「最初にお得な話をされたのに、気づいたら条件が変わっていた…」そんな経験、ありませんか?
例えば、格安航空券を予約しようとしたら、後から手数料や荷物代が加わって結局高くなった。あるいは、友達に「ちょっとだけ手伝って」と言われたのに、気づけばがっつり作業させられていた…。
こうした現象は、心理学で「ローボールテクニック(Lowball Technique)」と呼ばれる説得術の一つです。このテクニックをうまく使えば、ビジネスの交渉や日常のコミュニケーションがスムーズになるかもしれません。
本記事では、ローボールテクニックの仕組みや効果、活用方法について詳しく解説します!
ローボールテクニックとは?
ローボールテクニックとは、最初に魅力的なオファーを提示し、相手が承諾した後に条件を変更する手法のことです。
例えば、こんな状況を考えてみてください。
ローボールテクニックの例
▶ 車の購入
- 店員:「この車は今だけ200万円ですよ!」
- あなた:「お得ですね!買います!」
- 店員:「すみません、税金や諸費用を入れると230万円になります」
▶ 飛行機のチケット
- 「片道10,000円!」 → 予約しようとすると
- 「手数料や荷物代を入れると15,000円です」
▶ 友人の頼みごと
- 「ちょっと手伝ってくれる?」 → OKすると
- 「実は1時間かかるんだけど大丈夫?」
このように、一度「YES」と言った後だと、たとえ条件が悪くなっても断りにくくなる心理が働きます。
ローボールテクニックが有効な理由
ローボールテクニックが効果的な理由は、心理学的に説明できます。
① 一貫性の原理
人は「自分の決定を変えたくない」 という心理を持っています。
一度「買う」と決めると、「やっぱりやめる」と言うのが難しくなるのです。
② コミットメント(約束)効果
人は、一度約束するとそれを守ろうとする傾向があります。
「買う」と決めた時点で、気持ちが商品に向かい、多少の条件変更があっても購入しやすくなります。
③ 損失回避バイアス
「ここでやめたら、せっかくのチャンスを逃すのでは?」と考えてしまいます。
これは、人が利益を得るよりも損失を避けることを優先する心理によるものです。
ローボールテクニックの活用方法
ローボールテクニックは、ビジネスや日常生活で応用できます。
① セールスやマーケティング
- まず「お得な価格」「無料サービス」などで関心を引く
- 申し込み後、追加の費用や条件を提示
例:スポーツジムの会員勧誘
「初月無料!」 → 申し込んだ後に「ただし1年間の契約が必要です」
② 交渉や説得
- 最初にシンプルなお願いをする
- 相手が受け入れた後、追加の条件を提示
例:仕事の依頼
「簡単なレポートをお願いできますか?」
→ 承諾した後で「実は明日までに仕上げてほしいんです…」
③ 恋愛や人間関係
- 最初に小さなお願いをして受け入れさせる
- その後、少しずつハードルを上げる
例:デートの誘い
「ちょっとお茶しない?」 → OKすると
「せっかくだし、映画も行こうよ!」
ローボールテクニックの注意点
ローボールテクニックは強力ですが、悪用すると信用を失う可能性があります。
- 相手が納得できる範囲で使う
- 騙すのではなく、納得感を持たせる
特にビジネスでは、誠実な使い方をしないとクレームにつながるので要注意!
頼み事をすると好かれる「ベンジャミン・フランクリン効果」
「ベンジャミン・フランクリン効果」とは、「人は自分が助けた相手を、より好意的に感じる」というものです。
ベンジャミン・フランクリン効果とは?—人の心を動かす心理テクニック
まとめ:ローボールテクニックを賢く使おう!
✅ 最初に魅力的なオファーを提示し、後で条件を変更する手法
✅ 人の「一貫性の原理」や「コミットメント効果」を利用する
✅ セールス、交渉、恋愛など、さまざまな場面で活用できる
✅ 悪用せず、誠実な方法で使うことが大切!
試しに、今日の会話の中で「まず小さなお願いをして、後から条件を追加する」方法を使ってみてください