高強度インターバルトレーニング(HIIT)の中でも特に効果的とされる「4×4プロトコル」。これは4分間の高強度運動と3分間の回復を4セット繰り返す方法ですが、実際にどのくらいの心拍数で、どのくらいのパワーで行うべきか、明確な基準は少ないのが現状です。本研究では、健康で活動的な男女39名を対象に、4×4プロトコル中の心拍数と最大パワー(PPO)の推移を詳細に分析しました。
その結果、インターバル開始時の出力(75% PPO)から徐々に下がる一方で、心拍数は逆に維持・上昇し、最終的にはセッションの約8割(平均12.9分間)を理想的な心拍数ゾーンで過ごすことができたのです。
運動初心者の方にとっては、最初は心拍数がすぐ上がるものの、パワーの維持が難しく感じられるかもしれません。一方で、運動に慣れてくると、出力は出せても心拍数がなかなか上がらず「効いているのか分からない」というジレンマもあります。そんな現場の疑問に、科学的な視点でヒントを与えてくれるのが今回の研究です。
参考:4×4インターバル運動プロトコルに対する心拍数反応の特徴づけ
【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。緑のメモは僕の意見・感想です】
結論
4×4プロトコル中、参加者の心拍数は最大心拍数の85~95%を平均12.9分間維持し、インターバル1ではPPOの75%、最後のインターバルでは約54%まで下がった。フィットネスレベルが高い人でも、最初のインターバルで心拍数を素早く上昇させることで、有効な時間を延ばせる可能性があります。
4×4HIITは高強度時間は16分ですが、85~95%に達したのは12.9分だったということです。
PPOは最大パワーのことですね。さすがに全力疾走レベルだと4分は持たないですよね。
内容の信頼性:9.5点/10点
倫理審査済の大学研究、39名の男女対象、詳細な統計処理あり。
やや限定された対象群(若年かつ健康)がマイナス0.5点。
何の研究か?
HIITの一種である「4×4プロトコル」において、心拍数が適切なゾーン(最大心拍数の85〜95%)に到達し、維持される時間や、それに伴う出力の変化を明らかにする研究です。
4×4の効果研究ではなく、4×4を行うときに心拍数と最大パワーはどのくらいだったか?という調査です。4×4のときにどのくらいの心拍数を出せばいいのか?の参考になればさいわいです。
研究した理由は?
4×4プロトコルは広く利用されていますが、「どのように出力を調整すれば、効果的に心拍数ゾーンに到達できるのか」という点については、科学的根拠に乏しく、実践者が試行錯誤で行っているのが現状でした。
有酸素運動にあまり慣れていないうち心拍数は追い込みやすいですが、最大パワーを高レベルで維持をするのが難しいですよね。逆に有酸素運動に慣れてくると心拍数を高めきれずに、筋力が力づきやすくなってくる印象です。私は運動初心者からHIITをしていますが、心拍数はびっくりするぐらいあがって、危険でしたね。
結果はどうだったか?
- 平均して12.9分間、理想的な心拍数ゾーンを維持できた。
- インターバル1では心拍数が十分に上がらず、2~4で長く滞在。
- 出力はインターバルごとに低下(75% → 54% PPO)するも、心拍数は維持または上昇。
- 女性の方がゾーンにいる時間が長かった。
- フィットネスレベルが高いほど、出力を調整しないと心拍数が上がりにくい傾向があった。
この研究は、実践的なHIIT指導や健康増進に役立つ知見を提供しています。4×4プロトコルの導入を検討されている方は、運動開始直後の強度設定に特に注意するとよいでしょう。