最近、子どもが夜なかなか寝つけなかったり、眠りが浅かったりと「不眠症」に悩むケースが増えています。不眠症は大人だけでなく、成長過程にある子どもにも深刻な影響を及ぼす可能性があるため、早めの対処が重要です。子どもの不眠は、身体の成長や脳の発達、学習能力、情緒の安定に悪影響を与えかねません。
本記事では、子どもの不眠症の原因や症状、そして家庭で実践できる対策方法について詳しく解説します。
野上しもん
・29年間の睡眠障害を克服
・5年以上の双極性障害とうつを克服
・上級睡眠健康指導士
・メンタル心理カウンセラー
・食生活アドバイザー
・YouTube「メンタルコーチしもん」登録数1.3万
著書
・眠れない理由を知って眠れる方法を知れば安眠
・脱・中途覚醒 “夜中に目覚める”悩みが消える
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子どもの不眠症の原因
1. ストレスや不安
学校生活や家庭環境の変化、新しい友人関係など、子どもが感じるストレスや不安も不眠症の原因になります。特に思春期に入ると、心身の変化や学業、対人関係のプレッシャーにより、不安感が増し、寝つきにくくなることがあります。
2. デジタル機器の使用
スマホやタブレット、ゲーム機などのデジタル機器の使用は、睡眠に悪影響を与える大きな要因です。デジタル機器から発せられるブルーライトは、脳の覚醒を促し、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を妨げてしまいます。特に寝る前に使用すると、体内時計が狂いやすく、夜になかなか眠れなくなることが多いです。
3. 生活リズムの乱れ
休日に夜更かしをしたり、長期休暇中に生活リズムが乱れたりすることも、子どもの不眠症の原因になります。不規則な生活が続くと、体内時計が正常に働かなくなり、寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目を覚ますようになったりします。
4. 就寝環境が整っていない
寝室の温度や照明、音など、睡眠環境が不適切だと子どもが眠りにくくなります。寝室が明るすぎたり、騒音が多かったりすると、睡眠が妨げられることがあります。また、寝具の硬さや素材が合わないと、体がリラックスできずに眠りが浅くなることもあります。
5. 過度な食事やカフェイン摂取
就寝前に多量の食事を摂ると、消化活動が活発になり、体が休まらず寝つきにくくなります。また、カフェインを含む飲み物や食べ物(コーヒー、コーラ、チョコレートなど)も、覚醒作用があるため、眠りを妨げる原因になります。
子どもの不眠症の症状
子どもの不眠症には以下のような症状が見られます。複数の症状が長期間続く場合、不眠症が疑われるため、早めの対策が必要です。
- 寝つきが悪い:ベッドに入ってもなかなか眠れない、眠りに入るまでに30分以上かかる。
- 夜中に目が覚める:夜中に何度も目を覚まし、その後再入眠が難しい。
- 朝早く目が覚めてしまう:早朝に目が覚め、その後眠れなくなる。
- 日中の疲労や集中力の低下:睡眠不足が続くことで、日中に疲労感や集中力の低下が見られる。
- 情緒不安定やイライラ:睡眠不足による影響で、情緒が不安定になり、イライラしたり感情が不安定になる。
子どもの不眠症がもたらすリスク
子どもにとって、睡眠不足や不眠は心身の成長に大きな影響を及ぼします。具体的には以下のリスクが考えられます。
1. 成長ホルモンの分泌が減少する
子どもは、成長ホルモンの分泌が活発になることで骨や筋肉が発達し、身体的な成長が促進されます。不眠症によって深い眠りが妨げられると、成長ホルモンの分泌が低下し、成長に支障をきたす可能性があります。
2. 学習能力と集中力の低下
睡眠不足は、記憶の定着や集中力の向上を妨げる原因となります。子どもが十分に眠れていないと、学校での集中力が低下し、学習意欲も落ちてしまいます。また、記憶の整理が行われないため、勉強の成果が得にくくなることもあります。
3. 免疫力の低下と体調不良
睡眠は免疫システムの強化に欠かせない要素です。不眠が続くことで免疫力が低下し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。さらに、体調が優れないと気分も落ち込みやすくなるため、長期的な健康面でのリスクが高まります。
子どもの不眠症対策と改善方法
1. 規則正しい生活リズムを確立する
規則正しい生活リズムは、子どもがスムーズに眠りにつくために非常に重要です。毎日同じ時間に起きて、同じ時間に寝るリズムを作ることで、体内時計が整い、自然と眠気が訪れるようになります。
- 起床時間を一定に保つ:休日も同じ時間に起きるようにすると、体内リズムが安定します。
- 朝の光を浴びる:朝起きたら日光を浴びることで、体内時計がリセットされ、夜も眠りやすくなります。
2. 寝る前のルーティンを作る
寝る前のリラックスしたルーティンを作ることで、自然に入眠しやすくなります。決まった行動を繰り返すことで体が「寝る準備」に入るため、寝つきがスムーズになります。
- お風呂に入る:ぬるめのお湯でリラックスすることで、体温が徐々に下がり、眠りやすくなります。
- 絵本の読み聞かせ:穏やかなトーンで絵本を読み聞かせると、子どもが安心して眠りにつきやすくなります。
3. デジタルデトックスを取り入れる
寝る前にスマホやタブレット、テレビを使わないようにしましょう。デジタル機器の使用は脳を刺激し、睡眠ホルモンの分泌を抑えてしまいます。就寝の1〜2時間前にはデジタル機器を遠ざけ、代わりに読書や親子の会話などリラックスできる活動を行いましょう。
4. 快適な寝室環境を整える
睡眠環境が整っていることは、不眠症対策に非常に重要です。寝室の温度や湿度、照明に気を配り、快適な環境で眠れるように工夫しましょう。
- 適切な温度と湿度:室温は20〜22度、湿度は50〜60%程度が理想です。
- 遮光カーテンや暗い照明:就寝前には暗い環境にすることで、メラトニンの分泌が促され、眠りやすくなります。
- 静かな環境:周囲の音が気になる場合は、ホワイトノイズやリラックス音楽を利用すると良いでしょう。
5. 就寝前の食事や飲み物に注意する
夕食は寝る2〜3時間前までに済ませ、カフェインを含む飲み物や刺激の強い食事は避けるようにしましょう。カフェインは覚醒作用があるため、眠りを妨げる原因になります。
- 消化の良い軽めの食事:夜遅い時間に重い食事を摂ると、消化が活発になり、寝つきにくくなります。
- カフェインの摂取制限:午後以降はカフェインを含む飲み物を控え、温かいミルクやハーブティーなどを選びましょう。
子どもの不眠症に関するよくある質問
Q1. 子どもが寝つけない場合、親はどうすればいいですか?
子どもが寝つけない場合は、焦らずにリラックスできるようサポートしましょう。無理に寝かせようとするのではなく、深呼吸や絵本の読み聞かせなどで安心感を与え、リラックスした環境で過ごすように心がけてください。
Q2. 子どもが夜中に何度も起きるのは不眠症の一種ですか?
夜中に何度も目が覚める場合も不眠症の一種です。快適な寝室環境や、規則正しい生活リズムを整えることで改善できることが多いため、環境面を見直してみましょう。
Q3. 子どもの不眠症が長引く場合、どうしたら良いですか?
家庭での対策を行っても不眠が続く場合は、専門の医師に相談することも検討しましょう。小児科や睡眠専門のクリニックで適切なアドバイスを受けることで、改善が期待できます。
まとめ:子どもの健やかな成長のために不眠症を早めに対処しよう
子どもの不眠症は、成長や健康、学習能力に大きな影響を与える可能性があります。規則正しい生活リズム、リラックスできるルーティン、快適な寝室環境の整備など、家庭でできる対策を実践することで、不眠症の改善が期待できます。
睡眠の質を向上させ、子どもが毎日元気に過ごせるよう、親子で取り組んでいきましょう。長引く場合は専門の医師に相談することも視野に入れ、子どもの健やかな成長をサポートしていきましょう。
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