後悔しない寝室の温度設定。室温は21度が最適である3つの根拠

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睡眠

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みなさんにお聞きします。どちらが正解だと思いますか?

①夜寝るときは暖かくして眠った方が良い。
②夜寝るときは涼しくして眠った方が良い。

以前の僕は「暖かくして眠ること」が正解だと考えていました。
「寝るときは体を冷やさないように暖かくして寝なさい」と、両親だけではなく、さまざまな人から聞いたことがあるからです。

でも、実際には体を冷やしていくことが大事です。
つまり質問の答えは、
「②夜寝るときは涼しくして眠った方が良い」です。

野上しもん 上級睡眠健康指導士
・岡山県
・メンタルコーチ/講師/作家
・400人以上カウンセリング
・5年以上のうつ病と29年間の不眠症を改善
・双極性障害
・YouTubeチャンネル登録9,000以上
・趣味:ランニング・運動・読書・話すこと
著書「眠れない理由を知って眠れる方法を知れば安眠。」

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ぐっすり深く眠る重要な1つのポイントは「深部体温」

人が眠るときに重要な1つのポイントが深部体温です。
深部体温とは、脳や臓器などの体の中心の体温のことです。
人は深部体温が冷えていくことで、僕たちは深い睡眠に入っていきます。
深部体温はだいたい午前2~4時に下がりきって、朝の起床に向けて上がって行きます。
つまり、深い睡眠には深部体温を下げていくことが大切なのです。

このような経験はありませんか?

・冬にこたつで横になっていると、いつの間にか寝てしまうけど、すぐに目が覚めてしまう
・暖房で暖かくしていると眠くなるけど、1~2時間で目が覚めてしまう
・暖かくしていると寝つきはよくなるんだけど、目が覚めてしまう

寝つきだけを見れば、「涼しくして寝る」「暖かくして寝る」のどちらが良いかは個人差があります。
涼しくして寝ることで深部体温が下がり、睡眠が深くなっていくので寝つきがよくなります。

ただ、暖かくして寝ることで、体の力がゆるみ、リラックスして、眠れることがあります。
しかし、暖かくして寝ると、深部体温が下がらないため、睡眠は深くなりません。
僕の場合は自分にあう涼しい室温(21度前後)を見つけることで、熟睡しやすくなりました。

では、どのくらいの室温が良いのでしょうか?

おすすめの室温は20~22度ぐらい

おすすめの室温は20~22度ぐらいです。
良好な寝室環境の目安の温度と湿度は、
日本睡眠教育機構によると16~26度、湿度は50~60%ほどです[i]
全米の優れた病院2018-2019年度でランキング1位となったメイヨークリニックでは約15.6~21.1度。[ii]
ハーバード大学の2023年の研究では高齢者は20~25度が理想的と伝えています。[iii]

つまり、全体的に「20~22度」のあたりに最適な室温があると考えられます。
寒さに強い方は20度ぐらい、寒さに弱い方は22度ぐらいをいったん目安にするのがおすすめです。

日本睡眠教育機構の室温が26度とやや高めの数値がでているのは、季節によってパジャマや寝具が変わるのを想定しているためです。
夏の場合で、半袖のパジャマとブランケットで寝るときは26度ほど。
冬の場合で、長袖のパジャマと布団で寝るときは16~19度ほどと伝えています。
当然と言えば当然ですが、パジャマや寝具によって適切な室温も変わってきます。

快眠生活を送るコツは「季節によって室温を変化させないこと」

安眠生活を送るためにおすすめなのが「季節によって室温を変化させないこと」です。
季節によって、室温を変化させず、パジャマも同じタイプのものを年中使うこと。
室温とパジャマを変化させないことで、寝るときの条件を年中そろえていきます。
そうすることで、1年通して安定的に眠りやすくなります。

睡眠は規則的な習慣で整えていくと安定しやすいからです。

現実的には、季節にかかわらず室温をきちっとコントロールするのは難しいので、厳密にこだわりすぎないことも大事です。
室温は目安程度に見ておきましょう。

寝具ではなく、室温で管理することが大事な理由

寝具だけで温度管理しすぎると、

・熱がこもりすぎて深部体温が下げ切れず、深い睡眠になりにくい
・ベッドと部屋の温度の差が大きくなり、心臓や血管に疾患が起こるヒートショックが起きやすくなる
・冬に寒い布団から出るのにストレスがかかる
などの問題があるからです。

僕の場合であれば、眠るときは
・季節問わず室温は21~22度。
・パジャマはやや薄手の長袖長ズボン。
・掛け布団は心地よい重さのものを1枚
と、ある程度統一しています。

雪が降ったりして寒くなると、もう一枚掛け布団を掛けますが、基本は自分が眠れる環境を変えないようにしています。
この条件であれば、ホテルなどに泊まるときにも使いやすいので気に入っています。
寝具に触れたので「パジャマ」と「掛け布団」のポイントをお伝えしておきます。

パジャマと掛け布団の4つのポイント

①肌ざわりが良いこと

 肌ざわりに不快感がないことは、睡眠を阻害する原因を1つ失くすことになります。

②通気性が良いこと

深部体温を下げるのに、熱を逃がしやすくするためです。
同じ理由で、裸足で眠ったほうが深部体温を下げやすくなります。ただソウル国立大学2018年の研究では、ナイトソックスを履くことで睡眠の質が上がったとあります。[iv]
冷え性の方などはナイトソックスで眠りがどうなるかを試してみるのはおすすめです。

③似たものを購入しやすいこと

高価で特別なパジャマや掛布団に慣れてしまうと、継続することが難しくなるためです。

④(掛け布団の場合は)心地よい重さを感じること

特に不安症がある人は布団に重さがあると眠りやすくなります。重
さがあることで包まれて守られている感覚が得られ、不安が軽くなるからです。
眠れる寝具として「加重ブランケット」があります。

加重ブランケットとは、約5~7キロの重いブランケットのことです。
スウェーデン大学2020年の研究では、加重ブランケットはうつ病の人・双極性障害の人・不安障害の人・注意欠陥多動性障害の人などの不眠症に効果があったと報告しています。[v]

加重ブランケットのデメリットとしては、重いので洗濯などの管理が面倒であることです。
ただ重いことによる管理が特に問題なければ、取り入れてみるのはおすすめです。

湿度は約50~60%。湿度が高すぎると「無効発汗」につながる

日本睡眠教育機構によると、眠りやすい湿度は約50~60%です。
喉や肌がうるおった方が眠りやすい方は、もう少し湿度をあげても良いかもしれません。
ちなみに僕の場合は65%ぐらいが心地よく眠れます。

50%以上など、ある程度の湿度を保つことは大切です。
ただ湿度が高すぎると深部体温を下げにくくなるので注意が必要です。
じめじめした夏の夜に、暑くて寝苦しい体験はほとんどの人がしたことあると思います。

肌にまとわりつくような汗は不快感がありますよね。
この肌にまとわりつくような汗が睡眠を妨害しています。

暑い時に汗をかく理由はもちろん「体温を下げるため」です。
でも、肌にまとわりつくような汗は、体温を下げてくれない「無効発汗」である可能性が高いです。
なぜまとわりつく汗が体温を下げてくれないのかというと、汗は水分から気体へ気化(蒸発)するときの気化熱によって、体の熱を奪って体温を下げるからです。
つまり、汗で体温を下げるには、汗が気化することが大事です。

湿度が高いと、汗が気化しにくくなり、肌にまとわりつくようになります。
気化しにくいため、「体の体温をさげることができずに暑い」「暑いので、さらに汗がでてくる」「汗がまとわりついて不快」「のどが渇く」となり、寝苦しくなります。 湿度は、呼吸器系と肌が心地よいぐらいで、汗がスムーズに気化することが大切です。


参考資料

[i] 日本睡眠教育機構 [健康・医療・福祉のための睡眠検定ハンドブック up to date]2022/5/19

[ii] mayoclinichealthsystem [Sleep is the foundation for healthy habits]  https://www.mayoclinichealthsystem.org/hometown-health/speaking-of-health/sleep-is-the-foundation-for-healthy-habits

[iii] zenger [Harvard Scientists Find Ideal Temperature To Help Older People Sleep]https://www.zenger.news/2023/08/28/harvard-scientists-find-ideal-temperature-to-help-older-people-sleep/

[iv] Ko Y, Lee JY. Effects of feet warming using bed socks on sleep quality and thermoregulatory responses in a cool environment. J Physiol Anthropol. 2018 Apr 24;37(1):13. doi: 10.1186/s40101-018-0172-z. PMID: 29699592; PMCID: PMC5921564.

[v] Ekholm B, Spulber S, Adler M. A randomized controlled study of weighted chain blankets for insomnia in psychiatric disorders. J Clin Sleep Med. 2020 Sep 15;16(9):1567-1577. doi: 10.5664/jcsm.8636. PMID: 32536366; PMCID: PMC7970589.

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