「地面を蹴る力が弱い気がする」
「走っていて、弾むような感覚が出ない」
そんな悩みを持つランナーにぴったりのドリルが、今回ご紹介するバウンディング(Bounding)です。
スピードやパワーを追求する中距離~長距離ランナーにとって、“地面の反発を使える脚”は最強の武器。
この記事では、バウンディングの効果・正しいやり方・間違いやすいポイント、活用タイミングまで詳しく解説します!
バウンディングとは?
バウンディングとは、大きな跳ねるような動きで前に進んでいくドリルです。
ジャンプとランニングの中間のような動作で、「地面を蹴って進む」感覚と「空中で体を運ぶ」感覚の両方を養います。
バウンディングの主な効果
効果 | 内容 |
---|---|
✅ 爆発的な地面反発力の強化 | 地面をしっかり押して跳ね返る“脚力”を高める |
✅ 地脚(股関節・大臀筋・ハム)の強化 | ストライドに直結する“走るための脚”が育つ |
✅ リズムと軸の保持力アップ | 跳ねながらでもブレない姿勢=スピードに強い体幹 |
✅ ラストスパートやスタートダッシュ強化 | 地面を“押せる脚”は、加速局面に絶対不可欠! |
📌 スプリントや中距離選手には、「筋トレ × ランの中間」のような神ドリルです!
正しいバウンディングのやり方
- まっすぐの姿勢で軽くスタート
- 片脚で地面を強く蹴って“前に大きく跳ぶ”
- 空中で“膝とつま先をしっかり引き上げる”
- 反対の脚で着地→すぐに次のステップに移る
- 左右交互に「大きく・ダイナミックに・リズムよく」20m進む
📌 ポイントは「大きく跳ぶことより、強く地面を押すこと」。
跳びすぎてバランスを崩すのはNGです!
よくある間違いと修正方法
間違い例 | 修正アドバイス |
---|---|
❌ 前に飛びすぎてバランスを崩す | ✅ 上下方向にも意識して“しっかり押す” |
❌ 脚が流れてしまう(後ろに残る) | ✅ 空中で“膝を引き上げる”意識を強く持つ |
❌ 足音がドスドスと重い | ✅ 地面から“弾くように”接地。静かに跳ね返す感覚を |
バウンディングを入れるベストタイミング
活用場面 | 目的 |
---|---|
✅ スプリント練習前 | 爆発力と接地感を呼び起こすウォームアップに◎ |
✅ 筋トレ後(ジャンプランジなど) | 筋出力を“動きに変える”移行トレ |
✅ フォームが沈んで見えるとき | “地面を押す力”を再学習できるドリルとして |
🚫 ※ただしLSDや疲労が溜まった日には不向き。筋負荷が高いので注意!
おすすめセット例
- バウンディング 20m × 1〜2本
- ※フォームを重視して“1本集中”でも十分
- セット間に軽いジョグやスキップを挟んで、動きを整えると◎
【徹底比較】バウンディング・Aスキップ・ハイニーの違いとは?
同じ「ランニングドリル」の中でも、バウンディング/Aスキップ/ハイニーはそれぞれ目的も刺激も違います。
どれも走りに必要な要素を鍛える優れたドリルですが、違いを理解して使い分けることでトレーニングの質が一段階アップします。
比較表:3つのドリルの違い
項目 | バウンディング | Aスキップ | ハイニー |
---|---|---|---|
主な目的 | 爆発力・反発力の強化 | フォーム・姿勢の習得 | リズム・ピッチの強化 |
刺激の種類 | 筋力・パワー・神経系 | 技術・股関節の可動域 | 神経系・テンポ・切り返し |
主に使う筋肉 | 大臀筋・ハム・腓腹筋 | 腸腰筋・体幹・中臀筋 | 腸腰筋・大腿四頭筋・ふくらはぎ |
難易度 | 高(動作が大きく疲れる) | 中(フォーム重視) | 低〜中(初心者もOK) |
実戦効果 | ストライドUP/地脚強化 | 姿勢安定・軸づくり | ピッチ・足さばきの再現性UP |
不向きなタイミング | 疲労日/LSD前後 | スピードが落ちてるとき | 疲労困憊時(ピッチが崩れやすい) |
こんな使い分けがベスト!
練習メニュー | おすすめドリル |
---|---|
スプリント前 | バウンディング+Aスキップ+ハイニー |
インターバル前 | Aスキップ+ハイニー(フォーム&テンポ重視) |
LSD前 | ハイニー(軽め)+Aスキップ(1本だけ) |
筋トレ後 | バウンディング(筋出力→動作に変換) |
一言で表すなら:
まとめ:バウンディングは“走りに跳ね返りをつける”最強の橋渡しトレ
バウンディングは、筋トレとランニングを繋ぐ“動きの筋トレ”です。
力を地面に伝える → 体を前に運ぶ → 着地してまた弾む。
この一連の流れが、あなたの走りに「爆発力」「スピード感」「強さ」を生み出します。
🎯 “走れる脚”を作りたいなら、まず「地面を押す感覚」から。
ジャンプじゃなく、跳ね返りを意識して――
ぜひ、次のスプリント前に1本、やってみてください。