「目覚まし時計を使わなくても、決めた時刻に目が覚める」という経験は、自己覚醒と呼ばれます。
本論文は、自己覚醒に関する過去の研究を整理するとともに、自己覚醒できる可能性がある人を見つけるための質問票を作成した研究です。
参考:時間を意識した睡眠?自己覚醒に関する文献レビューとスクリーニング質問票の提案【2023年】
【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。[ ]のメモは僕の意見・感想です】
結論
自己覚醒は実際に報告されているものの、比較的まれで、まだ十分に解明されていない現象でした。
過去の研究をまとめると、参加者715人のうち125人、割合にして17%が自己覚醒者と判定されていました。ただし、研究ごとに「目標時刻の何分以内に目覚めれば成功とするか」などの基準が異なるため、この17%という数字は慎重に見る必要があります。
研究チームが作成した自己覚醒質問票では、分析対象153人のうち9人、約5.9%(論文の結果欄では6%)が自己覚醒の可能性がある人と判定されました。しかし、実際の睡眠中に決めた時刻に目覚められるかどうかは、脳波や睡眠ポリグラフ検査では確認されていません。
内容の信頼性:7点/10点
信頼性を評価できる点は、以下のとおりです。
- PRISMAの手順に従って文献を検索している
- 複数のデータベースを使用している
- 2人の研究者が独立して論文を選定・評価している
- 対象となった17研究の平均品質スコアは、14点満点中10.71点
- 17研究のうち13研究、**76%**が客観的な睡眠測定を使用している
評価を下げる要因は、自己覚醒に関する研究が17件と少なく、研究ごとに成功基準が大きく異なることです。また、新しく作られた質問票は大学生を中心とした集団で試され、質問票で自己覚醒者と判定された人が、実際に決めた時刻に目覚められるかを客観的に確認していません。
そのため、現時点の結論は確定的なものではなく、論文でも予備的な結果として扱われています。
何の研究か?
この研究は、睡眠中に外部の刺激や目覚まし時計を使わず、事前に決めた時刻に自分の意思で目覚める「自己覚醒」について調べたものです。
研究は大きく2つに分かれています。
1つ目は、2022年10月6日までに発表された自己覚醒研究を集め、研究方法や参加者、成功基準、自己覚醒者の割合を整理する文献レビューです。
2つ目は、自己覚醒できる可能性がある人を見つけるため、5問で構成された「自己覚醒質問票(SAQ)」を作成し、大学生に実施する調査です。
研究した理由は?
自己覚醒ができるとすれば、睡眠中にも次のような認知活動が働いている可能性があります。
- 目覚めたい時刻を記憶する
- 睡眠中に経過した時間を推定する
- 目標時刻と現在時刻を比較する
- 適切な時刻に自分の意思で目覚める
これは、睡眠が完全に受動的な状態ではなく、意識が低下している間にも一部の認知処理が続いている可能性を示します。
しかし、過去の研究では自己覚醒の定義や測定方法が統一されていませんでした。
そこで研究チームは、過去の研究を整理し、自己覚醒の定義を明確にするとともに、研究参加者を見つけるための簡単な質問票を作ろうとしました。
結果はどうだったか?
文献検索では、自己覚醒に関係する論文や抄録などが29件見つかり、そのうち査読付き学術誌に掲載された17件がレビュー対象となりました。
17研究の主な結果は次のとおりです。
- 参加者総数:715人
- 男性:299人(42%)
- 女性:392人(55%)
- 性別不明:24人(3%)
- 自己覚醒者:125人(17%)
- 客観的な睡眠測定を使用した研究:13件(76%)
- 夜間睡眠を調べた研究:13件(76%)
- 昼寝を調べた研究:4件(24%)
自己覚醒の成功基準として最も多かったのは、目標とした起床時刻の前後30分以内に目覚めることでした。しかし、研究によって前後5分、10分、15分、40分など基準が異なっていました。
新しく作成された自己覚醒質問票は大学生164人に実施され、すべての質問を完了した153人が分析されました。※オランダのマーストリヒト大学の学生164人
- 分析対象:153人
- 平均年齢:20.62歳
- 自己覚醒の可能性がある人:9人
- 割合:約5.9%(結果欄では6%)
自己覚醒者9人と非自己覚醒者144人を比較したところ、不眠、睡眠の質、心配、不安、抑うつ、反すう、就寝前の覚醒状態など、調査したすべての項目で統計的に有意な差はありませんでした。また、朝型・夜型と自己覚醒質問票の得点との間にも、有意な違いは確認されませんでした。
