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体重1キロあたり3ミリグラムのカフェイン摂取を続けると、少しずつ耐性がでてきしまう【2019年】

カフェインの運動パフォーマンス向上効果は、毎日摂取すると徐々に小さくなりました。しかし、20日間の連続摂取後でも効果が完全になくなったわけではありませんでした。

カフェインによる効果は摂取1日目が最も大きく、その後は徐々に低下しました。著者らは、この結果からカフェインの運動パフォーマンス向上効果に「徐々に耐性が生じる」としています。

一方、20日目でもカフェインとプラセボの比較では、小~中程度の効果量が残っていました。つまり、この研究の条件では、毎日飲むことで効き目は弱くなるものの、20日で完全に効かなくなるわけではないという結果です。

参考:Time course of tolerance to the performance benefits of caffeine【2019年】

【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。[ ]のメモは僕の意見・感想です】

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内容の信頼性:8/10

研究方法としては信頼性を高める工夫がされています。

同じ11人がカフェイン条件とプラセボ条件の両方に参加するクロスオーバー方式で、無作為化・二重盲検・プラセボ対照試験として実施されています。また、実験前の1か月間は食事由来のカフェインを避け、実験中もコーヒー、紅茶、チョコレート、エナジードリンクなどの摂取を止めています。

一方、著者ら自身が複数の限界を挙げています。参加者は11人と少なく、カフェイン摂取期間も20日間なので、それ以上長く摂取した場合は分かりません。また、実際のスポーツ競技ではなく実験室での運動テストであり、調べたカフェイン量も3mg/kg/日のみです。さらに、血液中のカフェイン濃度を測定していないため、カフェイン代謝の変化が耐性に関係したかどうかも判断できません。

そのため、この実験条件における結果としては信頼性が高い一方、幅広い人や長期間のカフェイン摂取へそのまま当てはめるには限界があると評価できます。

何の研究か?

カフェインを毎日摂取すると、運動能力を高める効果にいつ、どの程度「慣れ」が生じるのかを調べた研究です。

参加者は健康で活動的な11人で、平均年齢は32.3 ± 4.9歳。全員が普段のカフェイン摂取量50mg/日未満の低カフェイン摂取者でした。

参加者は、

  • カフェイン:3mg/kg/日を20日間
  • プラセボ:20日間

という2つの条件を両方経験しました。

運動能力は、最大まで負荷を上げていく自転車運動と、15秒間全力で自転車をこぐWingateテストで測定しました。基本的にカプセル摂取45分後に運動テストを行っています。

研究した理由は?

カフェインを1回摂取すると運動パフォーマンスを高めることについては多く研究されていました。

しかし、カフェインを毎日摂取し続けた場合、運動能力を高める効果にどのような時間経過で耐性が生じるのかについては、科学的な情報が不足していました。

そこで研究者らは、3mg/kg/日という中程度の量のカフェインを20日間連続して摂取させ、効果の大きさが日数とともにどう変わるのかを調べました。

結果はどうだったか?

1. 最大負荷まで自転車をこぐテスト:Wmax

このテストでは、自転車の負荷を1分ごとに25Wずつ上げていき、限界までこぐ方法が使われました
。参加者が最後に到達できた運動負荷を Wmax(最大到達パワー) としています。

カフェイン条件では、体重1kgあたり3mgのカフェインを摂取し、基本的に45分後にテストを行っています。

論文の要約では、プラセボと比べてカフェインによるピークパワーの向上は、最初の15日間で約4.0 ± 1.3%だったと報告されています。つまり、単純化すると、カフェインを飲まない場合に比べて、限界まで負荷を上げたときの最大出力が平均で約4%高かったということです。

結果本文ではさらに細かく、Wmaxはカフェイン条件で18日目までの測定日にプラセボより有意に高かったとされています。例外は11日目です。11日目だけはカフェインを運動前ではなく運動後に摂取したため、その日のテスト時点ではカフェインの急性効果がない条件になっていました。

この11日目ではWmaxがプラセボとほぼ同じ水準まで下がり、再び運動前にカフェインを摂取した13日目には上昇しました。著者らはこれを、11日間飲み続けた時点でも、カフェインそのものの効果が消えていたわけではないことを裏づける結果として説明しています。

重要なのは「有意差があったか」だけではありません。

Wmaxに対するカフェインの効果量は、

  • 1日目:大きい
  • 4日目:大きい
  • その後:中程度へ低下

という変化を示しました。

つまり、カフェインはしばらく効いているものの、最初の日ほど強くは効かなくなっていったということです。

2. VO₂max:効果が比較的早く小さくなった

同じ最大負荷テストでは、VO₂max(最大酸素摂取量)も測定されました。

これは、激しい運動中に体がどれだけ多くの酸素を取り込んで利用できるかを示す指標です。

カフェイン摂取前の基準値は、

  • プラセボ条件:47.9 ± 8.0 mL/kg/min
  • カフェイン条件:46.1 ± 8.4 mL/kg/min

で、両条件に有意な差はありませんでした(P = 0.19)。

ところがカフェインを摂取すると、プラセボと比較してVO₂maxが有意に高かったのは、

  • 1日目
  • 4日目

でした。

効果量を見ると、

  • 1日目:非常に大きい
  • 4日目:大きい
  • それ以降:中程度から小さい

へと低下しています。

つまりVO₂maxについては、Wmaxよりも早い段階で、カフェインとプラセボの明確な差が見えにくくなったという結果です。

論文のまとめでも、カフェインはVO₂maxを最初の4日間改善したと表現されています。

3. 15秒Wingateテスト:瞬間的な最大パワー

もう一つ行われたのが、15秒間のWingateテストです。

参加者は自転車を停止状態からスタートし、15秒間、「最初から最後までできるだけ速く」全力でこぎました。

負荷は体重の7.5%に設定されています。

ここでは主に、

① Peak power=15秒間の中で出た最大パワー
② Mean power=15秒間全体の平均パワー

の2つが測定されています。

この2つは同じではありません。

ピークパワーは「一瞬でもどこまで大きな力を出せたか」、平均パワーは「15秒間を通してどれだけ高い出力を維持できたか」に近い指標です。

4. Wingateのピークパワーは18日目でも有意に高かった

Wingateのピークパワーは、実験開始前には、

  • プラセボ条件:9.48 ± 0.44 W/kg
  • カフェイン条件:9.35 ± 0.54 W/kg

で、有意差はありませんでした(P = 0.39)。

カフェイン摂取後、プラセボよりピークパワーが有意に高かったのは、

  • 1日目
  • 4日目
  • 15日目
  • 18日目

です。

論文の要約では、このピークパワー向上について約4.9 ± 0.9%と報告されています。

ここでも、効果の強さは一定ではありません。

効果量は、

  • 1日目:大きい
  • 4日目:大きい
  • それ以降:中程度~小さい

へ低下しました。

つまり18日目でも統計的に有意な効果が確認された一方で、効果そのものの大きさは初日より小さくなっていたわけです。

5. Wingateの「平均パワー」は1日目しかプラセボとの差が出なかった

ここがピークパワーとの大きな違いです。

Wingate平均パワーの開始時点は、

  • プラセボ条件:8.22 ± 0.46 W/kg
  • カフェイン条件:8.15 ± 0.43 W/kg

で、有意差はありませんでした(P = 0.57)。

カフェインによる平均パワーがプラセボより有意に高かったのは1日目だけでした。

効果量も、

  • 1日目・4日目:中程度
  • その後:小さい

へ低下しました。

したがって、この研究では、

15秒間で一瞬出せる最大パワーへの効果は比較的長く残ったが、15秒間全体の平均パワーへの明確な効果は急速に小さくなった

という違いが見られています。

6. 「耐性ができた」と判断した最大の理由

この論文で重要なのは、単純に

「何日目に有意差がなくなったか」

だけではありません。

著者らが耐性の根拠として重視しているのは、カフェインとプラセボの差の大きさ=効果量が、時間とともに小さくなったことです。

論文では、最大負荷テストでもWingateテストでも、カフェインの運動能力向上効果は1日目が最大で、その後徐々に低下したと報告されています。

イメージすると、

1日目:かなり効く

数日後:まだ効くが、初日ほどではない

15~20日:効果はさらに小さくなる

という変化です。

著者らは、この「効果が徐々に弱くなる現象」を progressive tolerance=徐々に進行する耐性 と解釈しています。

7. それでも「20日で効かなくなった」とは言えない

ここも論文の重要なポイントです。

20日間連続でカフェインを摂取したあとでも、カフェインとプラセボを比較した効果量は、運動パフォーマンスについて小~中程度残っていました

そのため著者らは、

耐性は徐々に生じるが、20日間で完全な耐性が成立したわけではない

としています。

論文の最終的なまとめも、

カフェインの効果は初日が最も大きく、その後低下する。しかし20日後でもカフェインには運動能力を高める作用が残っている

という内容です。

数字だけ整理すると

指標プラセボより有意に高かった時期効果の変化
最大負荷テストのWmax18日目までの測定日の多くで有意。11日目は運動前にカフェインを飲んでいない1・4日目は大きな効果、その後は中程度へ低下
VO₂max1日目、4日目1日目は非常に大きく、4日目は大きい。その後低下
Wingateピークパワー1、4、15、18日目約4.9 ± 0.9%向上。効果量は徐々に低下
Wingate平均パワー1日目のみ早い段階から効果が小さくなる

要するに、この研究で示されたのは、「毎日カフェインを飲むと突然効かなくなる」のではなく、「運動能力を高める効果が日を追って少しずつ弱くなる」タイプの耐性です。そして、少なくともこの研究の20日間・3mg/kg/日という条件では、20日目でも完全に効果が消失したわけではありませんでした。


発表者(筆頭著者):ベアトリス・ララ

共同著者:
カルロス・ルイス=モレノ
フアン・ホセ・サリネロ
フアン・デル・コソ

所属機関:カミロ・ホセ・セラ大学 運動生理学研究所(スペイン・マドリード)

Lara B et al. (2019). Time course of tolerance to the performance benefits of caffeine. PLoS ONE, 14(1), e0210275.

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