【2023年】光はどんな不眠症に効果があるのか?「現在、理想的な睡眠薬は存在せず」

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不眠症における光療法:系統的レビューとメタ分析のまとめです。
まとめたものに感想をつけています。

野上しもん
・29年間の睡眠障害を克服
・5年以上の双極性障害とうつを克服
・上級睡眠健康指導士
・メンタル心理カウンセラー
・食生活アドバイザー
YouTube「メンタルコーチしもん」登録数1.3万
著書
眠れない理由を知って眠れる方法を知れば安眠
脱・中途覚醒 “夜中に目覚める”悩みが消える
12歳になるまでに読みたい 「子どもの睡眠」

不眠症と光の関係

  • 不眠症の現状:
    • 不眠症は成人の30%~50%に影響し、慢性不眠症の有病率は5%~7%と推定される。
    • 不眠症は医療現場で頻繁に見られ、社会的および経済的負担が大きい。
    • 現在、理想的な睡眠薬は存在せず、ゾルピデムやゾピクロンなどの「Zドラッグ」は短期的な効果はあるが、副作用や依存のリスクが高い。

非ベンゾジアピン系もなかなかに厄介です。
不眠症は、睡眠薬をサポートにしながら、睡眠薬なしで眠れる方法を探るのが大切。
製薬会社主導と、第三者機関の研究で違いも出てたりと、不明点も多いですよね…。

  • 光療法の役割:
    • 高照度光療法(LT)は、概日リズム障害や気分障害に対して有効であることが証明されている。
    • 光療法は、概日リズムの位相シフトや認知機能、気分に影響を与え、睡眠の恒常性に対しても効果が期待される。

今回は、体内時計ではなく、睡眠圧に対してどうなの?って話です。
太陽って、体内時計、睡眠圧に良い影響を与えて、気分までよくなる。しかもビタミンDやセロトニンなど良い効果が大きいですよね。
水と太陽から、生命は生まれるみたいなことを聞きますが、重要度がすごいです。
個人的には、最先端科学より、水と光という基本を抑えておくのが重要と感じていますね。

主な結果

  • 研究の特性:
    • 22件の研究がレビューに含まれ、726人の参加者が対象となった(女性が63%、平均年齢64.2歳)。
    • これらのうち13件がメタ分析に使用され、5件は高い証拠レベルを持つと評価された。
  • 光療法の効果:
    • 入眠後の覚醒時間(WASO):
      • 光療法は、WASOにおいて対照群と比較して有意な改善を示した(アクチグラフィー: SMD = -0.61、p = 0.017、加重差11.2分、睡眠日誌: SMD = -1.09、p < 0.001、加重差 -36.4分)。

中途覚醒・早朝覚醒に効果ありってことですね。
ただ、高齢者など体内時計が前進しやすい人は、体内時計が早まりすぎて、早朝覚醒になることはあります。

  • 入眠潜時(SOL):
    • 客観的指標、主観的指標ともに有意な改善は見られなかった。

これは寝つくまでの時間です。
光をあびても入眠に関係ないの!?と思うかもしれませんが、そうではなく。
今回は、睡眠圧調べになるので、体内時計が夜更かしになっている人は光は効果あります。

  • 総睡眠時間(TST):
    • 客観的指標では有意差はなかったが、主観的指標では改善が示唆された(SMD = 0.52、p = 0.066)。

中途覚醒が改善しているんだから、少しは改善すると思いますね。

  • 睡眠効率(SE):
    • 有意差は見られなかったが、客観的および主観的指標で改善の傾向があった。

中途覚醒が改善しているんだから、少しは改善すると思いますね。

  • 光療法のタイミング:
    • 朝の光曝露:
      • 朝の光療法は睡眠覚醒リズムを前進させ、主に主観的な改善が見られた。

これは体内時計の話です。

  • 夕方の光曝露:
    • 夕方の光療法は睡眠リズムを遅延させ、早朝覚醒の患者でTSTの短縮を招く可能性がある。

夕方に光をあびると、体内時計が遅れて、夜更かしになりやすい話。
早朝覚醒の場合、夕方の光によって体内時計を遅らせることで改善は見込めるものの、同時に睡眠時間が短くなる可能性が少しある

定性分析と制限

  • 定性分析の結果:
    • 多くの研究が不眠症の明確な分類基準を持たず、主に主観的指標で改善が報告された。
    • 主観的評価では、睡眠の質、眠気、疲労感などで改善が見られたが、客観的な評価との一致は限定的。

気分改善効果があるので、って感じですね。
気分改善効果はセロトニン関係なのかもしれません。ただ、セロトニンの効果は過大評価されている気はします。たぶん、セロトニン仮説のせい

光療法の実用的な適用と考慮点

  • 不眠症の類型別光療法:
    • 入眠障害には朝の光療法が効果的。
    • 睡眠維持障害には、概日リズム効果とは無関係に光療法が効果を発揮する可能性。
    • 早朝覚醒不眠症では、夕方の光療法はTSTを短縮するリスクがある。

睡眠維持障害は、中途覚醒の話です。再入眠しにくいとか。
中途覚醒は、僕の著書を読んでくれると嬉しいです。脱・中途覚醒: “夜中に目覚める”悩みが消える

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