンタル心理カウンセラー
・食生活アドバイザー
・YouTube「メンタルコーチしもん」登録数1.3万
著書
・眠れない理由を知って眠れる方法を知れば安眠
・脱・中途覚醒 “夜中に目覚める”悩みが消える
・12歳になるまでに読みたい 「子どもの睡眠」
マインドレスネスとは?
まず、マインドレスネスについて説明します。これは「心ここに在らず」という状態を指し、マインドフルネス(今この瞬間に集中すること)の逆です。具体的には、マインドレスネスとは、意識が現在の瞬間から離れ、無意識的に行動する状態です。例えば、日常生活の中で同じルーチンを繰り返しているときや、単調な作業をしているときなどに陥りやすいです。
スマホゲームをしていると、最初は集中しますが、次第に飽きてきて集中が散漫になります。この状態がマインドレスネスです。スマホゲームを続けることで、徐々に意識が薄れていき、退屈感が増していきます。この退屈感が、実は眠気を誘発する大きな要因となります。
なぜマインドレスネスで眠くなるのか?
マインドレスネスになると、集中が散漫になり、ぼーっとした状態になります。仕事や勉強中にはマイナスですが、眠るときにはこの退屈感が良い効果をもたらします。退屈な状態は眠気を誘発しやすいため、スマホゲームに飽きてきたときに眠くなるのです。
具体的な例として、テレビを見ているときを考えてみましょう。最初は興味深く見ているのですが、次第に飽きてきて、ただ画面をぼーっと見ている状態になります。この状態が続くと、徐々に眠気が襲ってきて、ついには眠ってしまいます。スマホゲームも同様で、最初は集中して楽しんでいるものの、だんだんと飽きてきて意識が散漫になり、眠気が増していくのです。
スマホの光の影響
次に、スマホの光の影響について考えます。スマホの光は300ルクス未満であり、メラトニン(眠りを誘うホルモン)の抑制効果は比較的低いです。しかし、個人差もあり、光刺激に敏感な人はスマホの使用で眠りにくくなることもあります。
メラトニンと光の関係
メラトニンは、体内時計を調整し、睡眠を促すホルモンです。光の強さによってメラトニンの分泌が抑制されます。コンビニの照明は1000から2000ルクス、一般的な部屋の明るさは500から1000ルクスですが、スマホの光は300ルクス以下です。この光の影響でメラトニンの分泌が30%程度抑制されますが、それでも完全に眠れなくなるわけではありません。
スマホが眠りを妨げる理由
スマホが眠りを妨げる理由は三つあります。
- 光の小さな影響: メラトニンが抑えられることで睡眠が浅くなることがあります。
- 光刺激の過敏性: 個人差がありますが、光を見ることで気持ちが活性化し、眠りにくくなることがあります。
- 情報刺激: スマホの通知やSNSの情報が気になり、脳が興奮状態になることがあります。
例えば、夜中にスマホをチェックしてSNSの投稿やメッセージを読んでいると、その内容が気になってしまい、脳が活性化して眠りにくくなることがあります。また、スマホゲーム自体が脳を刺激するため、ゲームの興奮が収まらずに眠れなくなることもあります。
眠るための具体的な対策
眠れないよりは、スマホゲームをして眠る方が良いですが、最終的にはスマホを手放すことを目指しましょう。以下のステップで改善を図ると良いでしょう。
- スマホの明るさを調整する: 低い明るさに設定し、目から離して使用する。
- 眠れる環境を整える: 部屋を暗くし、リラックスできる環境を作る。
- 別の方法を試す: 読書や複式呼吸など、他のリラックス方法を試してみる。
スマホの使用を減らす方法
スマホの使用を減らすためには、段階的に習慣を変えることが重要です。以下の方法を試してみてください。
- ベッドにスマホを持ち込まない: 寝室にはスマホを持ち込まず、リラックスできる環境を整えます。
- スマホの代わりに読書をする: 寝る前にスマホの代わりに本を読むことで、リラックスして眠りやすくなります。
- スマホの通知をオフにする: 夜間はスマホの通知をオフにし、情報刺激を減らします。
- リラックスできる音楽を聴く: 静かな音楽を聴くことで、リラックスして眠りやすくなります。
スマホ依存の問題
スマホを使い続けると、スマホ依存の問題も出てきます。スマホ依存は、精神的および身体的な健康に悪影響を及ぼすことがあります。例えば、長時間スマホを使用することで、眼精疲労や首の痛み、姿勢の悪化などが起こることがあります。また、常にスマホをチェックすることで、集中力が低下し、仕事や学業に支障をきたすこともあります。
スマホ依存を防ぐ方法
スマホ依存を防ぐためには、以下の方法を試してみてください。
- スマホの使用時間を制限する: 一日のスマホ使用時間を設定し、その時間を超えないようにします。
- スマホの代わりに他の活動をする: スポーツや読書、趣味など、スマホ以外の活動に時間を使います。
- スマホの通知を管理する: 不必要な通知をオフにし、必要な情報だけを受け取るようにします。
- スマホの使い方を見直す: スマホの使い方を見直し、必要なときだけ使用する習慣をつけます。
マインドフルネスと睡眠
以前から、マインドフルネスが眠れる方法として紹介されています。マインドフルネスとは、今この瞬間に集中することです。眠るときには、深呼吸や布団の心地よさに集中することで、リラックスして眠りに入ることができます。
マインドフルネスの実践方法
マインドフルネスを実践するためには、以下の方法を試してみてください。
- 深呼吸をする: ゆっくりと深呼吸をし、呼吸に意識を集中させます。
- 体の感覚に集中する: 布団の心地よさや、体の感覚に意識を向けます。
- 瞑想をする: 瞑想を行い、心を静かにします。
- リラックスする環境を整える: 静かな環境で、リラックスできる空間を作ります。
結論
スマホゲームをすることで眠くなる理由は、マインドレスネスの状態とスマホの光の影響の組み合わせにあります。スマホを使用することで一時的に眠りやすくなるかもしれませんが、長期的にはスマホ離れを進めることが重要です。段階的にスマホの使用を減らし、より健康的な睡眠習慣を身につけましょう。