現代人にとって、心身の健康を保つために質の良い睡眠を確保することは欠かせません。しかし、「夜にしっかり寝ても疲れが取れない」「朝の目覚めが悪い」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。これらの問題を解決するための鍵となるのが「睡眠周期(Sleep Cycle)」です。私たちの睡眠は、浅い眠りと深い眠りが繰り返される「周期」を持っており、これを知り、活用することで睡眠の質を向上させることができます。
本記事では、睡眠周期の仕組みや、それぞれの睡眠段階の役割、質の良い眠りを手に入れるためのポイントについて詳しく解説します。
睡眠周期とは?
「睡眠周期」とは、睡眠中に繰り返される「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」のサイクルを指します。睡眠には、浅い眠りと深い眠りが交互に訪れる特徴があり、一晩でこのサイクルが4~6回程度繰り返されます。一般的に1周期は約90分前後とされ、これはノンレム睡眠からレム睡眠に至るまでの時間を指します。
睡眠の2つの基本構成要素:ノンレム睡眠とレム睡眠
- ノンレム睡眠
ノンレム睡眠は、脳が休息状態に入り、体の成長や修復が行われる深い眠りです。ノンレム睡眠はさらに浅い段階から深い段階へと進行します。 - レム睡眠
レム睡眠は、脳が比較的活発に活動している段階で、夢を見ることが多く、記憶の整理や感情の処理が行われる眠りです。この段階では体はリラックスしながらも、脳波は覚醒時に近い状態にあります。
睡眠周期の構成要素
睡眠周期は、ノンレム睡眠とレム睡眠の組み合わせによって成り立っており、それぞれの段階に異なる役割があります。
1. ノンレム睡眠
ノンレム睡眠はさらに4段階に分かれており、段階が深まるほど体と脳の休息が進んでいきます。ノンレム睡眠がしっかり取れることで、体の疲れが回復し、免疫力が高まる効果も期待できます。
- ステージ1(浅い眠りの導入期)
この段階は眠りの入り口であり、軽いまどろみの状態です。筋肉が緩み、意識がぼんやりし始めます。 - ステージ2(浅い眠り)
体温や心拍数が低下し、脳波がゆっくりとしたリズムに変わる段階です。このステージが全体の睡眠時間の約半分を占めています。 - ステージ3・4(深い眠り)
この段階は「徐波睡眠」とも呼ばれ、脳波がゆったりとした波を描く最も深い眠りの状態です。身体の成長ホルモンが分泌され、細胞の修復が行われます。深い眠りに入ることで、心身ともにリフレッシュし、日中の疲れが取れる効果があります。
2週目はステージ2から始まります。
2. レム睡眠
レム睡眠はノンレム睡眠が終わった後に訪れる、脳が覚醒状態に近い活動を示す睡眠段階です。レム睡眠中は夢を見ることが多く、記憶の定着や感情の処理が行われる重要な段階です。レム睡眠が十分に確保されると、記憶力の向上や感情の安定が促される効果があります。
レム睡眠は、浅い眠りと言われますが、脳が覚醒に近いだけでとても深い眠りです。
睡眠周期の流れと睡眠の質
1回の睡眠周期は、ステージ1からステージ4までのノンレム睡眠を経て、最後にレム睡眠が訪れる流れが基本です。一晩の睡眠中に、この90分前後のサイクルが4~6回繰り返されることで、心身の健康が保たれる仕組みになっています。
- 初めの数サイクル
入眠後最初の2~3回のサイクルは、深いノンレム睡眠が中心となります。この段階で体の疲労が回復し、成長ホルモンが分泌されるため、肉体の修復が行われます。 - 後半のサイクル
朝方になると、深いノンレム睡眠が減少し、レム睡眠の割合が増えます。これにより、脳の活動が活発になり、目覚めの準備が整います。
睡眠周期を整えるためのポイント
質の良い睡眠を得るためには、睡眠周期をスムーズに整えることが重要です。以下のポイントを意識することで、睡眠のリズムを調整し、目覚めがスッキリと感じられるようになります。
1. 毎日同じ時間に寝る・起きる
規則正しい生活リズムを保つことは、睡眠周期を整える基本です。毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣を身につけることで、体内時計が調整され、スムーズな入眠と目覚めが可能になります。
2. 90分単位での睡眠を目指す
睡眠周期が約90分で一巡することを意識し、90分の倍数(4.5時間、6時間、7.5時間など)を目安に睡眠時間を確保すると、浅い眠りのタイミングで起きやすくなり、スッキリと目覚めやすくなります。
と言われることもありましたが、おすすめしません。
約90分ですが、実際には範囲が広いため目安ぐらいにするのがおすすめ。
大きな音が起きるアラームで約90分狙いは、マイナスに働く可能性があるので注意。
狙う場合も、小さな音や光などで自然に目覚めるのが大切。
実際の睡眠周期のずれだけでは無く、入眠時間がコントロールできないことや中途覚醒などの問題もあり、「90分単位で目覚めるを目指す」は現実的ではないです。
※このサイトは基本的な知識をまとめているため、このような記述も入れています。
3. 就寝前のブルーライトを避ける
寝る前にスマートフォンやパソコンを使用すると、ブルーライトの影響で体内時計が乱れ、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌が抑制されます。これにより睡眠の質が低下し、睡眠周期も乱れやすくなります。寝る前の1時間は、画面を見る時間を控えましょう。
4. 睡眠環境を整える
快適な睡眠を促進するために、寝室を暗くし、適切な温度や湿度を保つことも重要です。カーテンを閉めて外の光を遮る、騒音を減らす、ベッドや枕を自分に合ったものにするなど、環境を整えることで、眠りやすい状態を作り出しましょう。
5. 自然光を活用する
朝起きたら、なるべく早く自然光を浴びることで体内時計がリセットされ、夜になるとスムーズに眠りにつきやすくなります。自然光にはメラトニンの分泌を抑える効果があり、体を自然なリズムに整える効果があります。
睡眠周期を活用した目覚めのコツ
毎朝スッキリと起きられるようになるためには、睡眠周期に合わせた目覚め方も大切です。以下のコツを参考に、スムーズに目覚められるよう工夫してみましょう。
1. 睡眠周期に合わせた目覚まし時計の使用
最近では、眠りの浅いタイミングで起こしてくれる「スマートアラーム」や「睡眠アプリ」も多くあります。これらのアプリやデバイスは、体の動きや心拍数などを感知して、浅い眠りのタイミングでアラームを鳴らすことで、目覚めがスムーズになるようにサポートしてくれます。
2. 起きたらすぐに自然光を浴びる
朝起きたらカーテンを開けて自然光を浴びることで、体内時計がリセットされ、朝の覚醒がスムーズに進みます。日光には脳の覚醒を促す効果があるため、目覚めがスッキリしやすくなります。
3. 軽い運動で血行を促す
起床後に軽いストレッチや散歩などの運動を行うと、血行が促進され、体が覚醒状態に切り替わりやすくなります。これにより、睡眠慣性が軽減され、朝から活力を持って過ごすことができます。
まとめ:睡眠周期を理解して質の良い眠りを手に入れよう
睡眠周期の仕組みを理解し、生活習慣や睡眠環境を整えることで、質の良い眠りとスムーズな目覚めを手に入れることができます。毎日の生活リズムを整え、90分単位での睡眠を意識し、朝の自然光や軽い運動を取り入れることで、日々の生活がより快適で充実したものになるでしょう。睡眠周期を意識した生活習慣を取り入れ、心身の健康を向上させていきましょう。