睡眠効率とは、あなたの睡眠の質を測る重要な指標の一つです。
「ベッドに横になっていた時間」に対して、「実際に眠っていた時間」の割合を示します。
睡眠時間とベッド時間がどれくらい近いかが、この効率に大きく影響します。
理想的な睡眠効率は85~90%とされ、この数値を目指すことで、深い眠りと質の高い睡眠が得られる可能性が高まります。
睡眠効率の計算方法を理解し、理想的な効率を目指すことで、毎日の睡眠をさらに改善できるかもしれません。
睡眠の質に影響する睡眠効率って何?
睡眠効率とは、「ベッドに横になっていた時間」に対する「実際に眠っていた時間」の割合を示します。計算式では次のように表せます:
睡眠効率 = 睡眠時間 ÷ ベッド時間
睡眠効率をWEBで自動計算する
ベッド時間とは?
ベッド時間は、以下の時間をすべて合計したものを指します:
- 睡眠時間
- 寝付くまでの時間(布団に入ってから眠りに入るまでの時間)
- 夜中に目が覚めている時間(途中覚醒している時間)
- 目が覚めてからベッドから出るまでの時間
睡眠効率が高い状態とは?
睡眠時間とベッド時間が近ければ近いほど、睡眠効率は高くなります。たとえば、以下のような状態が理想的です:
- 寝付きが早い
- 夜中に目覚める時間が少ない
- 目覚めた後、すぐに起きられる
このような状態では、深い睡眠がしっかりとれており、結果的に睡眠の質が高まります。
睡眠効率の理想は85~90%
快眠を目指すうえで、理想的な睡眠効率は 85~90% とされています。
この数値を達成している人は、質の高い睡眠がとれていると考えられます。
ですが、「なぜ100%ではなく、85~90%が理想なのか?」と疑問に思いませんか?
実は、睡眠効率が100%である必要はありません。その理由を詳しく見ていきましょう。
なぜ睡眠効率100%を目指さないのか?
睡眠効率が高いということは、睡眠の質が高いことを示します。
しかし、質だけでなく「量」も重要 なのが睡眠の特徴です。
例えば、睡眠効率だけを追求すると、極端な話、 3時間の睡眠で睡眠効率が100% なら良いのか?という結論に至ってしまいます。
しかし、これは明らかに睡眠時間が足りず、健康を損なうリスクがあります。
睡眠効率90%と100%の違い
では、「7時間睡眠の睡眠効率90%より、7時間睡眠の睡眠効率100%のほうが良いのでは?」と思うかもしれません。しかし、ほとんどの場合、90%のほうが良い のです。
その理由は、睡眠効率が100%に近づくと、睡眠不足の兆候である可能性が高まるからです。
睡眠効率90%の人
- ベッドに入り 15分程度 で眠りにつく
- 夜中に 1回ほど目を覚ます が、数分で再び眠れる
- 朝は目覚めて 5~10分ほどまどろんでから 起きる
睡眠効率100%の人
- ベッドに入った瞬間 すぐ眠る
- 夜中に 一切目を覚まさない
- 朝は目が覚めると すぐ飛び起きる
一見、後者のほうが良さそうですが、実際には 睡眠不足や極度の疲労による「気絶するような睡眠」 の可能性があります。
人間の睡眠メカニズム
人間の睡眠には、本来ある程度の余裕や揺らぎがあります。例えば:
- 寝付くまで10~20分かかるのが自然
→ 睡眠と覚醒の切り替えが即座に行われることはありません。 - 夜中に目が覚めるのも自然なこと
→ 深い眠りと浅い眠りを繰り返し、命を守るために光や音に反応する仕組みです。
これらは人間が安全に回復を行うための機能であり、完全に眠り続けることが理想というわけではありません。
【具体例】睡眠効率85~95%の睡眠時間とベッド時間

睡眠効率85~95%の睡眠時間とベッド時間の具体的な時間をまとめます。
今回は睡眠時間の推奨時間である7~9時間と、6時間睡眠でも大丈夫なかたが少ない確率でいるので6~7時間もまとめています。
表:実際の睡眠時間ごとのベッド時間と覚醒時間
実際の睡眠時間 | 睡眠効率 | ベッドにいた時間(h) | ベッド上での覚醒時間(h) |
---|---|---|---|
6時間 | 80% | 7時間30分 | 1時間30分 |
85% | 7時間4分 | 1時間4分 | |
90% | 6時間40分 | 40分 | |
95% | 6時間20分 | 20分 | |
6時間30分 | 80% | 8時間7分 | 1時間37分 |
85% | 7時間38分 | 1時間8分 | |
90% | 7時間13分 | 43分 | |
95% | 6時間50分 | 20分 | |
7時間 | 80% | 8時間45分 | 1時間45分 |
85% | 8時間14分 | 1時間14分 | |
90% | 7時間47分 | 47分 | |
95% | 7時間21分 | 21分 | |
7時間30分 | 80% | 9時間22分 | 1時間52分 |
85% | 8時間49分 | 1時間19分 | |
90% | 8時間20分 | 50分 | |
95% | 7時間54分 | 24分 | |
8時間 | 80% | 10時間 | 2時間 |
85% | 9時間24分 | 1時間24分 | |
90% | 8時間53分 | 53分 | |
95% | 8時間25分 | 25分 |
睡眠効率は90%ぐらいを狙っていくのがおすすめです。
意識しすぎると睡眠に悪影響が出ることがあるので「今日は90%を目指すぞ!」と考えるのではなく、「生活や睡眠リズムを整えて、1週間を振り返ったら睡眠効率が90%ぐらいになってた」ぐらいがちょうどいいです。
睡眠効率の分かりやすい基準をまとめると次のような感じになります。
※だいたい85~90%ぐらいに睡眠効率がまとまってきます。
・睡眠時間:7~9時間
・寝つき:30分以内
・夜中起きて再入眠までの時間:30分以内
・決めた起床時間とのズレ:30分以内
では、睡眠効率を高めるにはどうすればいいかを最後にお伝えします。
睡眠効率を高める5つの方法
刺激制御療法
刺激制御療法の7ステップ
①決めた「就寝時間」までベッドに入るのは禁止。休むときは座って休む。
②決めた「起床時間」にアラームをセット。起床時間を固定する。
③ベッドでは睡眠と性生活以外は何もしない。寝室はできる範囲で暗く静かに。
④ベッドに入ったあと、15~20分で入眠できなければ、ベッドから出る。
⑤ベッド以外でリラックスして過ごす。できれば寝室とは別の部屋で座って休む。
⑥眠れそうと思ったら、ベッドに戻って眠る。
⑦15~20分で入眠できなければ、「ベッド以外でリラックスして過ごす」と「眠れそうになったら、ベッドに戻って眠る」を繰り返す。
※基本的に、日中の仮眠は禁止。仮眠したい場合は15時までに20分以内の仮眠であればOK。
睡眠効率療法(睡眠制限療法)
①睡眠効率を計算する
睡眠効率=睡眠時間÷ ベッド時間。
WEBで自動計算するページはこちら。
②睡眠効率が80%未満であれば、ベッドにいる時間を減らす
実際の睡眠時間とベッド時間が同じになるように、ベッドに入る時刻を遅らす。
③睡眠効率が85%以上になったら、睡眠時間を15~30分延長する
1週間の睡眠効率が85%以上であれば、就寝時間を15~30分早めて、睡眠時間を増やす。
④自分が望む睡眠時間になるまで、①~③を繰り返します
ある程度、睡眠が整ってきたら、睡眠効率を85~90%ぐらいにおさめていく。
注意点
一時的に睡眠時間が減るため、双極性障害やパニック障害など、症状が悪化しやすい病気の場合は専門家に相談。ストレスが強い場合は、リラックス方法を取り入れる。
睡眠効率のまとめ
- 睡眠効率=睡眠時間÷ベッド時間
- 睡眠効率が高いと睡眠の質が高くなる
- 睡眠効率85~90%ぐらいがおすすめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた、次の記事でお会いできることを楽しみにしています。
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