オルソムニアとは、睡眠追跡デバイスを使って「完璧な睡眠」を追い求めすぎることにより、逆に不眠症を引き起こしてしまう現象です。
今回の研究では、一般人口を対象にオルソムニアの有病率を調査し、その実態を明らかにしました。睡眠追跡技術が普及する中、この現象の理解は重要です。
【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。緑のメモは僕の意見・感想です】
結論
本研究により、一般人口サンプルにおけるオルソムニアの有病率は、推定で約2%から14%であることが判明しました。
特に、若年層や睡眠追跡デバイスを頻繁に使用する人でリスクが高いことが示されています。
オルソムニアを抱える人は、睡眠の質に対する強い執着が原因で、不眠症状がより重度であることが分かりました。医療従事者は、患者が睡眠追跡デバイスを使いすぎている可能性を考慮し、対応する必要があります。
オルソムニアのことを、完璧な睡眠を求めるゆえの睡眠悪化だと勘違いしていました。
「睡眠追跡デバイスの使用」が条件に入るんですね。
そういう意味だと、完璧な睡眠を求めるゆえの睡眠悪化は、適当な言葉がないですね。精神生理性不眠症が最も近いけど、イコールではないし。
内容の信頼性:8/10
この研究は、523名を対象にした横断調査を基にしており、信頼性の高いデータが得られています。
しかし、調査サンプルに性別の偏りがあり、男性の割合が少ないため、一般化にはやや注意が必要です。
何の研究か?
この研究は、一般人口における「オルソムニア」の有病率を調査したものです。
オルソムニアとは、睡眠追跡デバイスのデータに執着することで、かえって不眠症状が悪化する現象を指します。特に、睡眠データに対する過度の関心が、不眠症や睡眠不安を引き起こす要因とされています。
睡眠追跡デバイスのデータを見ると、気になりますよね。
僕は現在、睡眠追跡デバイスは使っていません。睡眠効率、睡眠時間、日中のパフォーマンスのでアナログ評価にしています。
研究した理由は?
睡眠追跡デバイスの普及により、多くの人が睡眠データを管理するようになりました。
しかし、その結果として「完璧な睡眠」を求めすぎるあまり、かえって不眠症状が現れるケースが増えています。
これまでの研究では、オルソムニアの実態が十分に解明されておらず、特に一般人口での有病率が不明でした。そのため、この研究は、オルソムニアの実態を定量的に明らかにするために実施されました。
そもそも完璧な睡眠を求めると、睡眠は悪化しやすいですね。
重要なのは「良い睡眠を求めること」ではなくて、「結果、良い睡眠になること」。
そのため、入眠時より日中時の活動やリラックスなど、睡眠の外に目を向けることが大事です。
結果はどうだったか?
調査の結果、睡眠追跡デバイスを定期的に使用している人の割合は約36%でした。
その中で、オルソムニアの有病率は、診断基準により異なり、保守的な推定値で3.0%(16名)、中程度で8.6%(45名)、寛容な基準で14.0%(73名)と幅がありました。若年層ほどリスクが高く、性別による有意差は認められませんでした。
オルソムニアを抱える人は、不眠症の重症度が非症例者よりも高く、睡眠データへの過剰な執着が不眠の一因となっている可能性が示されました。特に、睡眠追跡デバイスを頻繁に使用する若者がリスク群に含まれることが確認されました。
睡眠追跡デバイスは、週1回や月1回など、期間をあけてチェックするのがおすすめです。あるいは、毎日計測して、確認は週1回や月1回にするのでもOKです。
チェックするときも「単なる睡眠記録・情報」として、感情を入れずにチェックしましょう。
補足
この研究は横断的であり、因果関係の明確な証明には限界があります。今後は、縦断的研究を通じて、オルソムニアの発症リスクや進行過程を詳しく検証することが求められます。また、性別バランスを考慮した追加研究も必要です。
参考文献
脳科学 2024 , 14 (11), 1123; https://doi.org/10.3390/brainsci14111123
(特集「睡眠不足は心の健康にどんな影響を与えるのか?」に属しています。)