※アフィリエイト広告を利用しています

夜明けの光を再現すると、認知機能と気分が向上する?【2013年研究】

睡眠を6時間に制限した翌朝に、目覚める30分前から徐々に明るくなる光を浴びた条件では、薄暗い光や青色LEDの条件と比べ、気分やwell-beingが良好になりました。

認知機能については、1回目の睡眠制限後には夜明けを再現した光で改善がみられましたが、2回目の睡眠制限後には光条件による有意な差は認められませんでした。

また、夜明けを再現した光では、青色LEDでみられたようなメラトニンコルチゾールの概日リズムの位相前進はみられず、研究者らは概日リズムへの影響が小さいと結論づけています。

参考:Effects of artificial dawn and morning blue light on daytime cognitive performance, well-being, cortisol and melatonin levels
【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。[ ]のメモは僕の意見・感想です】

スポンサーリンク

内容の信頼性:7/10

研究の強みは、同じ参加者が3種類すべての光条件を経験するバランス型クロスオーバー試験であることです。各条件の間は少なくとも2週間空けられ、窓のない実験室で光や睡眠時間などが厳密に管理されています。研究者自身も、厳密に管理された実験環境と参加者の選定基準を研究の強みとして挙げています。

評価を7点とした主な理由は、解析対象が17人で、全員が20~33歳の健康な男性だったことです。
また、夜明けを再現した光と青色LEDでは、光の強さ、波長、照射する時刻が異なっています。青色LEDについては、同じ時刻・同じ照射時間の対照条件がなく、眠気は照射40分後、気分と認知機能は照射10分後に測定されており、照射中の測定ではありませんでした。
研究者らも、実生活では屋外光や社会生活、ほかの人工照明の影響が加わるため、今回の結果をそのまま実生活へ当てはめる際には注意が必要としています。

研究はフィリップス・コンシューマー・ライフスタイルの支援を受けており、著者の1人は同社に所属しています。論文では、著者らは利益相反はないと申告しています。

何の研究か?

朝に浴びる光の種類によって、睡眠不足時の認知機能、眠気、気分、well-being、メラトニン、コルチゾールがどう変化するかを調べた研究です。

最初に18人の健康な若年男性が選ばれましたが、1人はEEG記録の質と認知テストへの不遵守を理由に解析から除外され、17人が解析対象となりました。年齢は20~33歳、平均23.12±0.82歳でした。

参加者は、それぞれ48時間の実験を3回行いました。各実験の間隔は少なくとも2週間で、それぞれの実験では6時間睡眠を2晩行い、その翌朝に次のいずれかの光条件を経験しました。

  • 夜明け再現光(DsL):起床30分前から光が徐々に強くなり、0~250 luxまで上昇。起床後20分まで照射。
  • 青色LED(BL):起床2時間後から、470 nm・100 luxを20分間照射。
  • 薄暗い光(DL):起床時から2時間、8 lux未満。対照条件。

認知機能テストは起床30分後から始まり、2時間ごとに実施されました。眠気などの質問票と、唾液中のメラトニンとコルチゾールも測定されました。

研究した理由は?

それ以前の研究では、夜明けを再現する光によって、起床直後の眠気やwell-beingが改善する可能性が示されていました。

研究者らによると、それまでの研究デザインでは、起床直後にみられた効果が、その後の日中の認知機能やwell-beingにまで続くのかを検証できていませんでした。

そこでこの研究では、睡眠時間を6時間に制限した条件を作り、朝の夜明け再現光が、部分的な睡眠不足による日中の覚醒度や認知機能の低下を補えるかを調べました。

結果はどうだったか?

評価項目夜明け再現光(DsL)青色LED(BL)薄暗い光(DL)主な結果
認知機能:1回目の6時間睡眠後有意に改善ほぼ維持低下DsLはBLより有意に良好。BLとDLには有意差なし
認知機能:2回目の6時間睡眠後光条件による有意差なし光条件による有意差なし光条件による有意差なし3条件間で有意差は認められなかった
気分・well-beingより良好DsLより低いDsLより低いDsL後では、DL・BLより気分やwell-beingが良好だった
メラトニン分泌開始時刻21時38分 ± 17分21時20分 ± 19分21時50分 ± 23分BLはDLより有意に早かったp=0.003)。BLとDsLの比較はp=0.05。DsLでは有意な位相変化なし
起床後最初の1時間のコルチゾール31.99 ± 2.13 ng/mL
有意に高い
22.96 ± 1.49 ng/mL20.35 ± 1.43 ng/mLDsLは他の2条件より有意に高かったF(2,32)=15.65、p<0.0001
効果の持続主観的well-being、気分、緊張感、認知機能への影響が確認された研究者らは、DsLの影響が最大18時間続く可能性を報告し

夜明け再現光(Dawn Simulation Light:DsL)**とは、日の出のように、起床前から少しずつ明るくなる人工照明のことです。
この論文では、起床30分前から光を徐々に強くし、0 luxから250 luxまで明るくする方法が使われています。起床後も20分間照射されました。つまり、突然強い光を当てるのではなく、朝日が昇るように徐々に明るくして目覚めを促す光です。

認知機能

1回目の6時間睡眠後では、日中の認知機能は薄暗い光(DL)条件では低下し、青色LED(BL)ではほぼ維持され、夜明け再現光(DsL)では有意に改善しました。

詳しい解析では、DsL後の認知機能はBL後より有意に良好で、BLとDLの間には差が認められませんでした。

2回目の6時間睡眠後では、光条件による認知機能の有意差は認められませんでした。

気分・well-being

研究全体の時間経過を解析すると、夜明け再現光の後では、気分やwell-beingが薄暗い光や青色LEDより良好でした。

研究者らは、夜明け再現光による主観的なwell-being、気分、緊張感、認知機能への影響が、光を浴びてから最大18時間持続する可能性を報告しています。

メラトニン

夜にメラトニン分泌が始まった時刻は、

青色LED:21時20分 ± 19分
薄暗い光:21時50分 ± 23分
夜明け再現光:21時38分 ± 17分

でした。

青色LEDでは、薄暗い光と比べて有意に早まりました(p=0.003)。夜明け再現光との比較はp=0.05でした。

夜明け再現光では、メラトニンの位相の有意な変化は認められませんでした。

コルチゾール

起床後最初の1時間の唾液中コルチゾール濃度は、

薄暗い光:20.35 ± 1.43 ng/mL
青色LED:22.96 ± 1.49 ng/mL
夜明け再現光:31.99 ± 2.13 ng/mL

でした。

夜明け再現光では、ほかの2条件より起床時のコルチゾールが有意に高くなりました(F(2,32)=15.65、p<0.0001)。


発表者(論文著者)
ヴィルジニー・ガベル、ミシュリーヌ・メール、キャロリン・F・ライヒェルト、サラ・L・チェラッパ、クリスティーナ・シュミット、ヴァニャ・ホンメス、アントワーヌ・U・ヴィオラ、クリスチャン・カヨヘン

所属機関

  • バーゼル大学精神科病院・時間生物学センター(スイス・バーゼル):ガベル、メール、ライヒェルト、チェラッパ、シュミット、ヴィオラ、カヨヘン
  • ITヴィタライト I&D PC ドラハテン/フィリップス・コンシューマー・ライフスタイル(オランダ・ドラハテン):ホンメス

Gabel et al. (2013). Effects of Artificial Dawn and Morning Blue Light on Daytime Cognitive Performance, Well-being, Cortisol and Melatonin Levels. Chronobiol Int, 30(8), 988–997.

タイトルとURLをコピーしました