深部体温とは、体の内部、特に脳や心臓などの重要な臓器がある部分の温度のことです。「核心温」「コア体温」とも呼ばれます。
一般的には、健康な成人の深部体温はおおむね37℃前後に保たれています。
皮膚の表面温度とは違い、外気温の影響を受けにくく、体が一定範囲に調節しています。
深部体温には1日のリズムがあり、通常は明け方に低く、夕方〜夜に高くなる傾向があります。
この変化は睡眠とも関係しており、夜に深部体温が下がり始めると眠気が起こりやすくなります。
測定には直腸温、食道温、膀胱温などが使われます。
一般的な脇の下の体温は、深部体温そのものではなく、その目安となる体温です。
深部体温は体内時計(概日リズム/サーカディアンリズム)と強く関係しています。
体内時計の働きによって、深部体温は約24時間周期で変動します。
- 明け方:最も低くなる
- 朝〜昼:徐々に上昇
- 夕方〜夜:最も高くなる
- 就寝前〜睡眠中:低下していく
特に睡眠との関係が重要です。
夜になると、手足などの皮膚から熱を逃がして深部体温を下げる方向に体が動きます。
この低下が眠りに入りやすい状態を作ります。
つまり、深部体温は単なる「体の内部の温度」ではなく、睡眠・覚醒のタイミングを含む体内時計のリズムを反映する代表的な生理指標の一つです。
なお、体内時計を作っているのが深部体温そのものというより、脳の視交叉上核を中心とした体内時計が深部体温のリズムを調節している、という関係です。
(体内時計)親時計 → 深部体温リズム → 子時計の同調
※親時計 → 子時計の一方向だけではなく、子時計側から中枢へ戻るフィードバックもあります。ただ、フィードバックの影響はそれほど大きくはありません。
子時計は一般に、肝臓・心臓・筋肉など各臓器や組織にある末梢時計(末梢の概日時計)を指します。脳の視交叉上核にある親時計(中枢時計)と連携して働きます。
深部体温のリズムは、その親時計の影響を受けて生じると同時に、各組織の子時計を同調させるシグナルの一つとして働きます。
親時計(SCN) → 自律神経・ホルモン・深部体温・行動など → 子時計
子時計・各臓器の状態 → 代謝物・ホルモン・神経信号など → 脳・中枢側へフィードバック

