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うつ病の人63%に性機能障害?男性ホルモンが低くなる悪循環【2023年研究】

うつ病とテストステロンには深い関係がある可能性があります。
実際に、うつ病の男性では性欲低下や勃起不全などの性機能障害が多く報告されており、血中テストステロン値が低い傾向も確認されています。
一方で、テストステロンが低い男性ほど抑うつ症状を抱えやすいことも分かっており、両者は相互に影響し合う可能性があります。
今回のレビューでは、うつ病とテストステロンの関係について、現在分かっている研究結果がまとめられています。

参考:性腺機能低下症と抑うつおよびその治療との関連性【2023年研究】

この記事を書いた人:メンタルコーチしもん
個人コンサル/作家/講師
・29年の不眠症と5年の双極性障害を克服。
・コーチング実績1,000件以上。
ギフテッドアイズ No.76
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結論

うつ病の男性は、健康な男性よりもテストステロン値が低い傾向があり、性機能障害も多くみられます。また、テストステロンが低い男性では抑うつ症状が多く、両者は双方向に影響し合う可能性があります。

ただし、全ての研究結果が一致しているわけではなく、「うつ病だから必ずテストステロンが低い」「テストステロンを上げれば必ずうつ病が改善する」とまでは言えません。

現時点では、

  • うつ病 → テストステロン低下
  • テストステロン低下 → 抑うつ症状

の両方向の関連が示唆されている段階です。

内容の信頼性:8.5 / 10点

理由

  • 医学論文を幅広く調査したレビュー論文
  • メタ分析や大規模研究を多数引用
  • 人間研究だけでなく動物研究も含む
  • ただし研究結果が一致しない部分も多く、因果関係は完全には証明されていない

そのため信頼性は高いものの、「確定事項」ではなく「有力な仮説と証拠が集まっている段階」と考えるのが適切です。

何の研究か?

男性における

  • うつ病
  • テストステロン
  • 性機能障害

の関係をまとめたレビュー研究です。

特に、

  • なぜうつ病でテストステロンが下がるのか
  • なぜテストステロン低下で抑うつ症状が出るのか
  • テストステロン補充療法(TRT)は有効なのか
  • 抗うつ薬は性機能にどんな影響を与えるのか

を総合的に検討しています。

研究した理由は?

うつ病の男性では、

  • 性欲低下
  • 勃起不全
  • オーガズム障害

がよくみられます。

さらに、テストステロンが低い男性では、

  • 抑うつ気分
  • 不安
  • 疲労感
  • 不眠

などが起こりやすいことも知られています。

しかし、

「うつ病が原因でテストステロンが下がるのか」

「テストステロン低下が原因でうつ病になるのか」

はまだ十分に解明されていません。

そこで過去の研究を整理し、両者の関係を明らかにするために行われました。

結果はどうだったか?

① うつ病男性の63%に性機能障害がみられた

メタ分析では、

  • 性機能障害:63%
  • 性欲低下:40%
  • 勃起不全:32%
  • オーガズム障害:35%

が報告されました。

② うつ病男性はテストステロンが低い傾向があった

症例対照研究のメタ分析では、うつ病男性の血中テストステロン値は健康な男性より有意に低いことが報告されました。

さらに、遊離テストステロンやジヒドロテストステロン(DHT)が低いほど、うつ病症状が重い傾向も確認されています。

③ うつ病がテストステロン低下を招く可能性がある

研究では、

などが視床下部―下垂体―精巣軸(HPT軸)を抑制し、テストステロン低下を引き起こす可能性が示されました。特にうつ病患者では不眠症の有病率が80%を超えることが報告されています。

④ 性腺機能低下症の男性は抑うつ症状が多かった

複数の研究で、性腺機能低下症の男性の35~50%に抑うつ症状がみられました。

また、

テストステロンが低い男性では

  • 疲労
  • 活動性低下
  • 認知機能低下
  • 気分の落ち込み

が多くみられました。

⑤ 非常に低いテストステロンではうつ病リスクが高かった

ある研究では、

総テストステロン値が230 ng/dL未満だった男性の90%が大うつ病性障害の基準を満たしていました。


⑥ テストステロン補充療法(TRT)は一部の人で有効だった

メタ分析では、性腺機能低下症の男性ではテストステロン補充療法によって抑うつ症状が改善する傾向がみられました。

一方で、

  • テストステロンが正常な人
  • 重度の大うつ病患者

では効果が限定的な研究もありました。

⑦ 抗うつ薬は性機能障害を起こすことがある

メタ分析では、抗うつ薬による性機能障害の発生率は25〜80%と報告されました。さらに、

ランダム化比較試験のメタ分析では、

  • 性欲低下:OR 1.89倍
  • 勃起不全:OR 2.28倍
  • 射精障害:OR 7.31倍

と、抗うつ薬群でリスクが高くなっていました。

まとめ

このレビューから分かることは、

「うつ病だからテストステロンが下がる」「テストステロンが低いからうつ病になる」のどちらか一方ではなく、両者が悪循環を作る可能性が高いということです。

特に、

  • 慢性的なストレス
  • 不眠
  • 活動量低下
  • コルチゾール増加

は、うつ病とテストステロン低下の共通要因として重要だと考えられています。

そのため、テストステロンだけを見るのではなく、

睡眠・運動・ストレス管理・うつ症状の改善を含めて総合的に考えることが重要

というのが現在の研究から導かれる結論です。

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