失った自信を取り戻した方法:「自信を捨て去ったら、ネガティブ思考が消えた」

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「どうしてうまくいかないんだろう?」
うつがなかなか回復しないことに、僕は自信を失くしていました。
双極性障害のうつ症状が改善しないことは、「自分がダメだから」と思うことが多かったからです。
うつを改善していこうと考えても、どう考えれば良いがよく分かりませんでした。

本を読んだり、参考になる動画を見たり、お医者さんなどにアドバイスをもらったりしても、なかなか改善していきません。
そもそも読んだ本、見た動画、お医者さんのアドバイスをあまり覚えていないんです。
どうして自分は学んだことを忘れてしまって、いつも振り出しになるんだろうと思っていました。

でも、原因はとても単純なことだと気づいたんです。

そもそも、知識や情報を得たとしても、行動せずに使っていなかったんです。
その時に知っただけで、使っていないんだから、覚えてないのも当たり前ですよね。
ちゃんとを使っていないんだから、「どうしてうまくいかないんだろう?」という話ですらなかったんです。

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野上しもん
・29年間の睡眠障害を克服
・5年以上の双極性障害とうつを克服
・上級睡眠健康指導士
・メンタル心理カウンセラー
・食生活アドバイザー
YouTube「メンタルコーチしもん」登録数1.3万
著書
眠れない理由を知って眠れる方法を知れば安眠
脱・中途覚醒 “夜中に目覚める”悩みが消える
12歳になるまでに読みたい 「子どもの睡眠」

今できないことではなく、今日できることを選ぶ

僕が知識や情報を使わずに行動していない理由も、単純なものでした。

そもそも、自分ができないものだったり、続けられないものが多かったんですよね。
例えば、認知行動療法が大切だとは知っていたんですが、当時知っていた認知行動療法のやり方って一人でやるには時間がかかるし、毎日行うのが僕には難しかったんですよね。

あと、まだ双極性障害や強いうつ症状で苦しんでいたのに、対人関係や仕事について調べることもあったんです
でも、その時の僕にとって、仕事や対人関係は早くても数ヶ月後の話になってくるので、その知識って使えないものでした。

「今自分ができないことや、未来にできることではなくて、今日明日にできて役立つことからやっていくのが大切なのではないか?」と考えるようになりました。
言葉にすると「それはそうだろう」と思う話かもしれないんですが、未来の不安を考えることで、未来に対する準備への意識が強く働いていたんです。
しかも、しっかりやるべきという、完璧主義の考えも働いて、行動できずに苦しんでいました。

できないことを認めることで焦りが消えた

今できないことを「できない」としっかり意識することを始めました。
できないことをできると望むのは、空が飛べないのに空を飛ぼうとして、ストレスを溜めるようなものになるので、かなり苦しいんですよね。

認知行動療法や朝散歩は良いとは知っていたんですが、当時はできないことだったので、これは自分に関係がないものと考えました。
仕事もそうですね。あと当時は不眠症が治るとは思っていなかったので、睡眠系の知識もいらないと考えました。

自分にとって「関係のないもの」と意識すると、それだけで焦りがかなり減りました。
逆に言うと、今までの自分は「できないことを考えて焦っていたんだな」と気づきました。

背伸びをやめて、今できる小さな行動からスタート

うつを改善していくためには、改善につながる行動をしていくことは大切です。
僕にとって「今日明日できそうでメンタル改善につながる行動って何だろう?」と考えました。

深呼吸をする
・朝カーテンを開ける
・窓を開ける
・体が活性化するようにエアコンの温度調整を行う
・動画を見るのがしんどかったので音声で楽しむ
・新しいことはしんどかったで、昔好きだった音楽などを聞く。
・食べるのが苦手だったので、飲むヨーグルトなど飲みやすいものを食べやすいものを意識する
・もともと食器洗いはすることがあったので、食器洗いはできそうと思ったらする

このあたりは確実にできるとは言えないですが、今日明日にできるものでメンタル改善につながる行動です。

当時の僕が、続けることができないのに認知行動療法や朝散歩などに囚われていたのは、特別なことをしないと変わらないという意識があったからです。

「少しがんばれば、これぐらいはできる」と、背伸びをしていたんだと思います。
まずは、背伸びをやめて、「深呼吸の癖をつける」と「朝カーテンを開ける癖をつける」を行っていきました。

考える力が言い訳や嘘を生んでいた

背伸びをしている自分に気づいた時、とても嫌なことに気づきました。
自分は自信がなくて、自己否定していると言いながら、自分の思考を守っていたんですよね。

僕は子どもの頃の体験から、考える力が育っていました。
考える力が育っていると聞くと良いように聞こえますが、考える力があったせいで、僕の場合は何かを積み重ねることが苦手になっていたんですよね。

考える力があると、できない言い訳を言えるし、そこから逃げるために嘘もつけるので、なんとなく生きていくことができるんです。
しかも、あまり頑張らなくても最初はそこそこうまくいくんですよね。
でも結局、まわりが積み重ねていく中で、自分だけ積み重ねていないと、周りについていけなくなってしんどくなってしまいます。

でも、しんどくなった時に積み重ねる方法を知らず、3日坊主で、人に相談するのも苦手だったので、解決ができませんでした。
そして、苦しい時に、言い訳や嘘をついて、また逃げていたんですよね。
「自分はやればできる。やっていないだけだ」と自分にも言い訳をしていました。

自信を捨て去ったら、ネガティブ思考が消えた

僕は「考える力」に頼るのをやめました。
同時に「自分を信じること」をやめました。

現実が「どのようにうまくいくかどうか?」のみを考えるようになったんです。

「自分を信じることをやめる」と聞くとネガティブに聞こえるかもしれません。
でもこれが僕にとって、ネガティブさが消えていく大きな一歩になりました。

なぜかというと、自分を信じることをやめた結果、「どうして自分を否定しているんだろう?」とか、「どうして自分はできないと考えているんだろう?」とか、そういうネガティブに対する疑問が思い浮かび始めたからです。

逆にいうと、どうして「自分を否定するその思考に自信を持っているんだろう」と思いました。
本当に自信がないのであれば、「〇〇ができない」ではなくて、「できるかどうかがわからない」ですよね。

僕は「自己否定をする自分」を信じていたんです。
実際に自分ができるかどうかという現実ではなく、「どうせできない自分」と決めつけていました。
本当はあきらめる理由が欲しかっただけかもしれません。

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