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「天久鷹央の事件カルテ:血脈のナイトメア」 と「クロス探偵物語:タランチュラ編」|共通の2つのキーワード

血脈のナイトメア 天久鷹央の事件カルテ(Amazon)
クロス探偵物語(Amazon)


『血脈のナイトメア 天久鷹央の事件カルテ』を読みました。
※ネタバレ注意

僕は知念実希人先生の小説がすごく好きです。
読者に対する誠実さがあふれる書き方が、良いですよね。

読者が謎を解けるヒントが論理的にもメタ的にも知識的にも用意されていることが多い印象です。
ちょっと誠実すぎて、オチが数ページで見えてしまうこともあります。
ただ、オチが見えたとしても面白い内容になっているところが、知念実希人先生のすごさなのかなと思います。王道的な面白さですよね。

知念実希人先生はミステリーゲームが好き?

以前から、知念実希人先生はミステリーゲームを結構やっているのかなと思うことがありました。
これは単なる僕の憶測なんですが、
なんとなく2000年前後のミステリーゲームらしさが、世界観や物語の流れなどからにじみ出ている気がするんですよね。

そんなことを思いながら天久鷹央シリーズを読んでいたのですが、
『血脈のナイトメア』では、「クロス探偵物語」を思い出すところがありました。

「クロス探偵物語」は、セガサターンとプレイステーションで発売された、ものすごく王道で、ものすごく面白いミステリーゲームです(感想が小学生)。
続編が出ると言われながら、結局出なかった、とても悲しいゲームでもあるんですね。
本当に続きを見たかったし、やりたかったゲームです。
いまだに少し待ちたい気持ちはありますが、もう作者の方が別のことをしているので、難しいのでしょうね。

この話はひとまず置いておくとして、『血脈のナイトメア 天久鷹央の事件カルテ』には、クロス探偵物語最終話「タランチュラ」のオチにもつながる二つのキーワードがありました。
「サブリミナルアド」と「赤緑色覚異常」です。


サブリミナルアドとは、相手の無意識に訴えかける広告のことですね。
例えば、映画や動画の中で一瞬だけリンゴジュースの映像を流すことによって、相手が無意識にリンゴジュースを飲みたくなるような効果を生む、という話があったりします。
今回の『血脈のナイトメア 天久鷹央の事件カルテ』では、少し触れるぐらいです。

※サブリミナルアドは単語を聞くくけで、マーク・スペンサー(レイマン)の表情と声が脳内でリピートされちゃいますね。あのやや斜め気味のところと、新聞記者の十円ハゲとか。


赤緑色覚異常とは、赤と緑の区別がつきにくい色覚異常のことですね。
それほど珍しいものではないとも言われています(とはいえ、男性で5%とかいうレベル)。
基本的には、男性がなりやすい…というのもクロス探偵物語で知った知識ですね。


『血脈のナイトメア』では、このサブリミナルアドと赤緑色覚異常が出てきます。
そして、「クロス探偵物語」の最終話である「タランチュラ」では、この二つはポイントとなる言葉として登場していました。

そのため、サブリミナルアドと聞いた瞬間に「クロス探偵物語」を思い出しましたし、赤緑色覚異常という言葉が出てきた時点でも、やはり「クロス探偵物語」を思い出しました。
「クロス探偵物語」、特に「タランチュラ」編をプレイした人であれば、『血脈のナイトメア 天久鷹央の事件カルテ』を読んで、「トリックはあれじゃん!」で早い段階で気づいたんじゃないでしょうか?

この二つが同じ話の中でセットになって出てきたので、知念実希人先生も「クロス探偵物語」をプレイしているのかなと推測しました。

もし知念実希人先生が「クロス探偵物語」をプレイしていて、そのうえで赤緑色覚異常とサブリミナルアドを同じ一冊の中に出したのであれば、ある意味、「クロス探偵物語」に対するリスペクトがあるのでは?と、感じたんですね。これは僕の願望がものすごく入っている解釈です。
どちらの作品も好きなので。

そんなことを考えながら、面白く読むことができました。


天久鷹央シリーズは、2000年前後でミステリー系で話題になった単語が結構出るイメージもあって、にやにやして読むことも多いです。
逆に意識過ぎて、「これはロボトミー手術の話か!?」と思ったら全然違ってたりして、勝手にミスリードされてたりもします(笑)

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