AIDMAは、消費者が商品やサービスを知り、購入するまでの心理変化を5段階で整理したモデルです。
A:Attention → I:Interest → D:Desire → M:Memory → A:Action
企業側は、消費者がどの段階にいるかを考え、その段階に合った広告や情報提供を行います。
| 各段階 | 意味 |
|---|---|
| Attention:注意 | 商品を知り、注意を向ける |
| Interest:興味 | 興味を持つ |
| Desire:欲求 | 欲しいと感じる |
| Memory:記憶 | 商品やブランドを記憶する |
| Action:行動 | 購入・申込みなどの行動を起こす |
1. Attention:注意
商品やサービスの存在を知ってもらう段階です。
消費者は、商品を知らなければ興味を持つことも購入することもありません。そのため、まずは目に留まることが必要です。
主な施策
- テレビCM
- Web広告
- SNS広告
- 看板や交通広告
- 店頭ディスプレイ
- キャッチコピー
- プレスリリース
例
「新しい掃除機が発売された」という広告を見て、商品の存在を初めて知る。
2. Interest:興味
商品を知った消費者が、「これは何だろう」「少し気になる」と感じる段階です。
Attentionでは単に存在を認識しただけですが、Interestでは商品について詳しく知ろうとします。
主な施策
- 商品の特徴を説明する
- 写真や動画を見せる
- 消費者の悩みを提示する
- 商品が必要になる場面を伝える
- 分かりやすいメリットを示す
例
「吸引力が強い」「コードレスで軽い」といった特徴を見て、詳しく調べ始める。
3. Desire:欲求
商品に興味を持った消費者が、「自分も欲しい」「使ってみたい」と感じる段階です。
この段階では、商品の機能を理解するだけでなく、自分にとって価値があると感じることが重要です。
主な施策
- 使用後のメリットを具体的に示す
- 利用者の口コミを掲載する
- 導入事例を紹介する
- 他の商品との違いを伝える
- 限定性や希少性を示す
- 無料体験やサンプルを提供する
例
「この掃除機なら、毎日の掃除時間を短縮できそう」と考え、欲しいと思う。
4. Memory:記憶
商品を欲しいと思っても、消費者がすぐに購入するとは限りません。
価格を比較したり、家族に相談したり、給料日まで待ったりすることがあります。そのため、購入するタイミングまで商品名やブランドを覚えてもらう必要があります。
主な施策
- 広告を繰り返し表示する
- 覚えやすい商品名やロゴを使う
- 印象的なキャッチコピーを使う
- メールやSNSで再度接触する
- リターゲティング広告を出す
- お気に入り登録を促す
例
すぐには購入しないものの、商品名を覚えておき、後日もう一度検索する。
5. Action:行動
最終的に、消費者が購入や申込みなどの具体的な行動を起こす段階です。
商品を欲しいと思っていても、購入手続きが複雑だったり、送料が高かったりすると、行動につながらないことがあります。
主な施策
- 購入ボタンを分かりやすくする
- 購入手続きを簡単にする
- クーポンを提供する
- 送料無料にする
- 返品保証を付ける
- 問い合わせ窓口を設ける
- 「今すぐ購入」などの案内を明確にする
例
ECサイトで商品を注文する、店舗で購入する、資料請求をする。
具体例:英会話スクール
| 段階 | 消費者の心理 | 企業の施策 |
|---|---|---|
| Attention | 英会話スクールの広告を見た | SNS広告を配信する |
| Interest | レッスン内容が気になる | 講師やカリキュラムを紹介する |
| Desire | 自分も英語を話せるようになりたい | 受講者の成功事例を掲載する |
| Memory | 忙しいので後で検討しよう | メールや広告で再度案内する |
| Action | まず体験してみよう | 無料体験への申込みボタンを設置する |
AIDMAを使う目的
AIDMAを使うと、「広告を出したのに売れない」という問題を段階ごとに分析できます。
たとえば、次のように考えます。
- 商品が知られていない
→ Attentionに問題がある - 商品ページは見られているが欲しいと思われていない
→ Desireに問題がある - 欲しいと思われているが忘れられている
→ Memoryに問題がある - 購入直前で離脱されている
→ Actionに問題がある
このように、購買プロセスのどこで消費者が止まっているのかを整理できます。
AIDMAの特徴
AIDMAは、広告や店頭で商品を知り、その後に購入するという比較的直線的な購買行動を想定しています。
特に次のような商品と相性があります。
- 家電
- 自動車
- 住宅
- 保険
- 化粧品
- 高価格の商品
- 購入までに検討時間が必要な商品
消費者が商品を知った後、比較や検討を行い、一定期間記憶してから購入するケースに適しています。
AIDMAの限界
現在の消費者は、SNSで口コミを調べたり、比較サイトを確認したり、購入後に情報を発信したりします。
AIDMAには、次の行動が明確には含まれていません。
- インターネット検索
- 口コミの確認
- 商品比較
- SNSでの共有
- 購入後のレビュー
- リピート購入
そのため、WebマーケティングではAIDMAだけでなく、AISASなどのモデルも使われます。
AISASとの違い
| AIDMA | AISAS |
|---|---|
| Attention | Attention |
| Interest | Interest |
| Desire | Search |
| Memory | Action |
| Action | Share |
AISASでは、興味を持った後に消費者が自分で検索し、購入後に情報を共有する点が重視されています。
AIDMAは「消費者の心理変化」を理解するための基本モデル、AISASは「インターネット上の行動」を含めたモデルとして使い分けられます。
感想と考察
マーケティングフレームワークのAIDMAは、どちらかというと古典的なフレームワークなのかなと思います。今であれば、AIDCASなど、いろいろなものが出ていますよね。他にもたくさんあると思いますが、今はちょっと具体例がぱっと出てきません。
いろいろなマーケティングフレームワークを知っていったうえで思うのは、結局、AIDMAでいいのかなというところですね。以前は、複雑なものであればあるほどいいのかなと思っていた時期もありました。
ですが、マーケティングに限らず、あらゆるものは試行錯誤のうえで成り立っていきます。なので、マーケティングでいえば、AIDMAを土台として、そこから試行錯誤を重ね、自分なりのフレームワークを作っていくほうがいいのかなと、最近は感じています。
他のフレームワークは、仮説検証をするときに参考にするくらいでいいのかなというところですね。自分が何を見ようとしているのか、どのような問いを自分に投げかけられていないのかに気づくためです。言ってみれば、クリティカルシンキングにつながるところがあるからですね。

