不眠症に効果的な刺激制御療法とは?ベッドで自然に眠れる方法

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睡眠改善

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こんなことはありませんか?

「昼間は眠いのに、夜になってベッドに入ると眠れない」
「むしろ、ベッドに入ると目覚めてしまう」
「でも、ベッド以外の場所ではうとうとと眠くなる」

今、お伝えしたのは条件付け不眠症の症状です。
条件付け不眠症とは、「ベッドに入ると目が覚める癖がついている不眠症のこと」です。
僕が29年間不眠症で苦しんだ1つの原因であり、癖なので放っておくと、不眠症が長く続きやすくなります。

ただ、現在は僕の不眠症は治っており、7~8時間ほどの睡眠ができています。
再発をせず、睡眠薬を飲むこともありません。
その快眠の理由の1つが、条件付け不眠症を改善する「刺激制御療法」を行ったことです。
ベッドで横になると条件反射的に眠ってしまう。パブロフの犬で例えられる脳の力を借りる睡眠法です。

野上しもん
・29年間の睡眠障害を克服
・5年以上のうつ病と双極性障害を克服
・上級睡眠健康指導士
・メンタル心理カウンセラー
・食生活アドバイザー
メンタルと睡眠のYouTube登録1万人
著書
眠れない理由を知って眠れる方法を知れば安眠
脱・中途覚醒 “夜中に目覚める”悩みが消える
12歳になるまでに読みたい 「子どもの睡眠」

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刺激制御療法は「ベッドは眠るところ」と脳を再教育する方法

「一時的な不眠症は、睡眠への不安や不適応な睡眠習慣の組み合わせで慢性化することがあります。刺激制御療法はこれらの『学習された』思考と行動を特定し、患者がそれらを『学び直す』ことで不眠症のサイクルを断ち切ることを目指します。」

睡眠心理学者マリア・セラ・ブランド

刺激制御療法とは、「ベッドは眠るところ」と脳を再教育する方法です。
分かりやすくいうと、ベッドを睡眠と性生活以外では使わないことで、ベッドに入ると眠る癖をつける睡眠法です。
ベッドに入っても眠れないどころか、目が覚めてしまう人には、とても相性の良い睡眠法です。

刺激制御療法は、米国睡眠医学会が不眠症を治す方法として推奨1している信頼できる方法です。
さらに、2023年の刺激制御療法の研究で「寝つきに効果が高い効果があり、睡眠時間を少し増える」という結果2が出ており、不眠症の方に限らず寝つきを整えたいかたにもおすすめできます。

ただ刺激制御療法がもっともおすすめの点は、習慣にしやすいため、今後の睡眠の質を高め、不眠症の再発を抑えることができる点です。またリスクが少ないことも、行う側からすると嬉しいですよね。

刺激制御療法のやり方:7ステップ

刺激制御療法の7ステップ
①決めた「就寝時間」までベッドに入るのは禁止。休むときは座って休む。
②決めた「起床時間」にアラームをセット。起床時間を固定する。
③ベッドでは睡眠と性生活以外は何もしない。寝室はできる範囲で暗く静かに。
④ベッドに入ったあと、15~20分で入眠できなければ、ベッドから出る。
⑤ベッド以外でリラックスして過ごす。できれば寝室とは別の部屋で座って休む。
⑥眠れそうと思ったら、ベッドに戻って眠る。
⑦15~20分で入眠できなければ、「ベッド以外でリラックスして過ごす」と「眠れそうになったら、ベッドに戻って眠る」を繰り返す。
※基本的に、日中の仮眠は禁止。仮眠したい場合は15時までに20分以内の仮眠であればOK。

刺激制御療法は「15~20分で再入眠できなければ、ベッドから出る」とあるので睡眠時間が短くなる印象があります。
でも、ベッドから出るのは眠れない間だけなので、睡眠時間にそれほど影響は与えません。
ご安心ください。

ただし、刺激制御療法は失敗するとリスクがあるため、気をつけることがあります。
では、どんなことに気をつけて、どんな対策をとればいいのでしょうか?

刺激制御療法の3つの注意点と対策法

①眠れずにベッドから出るときに、刺激のある活動をしてしまう

15~20分で眠れずベッド以外でリラックスして過ごすときに、リラックスではなく覚醒につながる行動をとると、より目が覚めて、より睡眠不足になる可能性があります。
一時的な睡眠不足は眠気が高まるため、それほど睡眠に影響を与えません。むしろ、眠気が高まるので翌日以降の刺激制御療法がうまくいきやすくなります。
ただ、日中に睡眠不足による事故のリスクが高い場合は、刺激制御療法を控えたほうが安全です。

もしも刺激制御療法を控える場合は、まずリラックス法を身につけてから、行うのがおすすめです。
僕の場合も、はじめ刺激制御療法に取り組んだときはうまくいかず、腹式呼吸やマインドフルネスなどのリラックス法を身につけてから取り組みなおしました。

②刺激制御療法の時間を意識しすぎてストレスになる

「15~20分眠れないとベッドから出なければいけない!」と時間を強く意識しすぎてしまう人も、あまり向いていません。
時間を意識すると、脳が覚醒してベッドで眠りにくくなるので、「ベッドが起きて良い場所」と脳が間違った学習をするからです。

時間の意識を減らすためには、ベッドのまわりから時計やスマホを遠ざけるのがおすすめです。
時計やスマホを近くに置かなくなるだけで、刺激制御療法の成功率がグンとアップします。

③休むときにベッドから離れると強いストレスを感じる

刺激制御療法の最大のポイントは「睡眠と性生活以外では使わない=目覚めているときにはベッドを使わない」ことです。
普段、ベッドで休む習慣をつけている方は、刺激制御療法に強いストレスを感じることがあります。

その場合は、ベッド以外に休める場所を用意するのがおすすめです。
休む用の椅子を用意する。ラグやカーペットを敷いて床で休めるようにする方法があります。
僕の場合は、日中休むときはヨガマットで休むようにしています。

4.刺激制御療法のまとめ

  • ベッドは睡眠と性生活以外では使わないことが基本です。
  • ベッドに入ると眠るという条件反射を作り出すことで、不眠症の改善を図ります。
  • 「ベッドに入ると目が覚める」という条件付け不眠に特に効果的です。
  • 入眠に高い効果があり、睡眠時間を改善する可能性があります。
  • 失敗すると睡眠不足になるリスクがあるため、注意が必要です。対策として、リラックス法を取り入れると良いでしょう。

  1. Chattu, V. K., Sakhamuri, S., Kumar, R., Spence, D. W., & Pandi-Perumal, S. R. (2020). COVID-19 and sleep: An integrative review. Journal of Clinical Sleep Medicine, 16(12), 2131-2144. https://doi.org/10.5664/jcsm.8986 ↩︎
  2. O’Sullivan, P., Groat, L., Stivens, A., et al. (2023). Implementing Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia in Primary Care: A Pragmatic Randomized Controlled Trial. Journal of Sleep Research, 32(3). https://doi.org/10.1111/jsr.14002 ↩︎
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