「寝ても疲れが取れない…」そんな悩み、食生活の見直しで改善できるかもしれません。
最新の研究によると、抗炎症的な食事(いわゆる「抗炎症食」)を心がけることで、夜中に目が覚める時間(中途覚醒時間)が短くなり、睡眠効率が向上することがわかりました。
一方で、総睡眠時間には有意な変化は見られませんでした。この一見矛盾するような結果には、どんな背景があるのでしょうか?
続きを読んで詳しく見ていきましょう。
参考:食事中の炎症性の変化は睡眠の質の指標の変化を予測するが、睡眠時間は予測しない
【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。緑のメモは僕の意見・感想です】
結論
食事の炎症を抑えることで睡眠効率が改善される可能性があります。
特に「抗炎症食」は、睡眠中の目覚める時間(WASO)を減らし、睡眠の質を向上させることが示されました。ただし、睡眠時間そのものは変わりませんでした。
中途覚醒時間を減らしたけど、睡眠時間そのものは変わらないとは、どういうことだ?
ということで続きを読んでいきます。
内容の信頼性:10点満点で点数化7点
サンプル数が少ない、食事データは自己申告、睡眠は客観的測定。
睡眠が客観的測定なのは好印象ですね。主観か客観が分かれていると、原因が見えやすいですし。
何の研究か?
この研究は、食事の炎症性ポテンシャル(食事性炎症指数:DII)と睡眠の質(特に睡眠効率と中途覚醒時間)との関係を調べるものでした。具体的には、抗炎症的な食事(DIIスコアが低い食事)が、睡眠中の目覚めや睡眠効率をどのように改善するかを分析しました。
食事性炎症指数(DII)は、私たちが普段食べている食事が体内で「炎症」を引き起こす可能性を数値化した指標です。食事に含まれる特定の食品や栄養素が「炎症を促進する( pro-inflammatory)」または「炎症を抑える(anti-inflammatory)」働きを持つことを、世界中の研究結果をもとに計算します。
研究した理由は?
一般的に使われる睡眠薬は副作用や習慣性の問題があります。
非薬物療法の一環として、食事による炎症抑制が睡眠改善に役立つ可能性があり、それを科学的に検証するために実施されました。
病院では、睡眠薬をとりあえず出すことが一般的な印象がありますよね。もちろん、不眠症を治すことを同時に行っていればいいと思うんですが、「とりあえず睡眠薬で寝させる。そして、治す方法は伝えない。結果、睡眠薬を飲み続け、不眠症が慢性化する」みたいな流れがありますよね。
結果はどうだったか?
・食事の炎症性を下げた(抗炎症食に変えた)人では、
- 睡眠中の中途覚醒時間(WASO)が平均58.3分から25.59分減少(p<0.01)
- 睡眠効率が約2.6%向上(p=0.04)
・ただし、総睡眠時間には有意な変化は見られませんでした。
・食事による炎症が睡眠の質に影響する可能性が示唆されました。
中途覚醒時間が約26分減少したのに、総睡眠時間には有意な変化はなかったんですね。
矛盾して見えますが、「就寝時間」「睡眠潜時(寝付くまでの時間)」「朝目が覚めて起きるまでの時間」「起床時間」「睡眠時間」「ベッド時間」などの複数のパラメータがそれぞれ変化があって、中途覚醒時間と睡眠効率に有意な結果があったと考えられます。
そのため、1つのパラメータである「睡眠時間」などだけには有意なデータがでなかたったんでしょうね。