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多裂筋とは?役割・場所・働き・鍛え方・腰痛との関係まで解説

多裂筋(たれつきん)は、背骨のすぐ近くにある深層筋です。

大きな動きを生み出す筋肉というより、ひとつひとつの椎骨を安定させ、背骨の細かな動きをコントロールする役割を持っています。

腰部の安定性に関わる筋肉として注目されることが多く、体幹トレーニングやリハビリテーションでも重要視されています。

この記事では、多裂筋の場所、役割、働き、脊柱起立筋との違い、腰痛との関係、鍛え方、セルフケアまで詳しく解説します。

多裂筋とは?

多裂筋は、仙骨から頸椎にかけて背骨の両側に存在する深層筋です。

特に腰椎部で発達しています。

ひとつの筋束が数個の椎骨をまたぐように走り、背骨を細かく安定させます。

多裂筋はどこにある?

多裂筋は、脊柱起立筋よりも深い位置にあります。

おおまかには、

  • 背骨のすぐ両側
  • 腰椎の深部
  • 仙骨の上
  • 胸椎や頸椎の深部

に存在しています。

表面から直接触り分けるのは難しい筋肉です。

多裂筋の主な役割

1. 椎骨を安定させる

多裂筋の重要な役割は、ひとつひとつの椎骨を安定させることです。

腕や脚を動かしたときにも背骨が大きく崩れないように支えます。

2. 背骨を伸ばす

両側の多裂筋が働くと、脊柱の伸展を補助します。

ただし、脊柱起立筋のように大きな伸展動作を生み出すというより、細かな制御に向いています。

3. 背骨を回旋させる

片側の多裂筋が働くと、脊柱を反対側へ回旋させる働きがあります。

4. 姿勢を細かく調整する

座る、立つ、歩くといった動作では、背骨の各部分を微調整する必要があります。

多裂筋はこうした姿勢制御に関わります。

多裂筋と脊柱起立筋の違い

多裂筋

  • 背骨の深い位置にある
  • 椎骨単位の安定に関わる
  • 細かな姿勢制御を行う
  • 深層筋に分類される

脊柱起立筋

  • 多裂筋より表層にある
  • 背骨全体を伸ばす力が大きい
  • 体幹の大きな動きに関わる
  • 姿勢維持にも働く

両者は別々ではなく、協調して背骨を安定させています。

多裂筋と腹横筋の関係

多裂筋は、腹横筋、横隔膜、骨盤底筋群などとともに、体幹の安定に関わる筋肉として扱われることがあります。

腹横筋が腹部を包むように働き、多裂筋が後方から脊柱を支えることで、体幹全体の安定性を高めます。

多裂筋と腰痛の関係

腰痛がある人では、多裂筋の活動や筋量に変化がみられることがあります。

ただし、多裂筋が弱いことだけで腰痛が起こるわけではありません。

腰痛には、

など複数の要因が関係します。

そのため、「多裂筋を鍛えれば腰痛が治る」と単純に考えないことが重要です。

多裂筋が働きにくくなる原因

長期間の運動不足

体を動かす機会が少ないと、体幹の細かな安定機能が低下することがあります。

腰痛後の活動低下

痛みを避けて動かない状態が長く続くと、多裂筋を含む体幹筋の活動が低下する場合があります。

同じ姿勢の継続

長時間同じ姿勢を続けると、特定の筋肉だけに負担が集中します。

大きな筋肉に頼りすぎる

脊柱起立筋や股関節周囲筋だけで体を固める癖があると、深層筋の細かな制御を使いにくくなることがあります。

多裂筋の鍛え方

バードドッグ

四つ這いで、対角の腕と脚を伸ばします。

ポイントは、

  • 腰を反りすぎない
  • 骨盤を傾けない
  • ゆっくり動かす
  • 呼吸を止めない

ことです。

四つ這いでの片脚上げ

四つ這いのまま片脚を後方へ伸ばします。

背骨と骨盤を安定させる意識を持ちます。

デッドバグ

仰向けで手足を動かしながら、体幹を安定させる運動です。

多裂筋だけでなく、腹横筋などとの協調を高めます。

軽いヒップヒンジ

背骨の位置を保ちながら股関節を曲げる練習です。

腰を過度に曲げたり反らしたりせず、体幹を安定させます。

多裂筋を鍛えるときの注意点

強く力みすぎない

多裂筋は細かな安定を担う筋肉です。

全身を固めるほど強く力む必要はありません。

呼吸を止めない

呼吸を止めると、体幹を過剰に固めやすくなります。

ゆっくり呼吸しながら行います。

痛みを我慢しない

腰痛が強い状態で無理に体幹トレーニングを続ける必要はありません。

多裂筋のセルフケア

1. こまめに姿勢を変える

同じ姿勢を長時間続けないことが基本です。

2. 軽い歩行を取り入れる

歩行では、体幹と骨盤の細かな安定が必要になります。

無理のない範囲で日常的に体を動かします。

3. 背骨を適度に動かす

痛みのない範囲で前後・左右・回旋方向へ動かします。

4. 体幹を固めすぎない

常にお腹や背中へ力を入れ続ける必要はありません。

必要な場面で適切に安定させることが重要です。

多裂筋を直接強く揉む必要はない

多裂筋は背骨の深い位置にあります。

表面から強く押しても多裂筋だけを狙うことは難しく、骨や周辺組織に痛みを出すことがあります。

セルフケアでは運動と姿勢変化を優先します。

受診を検討した方がよい症状

  • 足のしびれ
  • 筋力低下
  • 排尿・排便の異常
  • 発熱を伴う腰痛
  • 転倒後の強い腰痛
  • 夜間も強く痛む
  • 痛みが長期間改善しない

こうした場合は、筋肉の問題だけと決めつけないことが重要です。

多裂筋について覚えておきたいポイント

  • 多裂筋は背骨の深層筋
  • 特に腰椎部で発達している
  • 椎骨単位の安定に関わる
  • 細かな姿勢制御を行う
  • 脊柱起立筋とは役割が異なる
  • 腹横筋などと協調して体幹を安定させる
  • バードドッグなどで鍛えられる
  • 腰痛は多裂筋だけで説明できない

まとめ

多裂筋は、背骨のすぐ近くにある深層筋で、椎骨を細かく安定させる重要な役割を持っています。

大きな筋力を発揮するより、姿勢や動作の中で背骨を適切にコントロールすることが得意な筋肉です。

トレーニングでは、重い負荷よりもバードドッグやデッドバグなどで体幹を安定させながら手足を動かす練習が適しています。

腰痛がある場合は、多裂筋だけを原因と考えず、症状が強い場合や神経症状を伴う場合は医療機関で原因を確認することが大切です。

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