若き日のバフェットが、金物卸会社マーシャル・ウェルズの株主総会に出席したときの話です。
そこで、バフェットの師ベンジャミン・グレアムの盟友だった投資家ルイス・グリーンと知り合います。グリーンから、
「なぜマーシャル・ウェルズを買った?」
と聞かれ、バフェットは、
「ベン・グレアムが買ったから」
と答えました。
するとグリーンはバフェットの顔を見て、
「ワン・ストライク(One strike)」
と言った。意味するところは、
「ウォーレン、自分の頭で考えろ」
でした。
バフェットはこのときのグリーンの目つきと言葉を「一生忘れられない」と振り返ったとされています。
バフェットはマーシャル・ウェルズをまったく調べていなかったわけではありません。
自分なりの分析もしていました。
それでも「なぜ買った?」への答えとして「グレアムが買ったから」を出してしまった。
それをグリーンが即座に咎めた、というエピソードです。
これは先ほどの
「何も考えていない参加者が多い集団に加わること。自分の頭で考えること」
という話とも、かなり直接的につながっています。
バフェットにとって「権威者が買ったから」すら投資理由にはならない、という原体験の一つです。
