毎日昼寝をすると、学習の効率が本当に良くなるのか?
睡眠時間を夜と昼に分ける「分割睡眠」が、記憶力や学習効果にどのような影響を及ぼすかを検証した研究があります。
高校生世代を対象に、現実の学校生活を模した実験が行われ、驚くべき結果が明らかになりました。
参考:夜間睡眠と昼寝を分けることで、恒常性睡眠圧が軽減され、長期記憶が強化される。
【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。緑のメモは僕の意見・感想です】
結論
昼寝を含めた分割睡眠は、午後の学習パフォーマンスを有意に高める効果があり、睡眠不足だけでなく十分に睡眠を取った人にも有効です。
朝の学習能力に悪影響はなく、昼寝を取り入れることは教育的にも非常に有効と示されました。
▼内容の信頼性:10点満点で点数化
9.5点(被験者112人による厳密な実験デザイン、査読あり論文、睡眠生理データとの併用評価)
▼何の研究か?
毎日の睡眠スケジュールに昼寝(90分)を組み込んだ「分割睡眠」が、青少年の記憶力や学習パフォーマンスに与える影響を、8時間または6.5時間の睡眠時間で比較した実験研究です。
昼寝90分の分割睡眠は、まだ研究が少ないため、万人におすすめはできません。ただ、私が朝と夜に集中力があがり、昼に眠くなるバイモーダル型のタイプのため、調べたものです。
僕の場合14~18時は集中力や思考力が下がるため、今のところ外出と運動をメインにしています。
▼研究した理由は?
これまでの研究では、単発の昼寝の効果しか検討されておらず、毎日の生活における「昼寝の定着」が学習効果にどう影響するかは未解明でした。また、十分に休んだ状態でも昼寝が役立つのかを明らかにする必要がありました。
▼結果はどうだったか?
分割睡眠(昼寝あり)は、午前の学習に悪影響を与えず、午後の記憶力を有意に高めました。
昼寝をすると、夜の睡眠時間が短くなることがあります。
これが午前中の学習能力に悪影響を与えるのではと懸念されていました。
しかし本研究では、昼寝を組み込んだ「分割睡眠」スケジュールでも、朝の記憶力に悪影響は確認されませんでした。
むしろ、午後に実施された「画像認識タスク」や「両生類に関する知識テスト」において、昼寝をしたグループは明確に高得点を出しており、午後の学習効果が著しく向上することが実証されました。
レム睡眠が減ると考えらえるので、長期的に感情コントロール能力がどうだったかが気になる所ですね。
■ 睡眠時間に関係なく、昼寝を含めた方が午後の記憶成績が良好。
この研究では、参加者を以下の4グループに分けて比較しています。
- 6.5時間連続睡眠
- 6.5時間分割睡眠(夜+昼寝)
- 8時間連続睡眠
- 8時間分割睡眠(夜+昼寝)
分割睡眠(昼寝あり)のグループは、6.5時間でも8時間でも午後の記憶課題で明確に高いパフォーマンスを示しました。つまり、睡眠の「質とタイミング」が重要であり、「長さ」だけでは効果が決まらないという重要な示唆があります。
基本は、昼寝が強いですよね。
ただ、昼寝が強いのか、それとも昼寝をすることでの情報シャットによる脳の記憶整理が強いのか、はわからないところです。
ひょっとしたら、昼寝しなくても、アイマスクと耳栓するなどして情報を止めれば同じ効果があるかもしれませんね。さらに発展すると、運動+アイマスク+耳栓にすると効果がより高かった可能性もあるかも?
■ 特に6.5時間しか眠れなかった場合でも、昼寝を加えることで8時間睡眠と同等の学習効果を得られました。
興味深いのは、「6.5時間分割睡眠」グループの午後の学習成績が、「8時間連続睡眠」グループと同じレベルだった点です。
これは、睡眠不足状態でも「昼寝を活用することで学習パフォーマンスを補える」ことを示しており、時間の制約がある学生やビジネスパーソンにとって有効な戦略である可能性を示唆しています。
若いゆえの回復力の高さもあったかもしれません。睡眠不足はあとから悪影響がでやすいので、あくまで「学習効果はOK」ということですね。
■ 睡眠圧(眠気)も昼寝により緩和され、長期記憶への好影響が示唆されました。
日中活動を続けると「睡眠圧」と呼ばれる脳の眠気が蓄積され、記憶の符号化(インプット)能力が低下します。
研究では、昼寝によってこの睡眠圧が緩和され、午後の記憶形成に必要な「エネルギー」が回復していたことが、生理学的データからも確認されました。
具体的には、夜間睡眠中の「徐波睡眠(SWE)」が低下しており、これは日中の眠気が昼寝で解消されたことを示す指標です。