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大うつ病性障害(MDD)における経頭蓋磁気刺激(TMS):2023年メタ解析

大うつ病性障害(MDD)の治療法として注目される経頭蓋磁気刺激(TMS)。
これまで多くのメタアナリシスがその有効性と安全性を支持してきましたが、最新の研究ではその解釈に見直しを迫る結果が示されています。

参考:大うつ病性障害の治療における経頭蓋磁気刺激の有効性と安全性:ランダム化比較試験の公開されたメタアナリシスの包括的なレビューと再分析

【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。緑のメモは僕の意見・感想です】


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結論

TMSはMDDに対して効果があるとされてきましたが、最新の再解析では、その効果や安全性は一部の患者集団ではこれまで考えられていたほど高くない可能性が示されました。
今後は、より効果が期待できる患者層を見極めた治療法の個別化が求められます。


内容の信頼性:9/10

この論文は、再解析に最新の統計手法(Hartung-Knapp-Sidik-Jonkman法や95%予測区間)を適用しており、従来のメタアナリシスの問題点(異質性や小規模研究効果)を正確に指摘しています。
特に、対象となったメタアナリシスの多くがAMSTAR 2評価で「極めて低い」とされる質の低いものであることを正直に認め、そのため「TMSに関するこれまでのエビデンスには限界がある」という結論を導いています。


何の研究か?

既存の29件のシステマティックレビューと15件のメタアナリシスを再解析し、TMSのMDD治療における有効性・安全性を評価したものです。従来の結果と比べ、より現実に近い効果の推定を試みました。


研究した理由は?

TMSはMDD治療法として広く使われていますが、既存メタアナリシスの多くは、異質性や小規模研究効果の考慮が不十分でした。そのため、より厳密な手法を用いて再解析し、実際の治療効果や副作用リスクを見直す必要がありました。


結果はどうだったか?

TMSは多くのメタアナリシスで有効とされたものの、再解析では15件中14件で「効果の方向が逆もありうる」ことが示されました。

従来のメタアナリシスでは、TMSはMDD(大うつ病性障害)の症状改善に有効であるとする結果が多数報告されていました。しかし、最新の再解析では「95%予測区間(PI)」という、より現実的な効果のばらつきを示す指標を使った結果、15件中14件で「治療効果が無いか、むしろ逆効果(症状悪化の可能性)」という範囲も含まれていることが判明しました。つまり、TMSが一部の患者には全く効かない、あるいは逆に悪影響を与える可能性が示唆されました。

従来は「平均値で見ると、治療効果があった」んですが、「効果のばらつきで見ると、効果がない人や逆効果も含まれている」と判明ですね。
例えば、「平均で+2の効果がある」と聞くと「だったら、全員やろうぜ!」となりますが、「ばらつきをみると-2~+4だったよ」となったイメージです(数値は仮です)。なので、非常に効く人もいれば、効果がない、または悪化した人もいるのでは、という内容になっています。


2️⃣ 特に副作用に関しては、再解析で相対リスクが約2.14と上昇(従来1.96)。小規模研究効果の存在も示唆されました。

再解析では、副作用(頭痛や吐き気など)のリスクを示す「相対リスク(RR)」が、従来の値1.96から2.14に上昇しました。これは、副作用の発生率が対照群の約2倍に相当することを意味します。また、統計的検定(Egger検定)では「小規模研究効果」が認められました。小規模研究効果とは、小規模な研究では効果が過大に見える傾向のこと。これにより、副作用リスクの実態が従来より高い可能性が示されました。

副作用は、頭痛、頭皮の不快感、顔面の筋肉のけいれん、軽度のめまいなど、一過性かつ軽度~中等度のものがメイン。
副作用が慢性化するなどは、不明。


3️⃣ 対象レビューのほとんどが「非常に低い質」と評価され、バイアスの可能性が高いことも判明。

再解析に用いられた系統的レビュー29件中28件(約97%)が、方法論の信頼性を評価するAMSTAR 2基準で「非常に低い質」と評価されました。理由として、プロトコル未登録、バイアス評価の不備、出版バイアスの検討不足、参加者データの詳細不足などが挙げられます。これにより、従来の結論(TMSの効果・安全性)にはバイアス(結果の歪み)が含まれている可能性が高いことがわかりました。

AMSTAR 2の評価基準
・高い(High)
・中程度(Moderate)
・低い(Low)
・極めて低い(Critically low) ←系統的レビュー29件中28件がここに該当していた。


4️⃣ 今後は、効果が見込める患者層を特定し、より適切なTMS治療の適用が求められます。

TMSの効果が全ての患者に均等に現れるわけではないことが明らかになったため、今後は「どのような患者が効果を得られやすいか」を見極める研究が重要です。例えば、年齢、性別、うつ病の重症度、脳の活動パターン(神経シグネチャー)などを考慮し、個別化された治療を提供する必要があります。これにより、効果の期待できる患者にはより適切な治療を、効果が薄い可能性のある患者には代替治療を検討できるようになるでしょう。

そもそも2023年までの研究の品質が悪いため、良いのかどうかの判断がつかないですね。
神経可塑性に効果があるのは信頼性は高いので、TMS+心理療法であればいい効果が期待はできそうです。ただ、TMS単独は言われているほどの期待はしないほうがよさそうですね。
ただ、病院独自で今までのTMS治療のデータを貯めて、再発率などの統計をとっていれば信頼性は高そうです。ただ、行っていたとしても統計的に有意なサンプル数まで持っている病院はあるんだろうか。
少なくとも2023年までの研究をベースにメリットを伝えている場合は注意をしたほうがいいと感じますね。

2回の抗うつ薬治療失敗後の大うつ病性障害に対して

追加:2回の抗うつ薬治療失敗後の大うつ病性障害(MDD)に対する反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)補助療法の有効性:ランダム化偽対照試験のメタアナリシス

背景

・大うつ病性障害(MDD)の治療において、rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)は有効であるとされてきました。
・特に、左側頭部に高周波刺激を与える「片側高周波左側(HFL)rTMS」の有効性が注目されています。
・しかし、これまでの研究結果にはバラつき(異質性)があり、統一的な結論が得られていませんでした。

これまでの研究結果にはバラつきは、ここまで伝えた内容ですね

方法

・2000年以降に発表された英語の論文を対象に、PubMedとScopusで文献検索を実施(2022年3月)。
・抗うつ薬治療を2回失敗した患者(治療抵抗性うつ病:TRD)に対して、rTMSを追加した場合の有効性を調べるメタアナリシスを実施。
・評価項目は「反応率」と「寛解率」、ランダム効果モデルを用いた。

結果

・反応率については、19件のランダム化二重盲検偽対照試験(合計854人)を解析。
・寛解率については、9件(合計551人)を解析。
・抗うつ薬治療にrTMSを追加した場合、反応率のリスク比(RR)は2.25寛解率のRRは2.78で、いずれも標準的な薬物療法に比べて有意に高い効果を示した。
・統計的な異質性(バラつき)は有意ではなく、出版バイアスも検出されなかった。

抗うつ薬治療のサブとしてなら、効果はあるよって話ですね。

■ 結論

・rTMSは、抗うつ薬治療に失敗したMDD患者に対して、補助療法として有効である可能性が高い
・反応率や寛解率は、偽刺激(sham rTMS)群に比べて明確に改善。
・ただし、効果の大きさは過去の報告よりやや控えめ。

効果のバラツキを考慮して、部分的に「効果を調べた研究」だけど。
そもそも、ベースとなっている研究の品質が低い問題がある。

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