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【2023年研究】不眠症に光療法は効果がある?中途覚醒に効く科学的根拠と正しい使い方

不眠症に悩む人にとって、「寝つけない」「何度も目が覚める」「朝早く目が覚めてしまう」といった問題は日常的なストレスの原因になります。薬に頼らず、自然な方法で眠りを整える方法の一つとして注目されているのが「光療法」です。

本記事では、2023年に発表された22件の臨床研究をまとめた最新の系統的レビューとメタ分析をもとに、「光療法が不眠に本当に効くのか?」をわかりやすく解説します。

特に、「夜中に目が覚めてしまう(中途覚醒)」に困っている方には、有力な改善手段となる可能性があります。逆に「寝つきの悪さ」や「睡眠時間を増やしたい」といった悩みに対しては、光の使い方に工夫が必要です。

参考:【2023年】不眠症における光療法:系統的レビューとメタ分析

【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。緑のメモは僕の意見・感想です】

睡眠
運営者:メンタルコーチしもん
・上級睡眠健康指導士
・29年間の睡眠障害を克服
・38歳運動開始 マラソン完走&800m優勝
・チェストプレス107kg達成|体重50㎏
・N社主催の電話応対大会で全国優勝
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結論

光療法は「中途覚醒(WASO)」の改善には有効性が示されましたが、他の睡眠指標(入眠時間、総睡眠時間、睡眠効率)への明確な効果は確認されませんでした。今後は不眠のタイプや光の照射条件に応じた個別化治療の研究が求められます。

これは「体内時計のズレによる睡眠障害の方は除外」されています。光による体内時計以外の効果を調査したものです。そのため、入眠時間など体内時計で改善が考えられるものに明確な効果がでていません。


内容の信頼性:8/10

本研究は22件の研究(うち13件をメタ分析)を対象とした体系的レビューで、信頼性は高いです。ただし、研究の異質性と出版バイアスの影響があるため、解釈には注意が必要です。


何の研究か?

この研究は、不眠症に対する「光療法(Bright Light Therapy)」の効果を検証した体系的レビューとメタ分析です。主に「どのような光の条件(時間帯・強度・波長)が不眠の改善に役立つのか」を探りました。


研究した理由は?

不眠症は成人の30〜50%が経験するとされ、慢性化する人も多く、社会的・経済的負担が大きい疾患です。従来の薬物療法には依存や副作用のリスクがあるため、非薬物的な代替治療法が求められており、光療法がその一つとして注目されました。

睡眠薬などの薬物療法は、不眠症が長期化しやすいのも理由ですよね。「睡眠薬で不眠症状を抑えること」と「睡眠薬なしで不眠症が治ること(寛解)」は違うからです。


結果はどうだったか?

効果が確認された項目:「中途覚醒(WASO)」の改善

WASO(Wake After Sleep Onset)とは、夜中に一度眠りについた後、目が覚めて再び寝つくまでの「覚醒時間」のことです。

  • 客観的評価(アクチグラフィーなど)では、光療法を受けた群で平均11.2分短縮(統計的に有意:p=0.017)。
  • 主観的評価(睡眠日誌)では、平均36.4分短縮(非常に有意:p<0.001)。

これは、光療法によって「途中で目が覚めにくくなる」「目が覚めてもすぐに寝つける」可能性があることを示しています。

客観的と主観的で大きな開きがあるのがポイントです。
睡眠は主観的評価な睡眠時間がズレやすいのに注意。光は気分改善効果があるので、中途覚醒時のストレスをやわらげ記憶が残りにくかったのかもしれません。


効果が確認されなかった項目

入眠時間(Sleep Latency)

  • 客観評価でも主観評価でも、統計的に有意な差はありませんでした。
  • 光療法によって「すぐに寝つけるようになる」とまではいえない結果です。

総睡眠時間(Total Sleep Time, TST)

  • 光療法を受けた群の方がわずかに長くなる傾向はありましたが、有意差には至りませんでした(p=0.066)。
  • 主観的には+34分程度の差があるものの、統計的にはグレーゾーン。

睡眠効率(Sleep Efficiency)

  • 睡眠効率とは「寝床にいた時間のうち、実際に眠っていた割合」です。
  • 客観・主観ともに光療法群での改善はみられませんでした。

中途覚醒時間が減っているのに睡眠効率に改善がないのは不思議な感じですが。総睡眠時間が統計的に有意ではなくとも伸びているので、相対的に睡眠効率の変動が少なかったのかもしれませんね。睡眠効率が「睡眠時間÷ベッド時間」のためです。


光の照射時間帯による違い:

  • 朝の光
    体内時計を「前倒し(早く)」する効果があり、「夜ふかし型(寝つきが遅いタイプ)」の人に向いています。
  • 夜の光
    体内時計を「後ろ倒し(遅く)」するため、「早朝覚醒型(高齢者に多い)」に使える可能性があります。
  • 実際に、朝の光で睡眠相が前進(早寝早起き型に変化)し、夜の光で睡眠相が後退(遅寝遅起き型)する傾向が観察されました。

早朝覚醒においては、夜の光が好影響につながることもあるんですね。このあたりは面白いですね。


副作用や悪化はほとんど報告されず

  • 重大な副作用の報告はなく、大半の研究では「有害事象なし」あるいは「軽微な目の疲れ、頭痛程度」とされています。
  • ただし、夜の光照射によって1件のみ総睡眠時間が短くなった研究があり、タイミングには注意が必要です。

光の強度(lux)や時間との関連性は明確でない

  • 高強度(例:10,000 lux)や長時間の光療法の方が効果的という過去の研究もありますが、
  • 本メタ分析では、光の「量(lux×時間)」と効果との明確な相関は確認されませんでした
  • 使用された光はさまざまで、波長(色味)や時間帯、継続日数などが統一されていなかったため、結果の解釈にバラつきが出ています。

こちらに詳しくまとめています→光療法の正しい使い方:不眠症を改善し、日中の覚醒感を高める方法

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