学生アスリートは、トレーニングと学業を両立する必要があり、夜間の睡眠が不足しやすい傾向があります。そのため、日中の昼寝は回復手段として利用されていますが、長い昼寝をすると夜に眠れなくなるのではないかという懸念もあります。
この研究では、午後3時までに終わる「25分間」と「90分間」の昼寝が、その後の夜間睡眠に影響するかを調べました。
参考:学生アスリートにおける25分および90分の午後の昼寝機会がその後の夜間睡眠に及ぼす影響【2025年】
【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。[ ]のメモは僕の意見・感想です】
結論
学生アスリートが午後3時までに25分または90分の昼寝機会を設けても、その日の夜の睡眠に統計的に有意な悪影響は確認されませんでした。
昼寝をしなかった場合と比べても、就寝時刻、起床時刻、総睡眠時間、夜中に目覚めていた時間、浅い睡眠、深い睡眠、REM睡眠に有意な差はありませんでした。
この結果から、習慣的に昼寝をする学生アスリートにとって、午後の早い時間に計画的に行う昼寝は、夜間睡眠を妨げずに利用できる回復手段となる可能性があります。
内容の信頼性:8点/10点
無作為化、バランス調整、クロスオーバー方式が採用され、同じ参加者が昼寝なし、25分、90分の全条件を経験しています。そのため、参加者ごとの体質や睡眠傾向による影響を抑えやすい研究設計です。
昼寝中は脳波計を使い、夜間睡眠は手首に装着するFitbit Charge 5で客観的に測定しています。年齢、性別、実際の昼寝時間を調整した追加分析でも、主要な結果は変わりませんでした。
信頼性を下げる要因として、参加者が14人と少ないこと、夜間睡眠の測定が睡眠検査の標準的方法であるポリソムノグラフィーではなく市販のウェアラブル端末だったことが挙げられます。また、対象は習慣的に昼寝をする育成段階の学生アスリートに限られています。
このため、エリートアスリート、昼寝の習慣がない人、睡眠障害がある人、一般の大学生などにも同じ結果が当てはまるとは、この研究だけでは判断できません。
何の研究か?
午後に行う25分間または90分間の昼寝が、学生アスリートのその後の夜間睡眠にどのような影響を与えるかを調べた研究です。
参加者は大学の学部または大学院に在籍する学生アスリート14人で、女性7人、男性7人、平均年齢は23±2歳でした。参加者は平均して週4回、週8±2時間のスポーツトレーニングを行っていました。
参加者は次の3条件を、順番を無作為に変えてすべて経験しました。
- 昼寝をしない条件
- 14時35分から15時まで、25分間の昼寝機会を設ける条件
- 13時30分から15時まで、90分間の昼寝機会を設ける条件
昼寝中の睡眠はウェアラブル脳波計で確認し、その日の夜の睡眠は自宅でFitbit Charge 5を使って測定しました。
調べた項目は、就寝時刻、起床時刻、ベッドにいた時間、総睡眠時間、入眠後に起きていた時間、浅い睡眠、深い睡眠、REM睡眠です。
研究した理由は?
学生アスリートは、トレーニング、授業、社会生活、個人的な責任を同時に抱えているため、睡眠時間が不足しやすい集団です。
論文では、学生アスリートの睡眠不足は、回復力の低下、けがのリスクの上昇、学業成績の低下、免疫機能の低下、気分の問題などと関連すると説明されています。
昼寝は、疲労の軽減や回復、パフォーマンスの向上を目的として広く利用されています。学生アスリートの72%~80%が定期的に昼寝をしているという先行研究もあります。
昼寝には回復効果が期待される一方、長時間または遅い時間の昼寝は、夜に眠ろうとする力を弱め、夜間睡眠を妨げる可能性があります。特に60分以上の昼寝では、深い睡眠に入るため、その後の夜間睡眠への影響が懸念されていました。
しかし、学生アスリートを対象に、短い昼寝と長い昼寝を客観的な睡眠測定によって比較した研究は不足していました。そのため研究者は、午後3時までに終了する25分と90分の昼寝を比較しました。
結果はどうだったか?
昼寝中の睡眠
実際に眠っていた平均時間は、25分の昼寝機会では10±5分、90分の昼寝機会では56±26分でした。
90分の昼寝機会では、25分の昼寝機会よりも、すべての睡眠段階が長くなりました。
- 浅い睡眠:9±5分から40±17分
- 深い睡眠:0±1分から9±10分
- REM睡眠:0±0分から7±11分
これらの差は統計的に有意でした。
夜間の総睡眠時間
平均総睡眠時間は次のとおりでした。
- 昼寝なし:7時間13分±42分
- 25分の昼寝機会後:7時間5分±53分
- 90分の昼寝機会後:7時間1分±1時間1分
数値上は昼寝後のほうが短くなっていますが、この差は統計的に有意ではありませんでした。総睡眠時間に関するp値は0.68でした。
夜間の睡眠全体
昼寝の条件による有意な違いは、次のいずれの項目にも確認されませんでした。
- 就寝時刻:p=0.22
- 起床時刻:p=0.07
- ベッドにいた時間:p=0.65
- 総睡眠時間:p=0.68
- 入眠後に起きていた時間:p=0.76
- 浅い睡眠:p=0.29
- 深い睡眠:p=0.42
- REM睡眠:p=0.75
年齢、性別、昼寝中に実際に眠った時間を調整した分析でも、昼寝条件は夜間睡眠の有意な予測要因にはなりませんでした。
性別については、REM睡眠との関連が確認されました。女性はすべての条件を通して男性よりREM睡眠が長く、性別の影響はF=5.20、p=0.03、効果量はηp²=0.13でした。
研究全体としては、午後3時までに終了する25分または90分の昼寝機会は、習慣的に昼寝をする学生アスリートの夜間睡眠を大きく妨げないという結果でした。
研究者は、この結果を今回の参加者や昼寝時間以外に広く当てはめることは避けるべきだとしています。昼寝をしない人、エリートアスリート、睡眠障害がある人、異なる時間帯に昼寝をする人、長期間にわたって昼寝を続ける場合については、今後の研究が必要です。
