NEATとは運動を目的としない身体活動のことです。
例えば、買い物、イベントに行く、掃除、料理などですね。
このNEATを増やすだけでも、体力はついてきます。
実質、運動をしているのと同じ効果が得られるからです。
NEATを増やすだけで、体と心も快適になっていきます。
体を動かすことで、血行がまわり、脳や体に酸素や栄養がいきわたるからです。
現代人は「動かないことによる疲れ」が多いため、むしろ軽く動いたほうが疲労回復につながる場合が多いです。このように活動的な休養をアクティブレストと呼びます。
NEAT(非運動性熱産生)で体力は本当につくのか?
NEATを高める方法はさまざまあります。
掃除をする、料理をする、買い物に行く、歩くスピードをあげる、車ではなく自転車を使う、エスカレーターではなく階段を使うなどです。
ただ「掃除をする、料理をするなどで本当に体力なんてつくのか?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
大丈夫です。掃除や料理でも体力はついていきます。
掃除や料理は、ウォーキングと同じぐらいの運動量があるからです。
では、掃除と料理はどのくらいの運動量なのでしょうか?
活動強度の単位でメッツがあります。
メッツとは安静時を1として、活動の強度を考えるものです。
例えば、ウォーキングは国立健康栄養研究所によると3.5メッツです[i]。
料理や掃除はどのくらいなのかというと、料理は3.5メッツ、掃除(部屋の片づけ)は4.8メッツです。
もちろん、歩く速度、料理や掃除の内容によっても変わってきますが、思ったよりも良い運動になっていませんか?
しかも、料理や掃除の場合は、食費の節約や料理の腕があがる、部屋が綺麗になるなど、別のメリットも大きいです。
個人に合った運動強度を考える場合は、心拍数かRPE(自覚的運動強度)で判断するのがおすすめです。
NEAT(非運動性熱産生)の具体例
NEAT(非運動性熱産生)の具体例
・料理や掃除をする
・服屋さんや雑貨屋さんなど、興味があるお店に行ってみる
・買い物は車ではなく自転車や徒歩にする
・朝起きたら、いったん窓をあけて、外にでて軽くストレッチをする
・スマホの充電器を廊下や別の部屋に置いたり、手を伸ばさないと届かない高い場所に置く
・部屋を移動するときに大げな動きで動いてみる
・ボランティアに参加してみる など
小さなものでもNEATは積み重ねていくと、大きな効果を発揮していきます。
NEATの注意ポイント
NEATで注意ポイントあるとすれば、家の中のNEATだと「日光を浴びることができないこと」です。
太陽の光は睡眠ではとても大事だからです。
光によって睡眠リズムが整い、睡眠ホルモンのメラトニンを夜までためることができます。
結果、眠りやすくなり、中途覚醒を防ぐことにつながります。
日光を浴びることができない場合は、次のような日光を浴びるNEATを組み込むことがおすすめです。
・買い物にでかける
・本や服を見に行く
・外食する
・洗濯物や布団を外で干す など
NEATでもの足りなくなったら、運動を始めていくのも、もちろん良いです。
運動は活動強度を高めることができるので、体力をより伸ばしていきたい場合には効果的です。
僕の相談者の方には、NEATを始めると体が活動的になっていくので、自然と運動を始める方がいます。
YouTubeではより詳しくNEAT(非運動性熱産生)について解説
[i] 国立健康・栄養研究所 [改定版:『身体活動のメッツ(METs)表] https://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf