犬と触れ合うだけで、心が穏やかになった経験はありませんか?
最近、動物を使った治療「動物介在療法(AAT)」が、患者の心身の健康に良い影響を与えると注目されています。
今回は、その効果を定性的・定量的に評価した国際的な研究をご紹介します。
参考:患者の幸福を高める動物介在療法の役割:定性的および定量的証拠の体系的研究
【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。緑のメモは僕の意見・感想です】
結論
動物介在療法は、精神疾患、神経疾患、ストレス、不安、うつといった幅広い分野で患者の幸福感を向上させる可能性が高い治療法であることが確認されました。
特に犬を使った療法は、多くの症状に対して有効性が認められました。
犬が良いところは「一緒に外に出歩くことができる」からかなと思います。猫は癒されますし、メンタル改善効果もあると思いますが、室内で一緒にいることが多いからです。特に運動不足やインドア派の人は犬のほうがメンタル改善効果は高いかもしれないですね。
内容の信頼性:10点満点で点数化
9/10点
世界中の16の信頼性の高い研究に基づいており、データの収集・分析方法も厳格です。ただし、研究の一部には小規模なサンプルや追跡調査の欠如といった限界も存在します。
何の研究か?
この研究は、動物、特に犬を介在させた治療法(AAT)が患者の幸福感や健康に与える影響を、世界中の研究から体系的に評価したものです。
定量データ(数値)と定性データ(感想・経験)を組み合わせたメタアナリシスを行い、AATの効果を総合的に検証しました。
研究した理由は?
医療や福祉の現場では、心のケアの必要性が高まっており、薬物に頼らない補完的な治療法として動物介在療法が注目されています。
実際にその効果があるのか、科学的に証明する必要があるため、本研究が実施されました。
結果はどうだったか?
①精神疾患への効果:社会的機能や生活の質の向上
対象:
統合失調症などの精神障害のある患者
内容:
犬との触れ合いや遊びを通じて、対人コミュニケーション能力が向上しました。セッションでは、犬に話しかけたり、世話をしたりすることを通じて、社会的な自信と安心感を得ることができました。精神科病棟でのAATでは、落ち着き・感情の安定・ポジティブな気分が得られ、治療への意欲にもつながるという結果もあります。
人の自尊心を高める1つとして、「世界に影響を与える事」があります。世界と言うと規模が大きく見えますが、ここでは自分以外のものとお考え下さい。犬とコミュニケーションすることで、自分の価値も感じやすくなります。
②神経疾患への効果:認知機能・気分の改善
対象:
アルツハイマー病、自閉症など
内容:
アルツハイマー患者では、犬との交流が記憶想起を刺激し、認知症の進行を遅らせる効果が報告されました。自閉症児の場合、犬との遊びや世話を通じて、表情・発語・社会的行動が活発になったとの評価がされています。特に「犬が安心できる存在である」ことで、緊張が緩和され、自発的な行動が増えました。
安心感があることだけではなく、「犬の匂い、触り心地、表情の変化、鳴き声」など心地よく複雑な五感刺激が脳に良さそうですよね。
③ストレスと不安への効果:不安軽減と満足度向上
対象:
入院中の子ども、学生、PTSDの若者など
内容:
試験前に犬と触れ合った学生は、不安のスコアが明らかに低下し、集中力が増したと報告されています。小児病棟でのセラピーでは、子どもたちの笑顔が増え、家族の心理的負担も軽減されました。PTSDを抱えた若年層では、犬との交流がトラウマからの心理的回復のきっかけになりました。
1つめの社会的機能や生活の質の向上と同じ作用かなと感じます。
④うつへの効果:うつ症状の緩和
対象:
がん患者、慢性疾患患者など
内容:
がん患者を対象とした研究では、犬がそばにいることで気持ちが前向きになり、孤独感が軽減されたという声が多くありました。週に数回犬と交流したことで、患者の気分スコア(PHQ-4)が明らかに改善しました。特に「犬が話しかけられる存在」であることが、患者にとって心を開くきっかけとなったとされています。