ウォーキングは誰でも簡単にできる運動で、健康づくりとして世界中で推奨されています。
特に「自分のペースで歩く(セルフペースウォーキング)」は続けやすい運動とされています。
しかし、健康のためには「中強度(moderate intensity)」の運動が推奨されており、自分のペースで歩くだけでその強度に達するのかは十分に研究されていませんでした。
この研究では、自分のペースで15分歩いたときに、主観的な運動のきつさ(RPE)と心拍数(HR)がどの程度の強度になるのかを調べました。
参考:自己ペース歩行中の知覚強度と心拍数に基づく強度:大きさと比較【ノーザンケンタッキー大学運動学2020年研究】
【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。[ ]のメモは僕の意見・感想です】
結論
健康な成人が自分のペースで15分歩いた場合、多くの人は推奨される「中強度運動」に達していませんでした。
また、
- 主観的なきつさ(RPE)
- 心拍数による運動強度(%HRmax)
は平均的には似た傾向を示したものの、実際には一致するケースは37.5%しかなく、強い関係とは言えませんでした。
そのため、自分の感覚だけで運動強度を判断すると、想定より低い運動になっている可能性があります。
内容の信頼性
8 / 10 点
理由
- 被験者:30人(男性14人、女性16人)
- 心拍数と主観的運動強度を2分ごとに測定
- 統計解析(Wilcoxon検定、Spearman相関など)を実施
- 倫理審査承認あり
ただし
- サンプル数はやや少ない
- 心拍数最大値を「220−年齢」式で推定している
などの制限があります。
何の研究か?
この研究は、
自分のペースで歩いたときの運動強度を、主観(RPE)と心拍数(HR)の両方から調べた研究です。
具体的には次の2つを検証しました。
- RPE(主観的きつさ)と心拍数の強度は同じレベルになるのか
- 自分のペースのウォーキングで中強度運動に達するのか
中強度運動はアメリカスポーツ医学会(ACSM)では以下のように定義されています。
- 心拍数:最大心拍数の64〜76%
- RPE:12〜13(Borgスケール)
研究した理由は?
ウォーキングは最も実施されている運動の一つですが、次の問題があります。
- 運動習慣を持つ人は
- 成人:5%未満
- 青少年:6〜8%
つまり、多くの人が運動を続けられていません。
そのため研究者は
- 続けやすい運動として
自分のペースで歩く運動
に注目しました。
しかし問題は、
「自分のペース」では運動強度が十分か分からない
という点です。
そこで
- 主観的なきつさ(RPE)
- 心拍数
を使って、実際の運動強度を検証しました。
結果はどうだったか?
① RPEと心拍数の平均強度
- RPEランク:2.4 ± 0.9
- 心拍数ランク:2.3 ± 1.0
統計結果
有意差なし(p = 0.365)
つまり平均では似た強度でした。
② 2つの指標の一致率
一致率:37.5%
240個の測定データのうち
約3分の1しか同じ強度にならなかった
③ RPEと心拍数の相関
相関係数
rs = 0.201
これは
「弱い正の相関」
つまり
- 少しは関連する
- しかし強い関係ではない
という結果でした。
④ 中強度運動に達したか
結果
どちらも中強度に達していない
統計結果
- RPE:p < 0.001
- 心拍数:p < 0.001
つまり、自分のペースのウォーキングでは
多くの人が軽い〜やや軽い運動レベル
でした。

