クリステ(cristae)とは、ミトコンドリアの内膜が内側に折りたたまれてできたヒダのことです。
クリステ密度とは、簡単に言えば、一定のミトコンドリア体積の中に、どれくらい多くの内膜が詰め込まれているかを表します。
なぜヒダになっているのか?
ミトコンドリアの内膜には、
が並んでいます。
ここでATPが大量に作られます。
そのため、
内膜の面積が広い
↓
ATP産生装置を多く配置できる
↓
酸素を使ったエネルギー産生能力を高められる
という関係があります。
クリステ密度が高いとは?
例えば同じ大きさのミトコンドリアが2つあったとして、
A
┌──────────┐
│ /\/\ │
│ │
└──────────┘
B
┌──────────┐
│/\/\/\/\/\│
│\/\/\/\/\/│
└──────────┘
Bのように内膜がより密に折り畳まれていれば、クリステ密度が高いということです。
つまり、ミトコンドリアの大きさが同じでも、内部構造によってエネルギー産生能力が違いうるということです。
クリステ密度と持久系トレーニングとの関係
持久系トレーニングによる適応では、ミトコンドリアそのものの量を増やすだけでなく、既存のミトコンドリア内部のクリステを発達させるという変化も起こります。
そのため、筋肉の有酸素能力を考えるときは、ミトコンドリアの数だけを見るのでは不十分です。
大まかには、筋肉のミトコンドリア量 × クリステ密度 × 電子伝達系などの機能が、その筋肉のATP産生能力に関わってきます。
一般人:
ミトコンドリア量:100
クリステ密度:100
だとします。
トレーニングによって、
ミトコンドリア量:120
クリステ密度:120
となれば、単純に「ミトコンドリアが20%増えた」以上の変化が起こる可能性があります。
実際の生体では単純な掛け算ではありませんが、考え方としては、
工場を増やす=ミトコンドリア量↑
だけでなく、
1つの工場の中に発電設備を高密度に配置する=クリステ密度↑
という2種類の適応があるわけです。
そして、SIT・HIIT・Zone 2などで「ミトコンドリアを増やす」と言う場合、実際にはこの「数・量・クリステ構造・機能」がまとめて変化していると考えると理解しやすいです。

