体力検定(航空自衛官の体力測定)とは、航空自衛官が任務を遂行するために必要な基礎体力を測定・評価し、効果的な体育訓練を行うための制度です。
航空自衛隊員の全員が対象で、年齢や性別に応じて実施種目や基準が異なります。
この記事は40代の体力検定の1~7級までの「腕立て伏せ回数」「腹筋回数」「3キロ走タイム」をお伝えします。
詳しくはこちら
航空自衛官の体力測定実施基準について(通達)(登録報告)
体力測定I
体力測定Iは、航空自衛隊の全ての自衛官が対象となる体力測定です。
自衛官としての任務遂行に必要な体力を確認し、今後の訓練や体力づくりに活かすことを目的としています。
40歳以上の男性自衛官は、基本的に体力測定Iのみが対象となります。
※ただし、本人が希望すれば体力測定IIも受験可能です。
測定する種目は3つ
次の3種目を測定します。
1. 腕立て伏せ
- 2分間で何回できるか測ります。
- 正しい姿勢で行い、補助者が確認します。
2. 腹筋
- 2分間で正確に何回できるか測ります。
- 上体を起こし、ひじが膝に触れるまでが1回とカウントされます。
3. 3キロ走
- 3キロの距離を走り、タイムを記録します。
- トラックまたは平坦なコースで実施します。
評価基準と合格ライン
合格基準は60点以上(6級)です。
各種目は年齢別の得点表で評価されます。
最大100点で、3種目の中で最も低い得点に応じて1級~7級の等級が決まります。
1級:94点以上
2級:86点以上
3級:78点以上
4級:73点以上
5級:68点以上
6級:60点以上(合格ライン)
7級:45点以上
腕立て伏せ。40代の1級は【2分 65回以上】
【級別】腕立て伏せ回数
1級:65回以上
2級:55回以上
3級:45回以上
4級:39回以上
5級:33回以上
6級:23回以上
腕立て伏せの測定方法
- 測定時間:2分間
- 計測方法:正確に行った回数を数える
- 終了条件:
- 2分間が経過した時点
- 正確な動作が継続できなくなった時点
姿勢・動作のポイント
1. 開始姿勢
- 両手の間隔は肩幅よりやや広くし、手のひらは内側(ハの字)に向けて床につける
- 腕は床に対して垂直に立てる
- 肩から足首までを一直線に保つ(体が曲がらないようにする)
- 足は肩幅まで開く
2. 屈腕の姿勢
- 顎が補助者の手のひらまたは手の甲に軽く触れるまで下げる
- 肘を体側から離して曲げる
- 肩から足首までのラインを一直線に保持する
不正確な動作(カウントされない)
- 顎が補助者の手に触れない
- 腕が完全に伸びきらない
- 腰を突き出したり、上体だけ動かしてしまう(体が一直線でない)
- 顎を不自然に突き出して手に触れさせる
休憩方法
- 腰を高く突き出したり、体をへこますことは可能(休憩扱い)
- ただし、膝を床につけたり、手や足を床から離してはいけない
- 再開する際は、必ず開始姿勢から行う
このように、フォームの正確さが重要であり、不正確な動作はカウントされません。
腹筋。40代の1級は【2分 63回以上】
【級別】腹筋
1級:63回以上
2級:55回以上
3級:47回以上
4級:41回以上
5級:36回以上
6級:28回以上
腹筋の測定方法
- 測定時間:2分間
- 計測方法:正確に行った回数を数える
- 終了条件:
- 2分間が経過した時点
- 正確な動作が継続できなくなった時点
- 仰向けの姿勢で動作が停止した時点
姿勢・動作のポイント
1. 開始姿勢
- 両手の指を重ね(指は組まない)、後頭部に軽く密着させる
- 両足は肩幅に開き、膝を直角(90度)に曲げる
- 上体は、肩甲骨の下部が床面に触れるまで倒す
- 補助者は、被測定者の前に位置し、両足首を両手でしっかり押さえる
- つま先や足の甲を押さえてはならない
2. 上体を起こした姿勢
- 両肘が膝(下肢部)に軽く触れるまで上体を起こす
不正確な動作(カウントされない)
- 両手の指が離れている
- 両手が後頭部から離れている
- 肘が膝に触れていない
- 膝の角度が直角(90度)に保持されていない
休憩方法
- 上体を起こした状態(肘が膝に触れた状態)で休憩可能
- 休憩中も両手を後頭部から離してはいけない
正確なフォームを維持することが重要で、不正確な動作はカウントされません。
3キロ走。40代の1級は【12分09秒】
【級別】3キロ走タイム
1級:12’09”
2級:13’05”
3級:14’01”
4級:14’35”
5級:15’10”
6級:16’06”
3Km走の測定方法
- 距離:3Km
- 測定方法:ゴールするまでの走行時間を計測
- 終了条件:ゴール地点を通過した時点
コースとスタート
- コース:
- トラックまたは平坦な走路で3Kmを計測
- スタート方法:
- スタンディングスタート
補助者と測定員の役割
- 測定員:
- 被測定者がゴールするごとに走行時間を記録
- 補助者:
- ゴールした被測定者を補助し、記録員に走行時間を申告
- 時間記録:
- 測定時間は秒単位で記録し、秒未満は切り捨て
注意事項
- 健康状態のチェック:
- 測定前後で被測定者の身体状態を常に確認する
- 無理なペースを避ける:
- 競争意識を抑え、個々の体力や健康状態に応じたペースで走行するよう指導
安全管理が重視されており、無理なペースや体調不良時の無理な参加は避けるようになっています。
3種目「腕立て」「腹筋」「3キロ走」のまとめ
級別 | 腕立て伏せ(回数) | 腹筋(回数) | 3Km走(タイム) |
---|---|---|---|
1級 | 65回以上 | 63回以上 | 12’09″以内 |
2級 | 55回以上 | 55回以上 | 13’05″以内 |
3級 | 45回以上 | 47回以上 | 14’01″以内 |
4級 | 39回以上 | 41回以上 | 14’35″以内 |
5級 | 33回以上 | 36回以上 | 15’10″以内 |
6級 | 23回以上 | 28回以上 | 16’06″以内 |
興味ある人はプライベートでチャレンジしましょう。
自重運動なので、体力検定Ⅰだけを見れば体重が軽い人は有利ですね!
個人で行うと厳密にフォームができているか判断が難しいので、以下のルールでどうでしょうか?
腕立て伏せルール:フルレンジプッシュアップ
・両手は「肩幅より広く」
・腕を曲げたときに「床に胸がつく」
・腕を伸ばしたときに「ひじがまっすぐ」
・体が「まっすぐ」
腹筋ルール
・両手の指は「後頭部で重ねる(組まない)」
・両足は「肩幅に開く」
・膝は「約90度」
・体を倒すときは「肩甲骨が床に触れる」
・体を起きすときは「両ひざに軽く肘を当てる」
3キロ走ルール
・GPS付きのウォッチで計測。
または
・ポケットにスマホを入れて、ランニングアプリで計測(TATTAなど)
今度試してみようと思います!