ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)は、心理療法の一種で、個人が自分の価値観に基づいた充実した生活を送ることを目指すものです。
以下に、ACTバリュートレーニングの概要とそれぞれの価値観について説明します。
ACTバリュートレーニングとは?
ACTバリュートレーニングとは、心理療法の一つである
アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT:Acceptance and Commitment Therapy)に基づいた考え方で、
「自分が本当に大切にしたい価値観(Values)」を明確にし、それに沿って行動していくためのトレーニングです。
ACTバリュートレーニングのメリット
ACTバリュートレーニングの本質的なメリットは、 「感情に左右されず、自分の人生を主体的に進められるようになること」です。
① 行動に迷いにくくなる
価値観が明確になると、「何を基準に選べばいいか」がはっきりします。
例えば迷ったときに、
- 得か損か
- 楽か苦か
ではなく、
「自分が大切にしたい方向かどうか」で判断できるようになります。
その結果、ブレにくくなり、意思決定のストレスが減ります。
② 不安や迷いに振り回されにくくなる
ACTの特徴は、「不安を消すこと」を目標にしない点です。
- 不安がある → 行動できない
ではなく - 不安があっても → 行動は選べる
というスタンスになります。
そのため、 「気分が整わないと動けない状態」から抜け出せる
という大きなメリットがあります。
③ 自己理解が“現実ベース”で深まる
頭の中で考えるだけの自己分析ではなく、
- 実際に行動する
- その結果を振り返る
というプロセスを繰り返すため、 リアルな自分の価値観が見えてくるようになります。
「思っていた自分」と「実際の自分」のズレも自然と修正されていきます。
④ 継続力が高まる
目標ベースだと、
- 達成できない → モチベーション低下
- 終わった → 次が見えない
となりがちです。
一方、価値観ベースだと、 終わりがない“方向性”なので続けやすいのが特徴です。
たとえば「成長したい」という価値観であれば、
どんな小さな行動も意味を持ちます。
⑤ 自己肯定感が安定する
結果ではなく「価値観に沿って行動できたか」を基準にするため、
- 成功したかどうか
- 他人と比べてどうか
に左右されにくくなります。
その結果、 自分なりの納得感や満足感が積み重なるようになります。
⑥ ストレスとの付き合い方が上手くなる
ACTでは、ストレスやネガティブ感情を「排除するもの」ではなく、 「抱えながら生きるもの」として扱います。
そのため、
- ストレスを減らそうと無理する
- 感情に振り回される
のではなく、 ストレスがあっても前に進める状態を作ることができます。
ACTバリュートレーニングの10項目
アクセプタンス&コミットメント・セラピーにおけるバリュートレーニングでは、
「何を大切にして生きるか」を整理するために、いくつかの人生領域(ライフドメイン)に分けて価値観を考えるのが一般的です。これは、価値観の偏りを防ぎ、人生全体のバランスを見やすくするためです。
この10項目は、 価値観を見つけるための「地図」です。そして本当に重要なのは、 それぞれの領域で「どうありたいか」を決めて、行動することです。
- 健康
- 精神性
- 趣味・楽しみ
- 人間関係
- 仕事・キャリア
- 家族関係
- パートナーシップ
- 親として
- 自己成長
- 市民性
健康
健康とは、身体と心の状態に気づき、それらを整えながら大切に扱う価値観です。
単に不調を避けることではなく、 日々の生活の中で、自分を良い状態に保ち続けようとする姿勢に焦点があります。
健康の価値観は、次の3つで整理すると実践しやすくなります。
① どんな状態でいたいか(方向性)
- 心身ともに安定していたい
- 無理なくエネルギーを保ちたい
- 自分の調子に気づける状態でいたい
理想のコンディション(目指す方向)
② 自分をどう扱いたいか(価値観の核)
- 自分の体や心を丁寧に扱う
- 不調のサインを無視しない
- 無理を前提にしない
自分との向き合い方・スタンス
③ 日常の行動(具体化)
- 睡眠や食事を大切にする
- 無理をしすぎない
- ストレスに気づき、休息をとる
価値観を現実に落とす行動
精神性との違い(重要)
ここは混同しやすいポイントなので明確に整理します。
- 心の健康: 安定・回復のために心を整える
- 精神性: 人生の意味や充実のために心を深める
健康は「土台」、精神性は「深さ」に関わるイメージです。
精神性
精神性とは、内面的な充実や人生の意味、心の豊かさを大切にする価値観です。
ここで扱う「心」は、単なる感情の安定やストレス管理ではなく、 「どう生きるか」「何に意味を感じるか」といった、より深いレベルに関わります。
精神性も、健康と同じように3つの視点で整理すると実践しやすくなります。
① どんな内面でありたいか(方向性)
- 落ち着きや静けさを大切にしたい
- 意味や本質を感じながら生きたい
- 自分と深く向き合える状態でいたい
目指す心の在り方
② 何に意味や価値を感じるか(価値観の核)
- 人生の意味を探求する
- 自分なりの信念や哲学を持つ
- 美しさや本質に触れることを大切にする
自分の内面を形づくる軸
③ 日常の行動(具体化)
- 自然に触れて心を整える
- 芸術や音楽に触れる
- 瞑想や内省の時間を持つ
- 自分なりの人生観を育てる
内面の深さを育てる習慣
趣味・楽しみ
趣味や楽しみとは、人生に喜びや余白をもたらし、心を自由に動かすことを大切にする価値観です。
ここでは、 役に立つかどうかではなく「純粋に楽しいか」「心が動くか」が最も重要な基準になります。
① どんな時間を大切にしたいか(方向性)
- 心から楽しめる時間を持ちたい
- リラックスできる余白を確保したい
- 自分らしくいられる時間を大切にしたい
「どういう楽しみ方をしたいか」
② 何に喜びやワクワクを感じるか(価値観の核)
- 好奇心を満たす体験
- 没頭できる活動
- 心が軽くなる・自由になる感覚
「何に心が動くか」
③ 日常の行動(具体化)
- 好きなことに没頭する
- リラックスできる時間を持つ
- 新しい体験を楽しむ
人間関係
ここでの人間関係とは、家族以外の人とのつながりに関わる価値観です。
友人、職場の人、知人、地域や社会で関わる人など、幅広い対人関係を含みます。
この領域では、 「どんな人たちと、どんな関係を築きたいか」 「その中で自分はどう関わりたいか」の両方を考えることが重要です。
① どんな関係を大切にしたいか(方向性)
- 信頼できる関係を築きたい
- 安心して関われるつながりを持ちたい
- お互いに成長し合える関係でいたい
人間関係の理想や方向性
② どんな人たちと関わりたいか(価値観の対象)
- 誠実な人
- 前向きな人
- 自分を尊重してくれる人
どんな関係性の中に身を置きたいか
③ 自分はどう関わりたいか(行動)
- 誠実に接する
- 相手を尊重する
- 適切な距離感を保つ
自分が選べる行動の部分
仕事・キャリア
仕事・キャリアとは、社会の中でどのような役割を果たし、どのように自己実現していきたいかに関わる価値観です。
単に成果や地位を目指すのではなく、 「どんな仕事をするか」+「どんな姿勢で働くか」の両方が重要になります。
① どんな仕事・役割を担いたいか(方向性)
- どのような分野で働きたいか
- 社会にどんな形で関わりたいか
- どんな役割を果たしたいか
仕事における方向性や目的
② どんな姿勢で取り組みたいか(価値観の核)
- 誠実に仕事に向き合う
- 成長し続ける
- 責任を持って取り組む
- 周囲に貢献する
仕事に対するスタンス・在り方
③ どんな関係性・働き方を大切にしたいか
- 信頼できるチームで働く
- 協力し合える環境を大切にする
- 自分らしく働ける状態を重視する
職場での人間関係や働き方の価値観
家族関係
家族関係とは、自分が「家族」と感じる人とのつながりを大切にする価値観です。
ここでいう家族は、血縁に限らず、 心理的に「大切な存在」と感じる人も含まれます。
① どんな関係を大切にしたいか(方向性)
- 安心できる関係でいたい
- 支え合えるつながりを持ちたい
- 長く続く信頼関係を築きたい
家族関係の理想のかたち
② 家族をどう捉えたいか(価値観の核)
- 大切な存在として尊重する
- 当たり前と思わず感謝を持つ
- 一方的でなく、相互的な関係を大切にする
家族に対する基本的なスタンス
③ 自分はどう関わりたいか(行動)
- 支え合う
- 安心できる関係を築く
- 感謝や思いやりを伝える
日常の関わり方がそのまま関係をつくる
パートナーシップ
パートナーシップとは、特に親密で継続的な関係において、どのような関係を築き、どう関わっていきたいかに関わる価値観です。
一般的には恋人や配偶者を指しますが、 人生を共に歩む大切な相手として捉えれば、必ずしも恋愛関係に限定する必要はありません。
① どんな関係を築きたいか(方向性)
- 信頼できる関係でいたい
- 安心して本音を共有できる関係を築きたい
- お互いに支え合い、成長し合える関係でいたい
理想とするパートナーシップのかたち
② パートナーをどう捉えたいか(価値観の核)
- 対等な存在として尊重する
- 違いを受け入れる
- 一緒に歩む存在として大切にする
関係性の前提となるスタンス
③ 自分はどう関わりたいか(行動)
- 信頼関係を築く
- 本音で関わる
- 支え合いながら成長する
日々の関わり方が関係の質を決める
親として
親としての価値観とは、子どもとどのように関わり、どのように育てていきたいかに関わる価値観です。ここで重要なのは、 どんな結果に育てるかではなく、どんな親として在りたいかという視点です。
※子どもがいなくても、「誰かを育てる(遺伝以外でつないでいくもの)」と考えても良し
① どんな親でありたいか(方向性)
- 愛情を持って関わる親でいたい
- 子どもが安心できる存在でありたい
- 子どもの成長を支えられる親でいたい
目指す親としての在り方
② 子どもにどんな影響を与えたいか(価値観の核)
- 思いやりや誠実さを伝えたい
- 自分で考えられる力を育てたい
- 自己肯定感を持てるように関わりたい
「何を残したいか」という視点
③ 自分はどう関わりたいか(行動)
- 愛情を持って接する
- 一貫した態度で関わる
- 子どもの成長を尊重する
日々の関わり方がそのまま影響になる
自己成長
自己成長とは、自分の可能性を広げ、より良くなり続けようとする方向性の価値観です。
ここで大切なのは、 結果としてどれだけ成長したかではなく、成長し続けようとする姿勢そのものです。
① どんな自分でありたいか(方向性)
- 常に学び続ける人でいたい
- 変化を受け入れ、柔軟に成長したい
- 自分の可能性を広げ続けたい
目指す成長の方向性
② 何を伸ばしたいか(価値観の核)
- 知識やスキル
- 思考力や判断力
- 人間性や在り方
自分が大切にしたい成長の中身
③ 日常の行動(具体化)
- 学び続ける(読書・勉強など)
- 新しいことに挑戦する
- 自分を振り返る習慣を持つ
小さな積み重ねが成長をつくる
市民性(社会との関わり)
市民性とは、社会の一員としてどのように生き、どのように他者や社会と関わっていくかに関わる価値観です。ここでは、 自分の利益だけでなく、他者や社会全体にどう影響を与えるかという視点が重要になります。
① 社会とどう関わりたいか(方向性)
- 社会にとって意味のある存在でありたい
- 周囲と調和しながら生きたい
- より良い社会に貢献したい
社会との関係性の方向性
② どんな責任や意識を持ちたいか(価値観の核)
- 自分の行動に責任を持つ
- 他者や環境への影響を意識する
- 公平さや倫理観を大切にする
社会の中での自分の在り方
③ 日常の行動(具体化)
- 社会に貢献する
- 責任ある行動をとる
- 環境や周囲に配慮する
日常の選択がそのまま社会への関わりになる
ACTバリュートレーニングのワーク
動画はYouTubeメンバーシップコンテンツです。
YouTubeメンバーシップ動画のコメント欄にこのワークの【スライドのリンク】を貼っています。
コピーしてお使いください。Googleスライドです。
僕のカウンセリング・コーチングを受けている方はご興味があればお声掛けください。
個別に準備します。






