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【習慣化】健康行動を毎日同じ状況で繰り返しすと、自動化は66日で頭打ち?

健康のために続けたい行動は、小さく具体的なものを自分で選び、毎日ほぼ同じ状況で繰り返す。
そうすることで、やがて考えなくても行動できる「習慣」になり、長期的に続けやすくなる可能性があるというものです。

著者らは、毎日繰り返す場合、習慣化には約10週間を見込むよう患者に伝えることを提案しています。その根拠として紹介されている研究では、自動化の程度が平均66日ほどで頭打ちになりました。ただし、必要な期間には人や行動による大きな違いがあったと本文に記されています。

参考:Making health habitual: the psychology of ‘habit-formation’ and general practice【2012】
【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。[ ]のメモは僕の意見・感想です】

内容の信頼性:7/10

この論文は『British Journal of General Practice』のDebate & Analysisとして掲載された論考で、習慣形成に関する心理学研究や実際の介入研究を根拠に議論しています。

評価を7点とした理由は、本文で具体的な研究結果を引用している一方、この論文そのものが新しい被験者実験や系統的レビューを行った研究ではないためです。また著者ら自身も、紹介している介入について「初期の結果」と位置づけ、一般診療でより大きな集団を対象とする24か月追跡のランダム化比較試験が進行中だと記しています。つまり、習慣形成の考え方には研究上の根拠があるものの、当時の段階では一般診療での長期的な効果が十分に確定したとはしていません。

何の研究か?

これは、「健康によい行動をどうすれば習慣にできるのか」を心理学の研究から整理し、その方法を医療現場の生活習慣指導に応用できないか検討した論文です。

心理学では習慣を、単に「よくやっている行動」ではなく、特定の状況やきっかけに反応して、自動的に起こるようになった行動と捉えています。

たとえば、

「朝食を食べたあと」→「果物を食べる」

という組み合わせを繰り返すことで、次第に朝食そのものが果物を食べる「きっかけ」になり、強く意識しなくても行動できるようになる、という考え方です。

この論文は新しい実験を報告した原著研究ではなく、こうした既存研究をもとに、医療者が患者へどのようなアドバイスをすると習慣形成につながりやすいかを論じています。

研究した理由は?

項目結果
習慣が自動化するまでの期間健康行動を毎日同じ状況で繰り返した研究では、平均約66日で自動化の程度が頭打ちになった
習慣化の進み方最初は比較的速く自動化が進み、その後は徐々に伸びが緩やかになった
1日できなかった場合1回実行できない日があっても、習慣形成の過程に大きな悪影響はみられなかった
行動の難しさによる違い水を飲むような単純な行動は、「腹筋を50回する」といった複雑な行動より早く習慣化した
減量介入・8週間後習慣形成を行ったグループは平均2 kg減、待機対照群は平均0.4 kg減
減量介入・32週間後最後まで参加した介入群では、開始時から平均3.8 kg減
全体として示されたこと健康行動を決まったきっかけと結び付けて繰り返すことで、その行動が徐々に自動化し、継続しやすくなる可能性が示された

※「頭打ちになった」とは、それ以上続けても、習慣の自動化の度合いが大きく伸びなくなったという意味

著者らが問題として挙げているのは、健康のために「何を変えるべきか」「なぜ変えるべきか」と説明するだけでは、行動が長期間続かないことが多いという点です。

従来の生活習慣指導は、本人の意識や motivation に頼る部分が大きく、時間がたって注意や意欲が弱くなると、せっかく始めた健康行動も続かなくなることがあります。また、医療者にとっても従来型の行動変容指導は説明に時間がかかり、患者にとって実行が難しい場合があると著者らは述べています。

そこで著者らは、意志の力を長期間維持することを求めるのではなく、行動そのものを自動化してしまう「習慣形成」を利用できないかと考えました。日常診療で使うためには、医療者が簡単に説明でき、患者も簡単に実行できる方法である必要があるとしています。

結果はどうだったか?

この論文では、習慣形成に関する複数の研究結果が紹介されています。

特に重要なのが、参加者が「果物を食べる」「散歩する」といった自分で選んだ健康行動を、1日1回、決まったきっかけのあとに繰り返した研究です。行動がどのくらい自動的になったかを毎日評価すると、最初は急速に自動化が進み、その後ゆっくりとなり、平均約66日で頭打ちになりました
1回実行できなかった日があっても、その後再び続ければ、習慣形成の進行を大きく損なうことはなかったとされています。また、水を飲むような単純な行動のほうが、「腹筋を50回する」といった複雑な行動より早く習慣化しました。

さらに、減量を希望する人を対象にした研究も紹介されています。参加者は、10種類の簡単な食事・運動行動を習慣化する介入群と、治療を行わない待機対照群に分けられました。

8週間後

  • 習慣形成を行ったグループ:2 kg減
  • 対照グループ:0.4 kg減

さらに32週間後には、最後まで参加した介入群の人では、開始時から平均3.8 kg減となっていました。

インタビューでも、最初は続けるのが難しかった行動が次第に維持しやすくなり、自動化が進んだことを示す回答が得られたと報告されています。

こうした結果から著者らは、健康的な習慣を作る際には、

  • 自分で行動を選ぶ
  • 大きな目標ではなく、小さく実行しやすい行動から始める
  • 毎日遭遇する安定した「きっかけ」を決める
  • その同じ状況で同じ行動を繰り返す
  • 習慣になるまで継続する

という方法を勧めています。

また、「習慣は21日でできる」という考えについて、本文ではその根拠を健康行動の習慣形成研究とはみなしておらず、より関連性の高い研究結果として平均66日を紹介しています。そのため著者らは、毎日繰り返す健康行動では、目安として約10週間、あるいは2~3か月程度取り組むことを想定しています。


発表者

  • ベンジャミン・ガードナー
  • フィリッパ・ラリー
  • ジェーン・ウォードル

所属機関
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)
疫学・公衆衛生学部門
ヘルス・ビヘイビア・リサーチ・センター
ロンドン、英国

Gardner B et al. (2012). Making health habitual: the psychology of ‘habit-formation’ and general practice. Br J Gen Pract, 62(605), 664–666.

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