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眠れない原因になる「不眠認知」16パターン|睡眠の思考癖を改善する3つの方法

眠れない原因の一つに、睡眠に対する考え方の癖があります。

たとえば、次のような考え方です。

  • 「8時間眠らないといけない」
  • 「このまま眠る力を失うかもしれない」
  • 「日中の不調は、すべて睡眠不足が原因だ」

このような睡眠への強い思い込みや不安があると、眠ろうとするときの緊張が高まります。

その結果、脳や体が覚醒し、かえって眠れなくなることがあります。

ということで、今回は眠れない原因になる**「睡眠の思考癖」16パターン**をチェックし、睡眠を改善する方法をお伝えします。

この記事では、次の2つを解説します。

  1. 眠れなくなる16個の思考パターン
  2. 眠れなくなる思考をやわらげる3つの方法

自分に当てはまる考え方がないか、確認しながら読んでみてください。

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不眠認知とは「不眠を長引かせやすい考え方」

眠れなくなる思考を、今回は**「不眠認知」**と呼びます。

不眠認知をもう少し詳しく言うと、不眠を長引かせやすい考え方や思い込みです。

睡眠版の「認知の歪み」と考えていただいてもよいでしょう。

睡眠に対する考え方が極端になると、眠れないことへの不安やプレッシャーが強くなります。

すると、次のような悪循環が起こります。

  1. 今夜眠れるか心配する
  2. きちんと眠ろうとする
  3. 心や体に力が入る
  4. 脳や体が覚醒する
  5. さらに眠りにくくなる

つまり、眠ろうと努力することが、逆に眠れない原因になってしまうのです。

不眠認知16パターンを研究したDBAS-16

今回紹介する16パターンは、DBAS-16と呼ばれる質問票をもとにしています。

DBASは「Dysfunctional Beliefs and Attitudes about Sleep」の略です。

日本語にすると、睡眠に対する非機能的な信念や態度という意味になります。

この質問票を開発したのは、不眠症や認知行動療法を専門的に研究しているシャルル・M・モランです。

モランはラヴァル大学の教授で、睡眠障害研究センターのディレクターを務めています。

DBAS-16の研究では、不眠のある283人を対象に、眠れない状態につながる思考パターンを調べました。

研究対象となったのは、臨床患者124人と研究参加者159人です。

研究では、不眠認知が主に次の4つに分類されました。

  1. 眠れないことがもたらす結果への考え方
  2. 眠れないことへの心配や無力感
  3. 眠れることに対する期待
  4. 睡眠薬に対する考え方

つまり、不眠が長引いたり悪化したりする原因となる思考パターンを調べたのです。

逆に言えば、こうした思考パターンをやわらげることで、睡眠を改善しやすくなります。

CBT-Iは慢性不眠症の代表的な治療法

不眠認知は、**CBT-I(不眠症の認知行動療法)**でも扱われます。

CBT-Iは、睡眠に関する考え方や行動を見直し、不眠を改善していく治療法です。

慢性不眠症に対する初期治療として推奨されており、次のような方法を組み合わせて行います。

  • 睡眠に対する考え方の修正
  • 睡眠制限療法
  • 刺激統制法
  • 睡眠衛生の改善
  • リラクゼーション

CBT-Iは、慢性不眠症に対して最も有効性が確立されている治療法の一つです。

不眠認知16パターンの答え方

ここから、眠れない原因となる16個の思考パターンを紹介します。

質問形式にしているので、それぞれについて、

  • 当てはまる
  • 当てはまらない

と感覚的に答えてみてください。

この段階では、厳密に考える必要はありません。

「自分にはこういう考え方があるかもしれない」と気づくだけでも十分です。

DBAS-16の正式な質問でも、正解や不正解はなく、自分がどの程度その考えを信じているかを0~10で評価します。

順位と影響度について

以下では、研究サンプルにおける各項目の平均値をもとに、参照資料が分かりやすく整理した「影響度」を掲載しています。

影響度は、不眠症につながる影響度について、研究サンプルと臨床サンプルの平均値を参考にしたものです。

DBAS-16の正式な公式順位ではありません。不眠認知をやわらげるときの優先順位の一つとしてお考えください。

【質問チェック】不眠認知16パターン

16位|良い睡眠が取れるかまったく予測できない

影響度:☆(0.7)

**質問:**自分が今夜よく眠れるか、眠れないかは、まったく予測できないと思う。

15位|不眠は脳内の化学バランスの問題

影響度:★☆(1.5)

**質問:**不眠は基本的に、脳内の化学的なバランスの乱れが原因だと思う。

「脳内物質の異常が原因だから、自分の生活や行動を変えても改善できない」と考えていないかを確認します。

14位|8時間眠らないと日中うまく機能できない

影響度:★★☆(2.7)

**質問:**日中元気に過ごすには、毎晩8時間眠らないといけないと思う。

13位|薬だけが眠れない問題の解決方法

影響度:★★☆(2.7)

**質問:**眠れない問題を解決するには、薬を飲むことが唯一の方法だと思う。

12位|睡眠の悪影響に対処できない

影響度:★★★(3.1)

**質問:**睡眠が乱れたことで起こる悪い影響に、自分はうまく対処できないと思う。

11位|慢性的な不眠は健康に重大な害を与える

影響度:★★★☆(3.6)

**質問:**長期間の不眠は、体の健康に深刻な悪影響を与えるのではないかと心配している。

10位|眠る能力を失ってしまうのではないか

影響度:★★★☆(3.7)

**質問:**自分はそのうち「眠る力」を失ってしまうのではないかと不安になる。

9位|眠れなかった翌日は予定を避ける

影響度:★★★☆(3.8)

**質問:**前の晩によく眠れなかった場合、人付き合いや家族との予定などを避けたり、キャンセルしたりする。

8位|眠れないなら睡眠薬を飲むほうがよい

影響度:★★★☆(3.9)

**質問:**日中しっかり活動するためには、眠れない夜を過ごすより、睡眠薬を飲んだほうがよいと思う。

7位|睡眠不足の翌日は必ず生活に支障が出る

影響度:★★★☆(3.9)

**質問:**前の晩によく眠れなかった場合、翌日の生活や仕事に必ず支障が出ると思う。

6位|眠れなかった分は翌日に取り戻す必要がある

影響度:★★★★☆(4.6)

**質問:**ある夜よく眠れなかったら、翌日に昼寝をしたり、次の夜に長く寝たりして取り戻さなければならないと思う。

5位|一晩眠れないと1週間睡眠が崩れる

影響度:★★★★☆(4.6)

**質問:**1日でも眠れない日があると、その後1週間くらい睡眠のリズムが崩れると思う。

4位|日中の不調はすべて睡眠不足が原因

影響度:★★★★☆(4.9)

**質問:**日中イライラしたり、落ち込んだり、不安になったりするのは、ほとんど前日に眠れなかったことが原因だと思う。

3位|不眠が人生を台無しにしている

影響度:★★★★★(5.1)

**質問:**不眠によって人生を楽しむ力が失われ、やりたいことができなくなっていると感じる。

2位|十分眠れないと翌日は何もできない

影響度:★★★★★☆(5.6)

**質問:**十分に眠れないと、翌日はほとんど何もできないと思う。

1位|日中の疲れや不調は睡眠不足が原因

影響度:★★★★★☆(5.8)

**質問:**日中疲れていたり、やる気が出なかったり、調子が悪いのは、ほとんど前日の睡眠不足が原因だと思う。

以上が、不眠認知の16パターンです。

正式なDBAS-16でも、この16項目について0~10で自分の考え方の強さを評価します。

不眠認知は完全な間違いとは限らない

ここで、注意点があります。

16個の質問に当てはまる考え方が、完全な間違いとは限りません。

実際に、睡眠不足によって次のような影響が出ることはあります。

  • 集中しにくくなる
  • 体調が悪くなる
  • 疲れやすくなる
  • 気分が不安定になる
  • 仕事や生活に支障が出る

問題になるのは、質問の答えを絶対的な事実として捉えてしまうことです。

たとえば、

眠れなければ、日中に影響が出ることがある。

と考えるのと、

眠れなければ、翌日は必ず何もできなくなる。

と考えるのでは、意味が違います。

「影響が出ることがある」ではなく、「必ず影響が出る」と考えると、眠れないことへの恐怖が強くなります。

つまり、問題になるのは、睡眠について白黒思考や完璧主義で考えてしまうことです。

不眠認知が眠れない悪循環を作る

睡眠に対する考え方が極端になると、次のような悪循環が起こりやすくなります。

  1. 今夜眠れるか心配する
  2. 何とか眠ろうと力が入る
  3. 脳や体が覚醒する
  4. さらに眠りにくくなる
  5. 16パターンの不眠認知が強化される
  6. 次の夜も眠ることが怖くなる

このような悪循環は、従来「精神生理性不眠症」と呼ばれてきた状態の説明にも重なります。

眠れないことへの不安が覚醒を高め、その覚醒によってさらに眠れなくなる状態です。

不眠認知の原因は非現実的な考え方

不眠認知の原因は、睡眠に対する考え方が非現実的になっていることです。

普段は柔軟に考えられる人でも、睡眠については白黒思考や完璧主義になりやすいことがあります。

なぜなら、睡眠では「正解らしきもの」が見えやすいからです。

  • 8時間眠れたか
  • 夜中に目が覚めなかったか
  • すぐに眠れたか
  • 朝まで熟睡できたか
  • 日中元気に過ごせたか

このように、睡眠には数字や結果があるため、「成功した」「失敗した」と判断しやすくなります。

しかし、人間の睡眠にはゆらぎがあります。

毎晩まったく同じように眠ることはできません。

毎晩完璧に眠ることより、長期的に安定していけばOK

このくらいを睡眠改善のゴールにしてみてください。

不眠認知をやわらげる3つの方法

では、不眠認知をやわらげ、長期的な安眠を手に入れるには、どうすればよいのでしょうか。

方法は、次の3つです。

  1. 不眠認知に気づく
  2. 不眠認知の強さを知る
  3. 不眠認知の現実的な考え方を知る

順番に解説します。

1.不眠認知に気づく

最初の方法は、自分の不眠認知に気づくことです。

気づくことで、無意識に不眠認知を整える働きが生まれるからです。

これは、姿勢の歪みと似ています。

猫背になっていることに気づかなければ、背筋を伸ばそうと意識することもできません。

しかし、「今、猫背になっている」と気づけば、ときどき背筋を伸ばして姿勢を整えられます。

不眠認知も同じです。

たとえば、

自分は「8時間眠らないといけない」と考えている。

自分は「眠れないと翌日は何もできない」と考えている。

このように気づけば、考え方を少しずつ整えられるようになります。

不眠認知は当てはまるか確認するだけでよい

具体的に何をすればよいのでしょうか。

最初は、不眠認知16パターンについて、

  • 当てはまっている
  • 当てはまっていない

とチェックするだけで構いません。

睡眠について悩んでいる場合は、定期的にチェックするのがおすすめです。

自分がどのような考え方をしているかを確認するだけでも、睡眠への思い込みを客観的に見やすくなります。

不眠認知に当てはまっても自分を責めない

不眠認知に当てはまること自体は、問題ではありません。

当てはまっていたからといって、自分を責めないでください。

当てはまる考え方が多いと、

私は考え方までおかしい。

私は駄目だ。

と自分を責めたり、自信を失ったりすることがあります。

しかし、今回の16パターンにまったく当てはまらない人も、そう多くはありません。

また、不眠認知だけが睡眠改善のポイントでもありません。

睡眠には、思考以外にもさまざまな要因が関係します。

  • 脳や体の覚醒
  • 生活リズム
  • 睡眠システム
  • ストレス
  • 環境
  • 体調
  • 行動習慣

そのため、不眠認知に当てはまったからといって、不安になる必要はありません。

強い不眠認知への気づきは睡眠改善の一歩

強い不眠認知に気づくことは、睡眠改善の大きな一歩になります。

当てはまる項目が多ければ、それだけ見直せるポイントが多いとも考えられます。

つまり、考え方をやわらげることで、睡眠改善の可能性を高める余地があるということです。

不眠認知を扱う心理療法には、次のようなものがあります。

まずは、自分の考え方に気づくところから始めてみてください。

2.不眠認知の強さを10点満点で知る

2つ目の方法は、不眠認知の強さを点数化することです。

不眠認知16パターンについて、それぞれ10点満点でセルフチェックします。

どの不眠認知が強いのかを点数化するだけでも、白黒思考がやわらぎ、睡眠改善につながります。

点数化すると白黒思考がやわらぐ

不眠認知の根本にあるものの一つが、白黒思考です。

白黒思考では、物事を次のように考えます。

  • 眠れた・眠れなかった
  • 成功・失敗
  • 正常・異常
  • 0点・100点

この白黒思考をやわらげるために有効なのが、0と1の間にある数字を見ることです。

0~10点に分けて考えると、それだけで白黒思考がやわらぎます。

さらに、自分の中でどの思考が強いのかも明確になります。

これが、白黒思考への対策の一つであるグラデーション思考です。

不眠認知を0~10点で評価する

先ほどの不眠認知16パターンを見直しながら、それぞれ10点満点で評価します。

点数は、感覚で構いません。

  • 10点:完全にその通りだと思う
  • 0点:まったくそう思わない

たとえば、

「日中の不調は、ほとんど睡眠不足が原因だ」と70%くらい信じている。

と感じるなら、7点程度です。

90%くらい信じているなら、9点程度です。

厳密な正解を出す必要はありません。

目的は、自分の「睡眠に対する思考の位置」が、0と10の間のどこにあるのかを、ある程度把握することです。

5段階や100%で考えてもよい

個人的には、10段階よりも、5段階や100%で考えるほうが楽です。

僕の相談者に限っていえば、5段階のほうが数字がシンプルで、評価しやすい人が多いです。

5段階で考える場合は、次のように評価します。

  • 5点:その思考がとても強い
  • 4点:その思考がやや強い
  • 3点:どちらでもない
  • 2点:その思考があまり強くない
  • 1点:むしろ弱い

厳密に考えすぎなくて大丈夫です。

自分が評価しやすい方法を使ってください。

ただし、5段階評価は簡単に確認するための方法です。

後ほど紹介する合計61点という目安は、0~10点で評価した場合の数値なので、5段階評価の合計点とは比較しません。

不眠認知は平均3.8点を一つの目安にする

0~10点で16項目を評価した場合、合計点が61点以上かどうかを一つの目安にできます。

61点を16項目で割ると、平均は約3.8点です。

研究では、DBAS-16の平均が3.8を超える場合、臨床的な不眠に関連する非適応的な睡眠信念の水準を示す目安とされています。

分かりやすく言えば、平均3.8点を超えていると、

不眠症の人に見られやすいレベルの考え方がある。

と考えられます。

ただし、点数が高いだけで不眠症になるわけではありません。

DBAS-16は、不眠症かどうかを診断するための質問票ではありません。

睡眠に対する考え方の強さを把握するためのものです。

不眠には、思考以外にも次のような影響があります。

  • 脳や体の覚醒
  • 睡眠システム
  • 生活リズム
  • ストレス
  • 病気や体調
  • 睡眠環境

ただ、睡眠を改善するときは、眠れない原因を一つひとつ減らしていくことが重要です。

不眠認知が強い場合は、それも眠れない原因の一つとして見直してみてください。

点数が高かった上位3つを意識する

16項目すべてを、一度に意識する必要はありません。

まずは、点数が高かった上位3つだけ意識すればOKです。

人が一度に意識しやすい情報の数は、3~5個程度のまとまりだと考えられています。

短期記憶の容量については、マジックナンバー4前後という考え方もあります。

そのため、16個すべてを一度に直そうとするより、点数の高い3項目程度に絞ったほうが取り組みやすくなります。

たとえば、次の3つが高かったとします。

  1. 8時間眠らないといけない
  2. 眠れないと翌日は何もできない
  3. 日中の不調は睡眠不足が原因だ

この場合は、この3つの考え方が出てきたときに、

今、自分の不眠認知が出ている。

と気づくだけでも構いません。

僕が不眠症だった頃は合計112点だった

僕が不眠症を患っていたときを思い返して点数をつけると、次のようになりました。

  • 平均点:7.0点
  • 合計点:112点

かなり強めです。

ただ、僕より不眠認知が強い人も、かなりいるのではないかと思います。

僕のように、子どもの頃から睡眠に困っている人や、眠れない状態でも仕事や生活をこなしてきた人は、ある意味では不眠症に慣れています。

そのため、点数が高くても、僕に近い点数になるのではないかと思います。

逆に、快眠できていた時期が長く、ここ1~3年で不眠症になった人のほうが、突然眠れなくなったことへの不安から点数が高くなるかもしれません。

点数が高くても、不安にならないでください。

思考をやわらげていけば、眠れるようになるかもしれない。

このように、ポジティブに考えすぎるというより、少し楽観的に考えるくらいがよいと思います。

現在の僕の点数は、次のとおりです。

  • 平均点:0.8点
  • 合計点:13点

16項目の中には、そもそも不眠症でなければ当てはまりにくいものがあります。

一方で、睡眠について勉強すると、高い確率で0点にならない項目もあります。

すべてを完全に0点にする必要はありません。

3.不眠認知の現実的な考え方を知る

3つ目の方法は、不眠認知に対する現実的な考え方を知ることです。

不眠認知16パターンによって眠れなくなる理由は、大きく分けて2つあります。

  1. 寝るときに不安・恐怖・プレッシャーを感じ、緊張感が高まる
  2. 「睡眠は自分では改善できない」と考え、睡眠を整える行動を試したり、続けたりしにくくなる

一つ目は、睡眠への緊張感です。

二つ目は、睡眠への無力感です。

この2つをやわらげる考え方を知っておきましょう。

睡眠への緊張感をやわらげる

「きちんと眠らなければならない」という考え方は、緊張を生みます。

眠ることが義務や課題になると、眠れているかどうかを常に確認するようになります。

  • まだ眠れていない
  • あと何時間しかない
  • 明日は大丈夫だろうか
  • 今すぐ眠らなければならない

このように考えると、脳や体が休むどころか、ますます覚醒してしまいます。

睡眠はゆらぐものと考える

人間はロボットではありません。

そのため、睡眠は自然にゆらぎます。

たとえば、次のようなときは睡眠が崩れることがあります。

  • 環境が変化した
  • 強いストレスがかかっている
  • 体調が変化した
  • 生活リズムが変わった
  • 楽しいことがあり、はしゃぎまくった
  • 翌日に重要な予定がある

このような変化があれば、睡眠が乱れることはあります。

重要なのは、毎晩完璧に眠ることではありません。

長期的に安定していけばOKです。

睡眠は崩れても再び安定すると考える

次のように考え方を変えてみてください。

極端な考え方

睡眠は崩してはいけない。

現実的な考え方

睡眠はたまに崩れても、また安定していくもの。


極端な考え方

睡眠は急いで改善しなければならない。

現実的な考え方

睡眠はゆっくり改善していけばOK。

今回紹介した不眠認知も、完璧になくす必要はありません。

白黒思考や完璧主義のような一面が、少しくらいあってもよいのです。

人間なら、少しくらい極端に考えることもあるよね。

このくらいに考えるほうが自然です。

睡眠圧が睡眠を安定させる

睡眠への緊張感をやわらげるために、覚えておくと便利なのが睡眠圧です。

睡眠圧とは、起きている時間が長くなるほど、眠ろうとする力が高まる仕組みです。

睡眠不足になれば、その分、次は深く長く眠りやすくなります。

人間には、睡眠を安定させようとする仕組みが備わっています。

実際に、不眠症の認知行動療法には、ベッドで過ごす時間を短くして睡眠を改善する睡眠制限療法という方法があります。

睡眠制限療法では、実際に眠れている時間に合わせてベッドで過ごす時間を調整し、睡眠をまとめていきます。

つまり、

眠れない日があったら、眠る力を失ってしまう。

というわけではありません。

眠れなかったことで睡眠圧が高まり、その後に眠りやすくなる仕組みもあるのです。

逆説的意図で「起きていてもOK」と考える

もう一つ覚えておきたい方法が、逆説的意図です。

眠れないときは、

寝よう。

と努力するよりも、

起きていてもOK。

と思っていたほうが眠れることがあります。

ここで重要なのは、

眠るために、起きていようと思わなければならない。

と考えることではありません。

それでは、「眠るために何かをしなければならない」という新しい努力が始まってしまいます。

大切なのは、

今すぐ眠れなくてもいいよね。

起きていてもOKだよね。

と、自分に許可を与える感覚です。

逆説的意図は、眠ろうとするプレッシャーを減らす心理的な方法として、不眠への介入でも扱われています。

睡眠への無力感をやわらげる

不眠認知が強いと、

自分には睡眠を改善できない。

このまま眠る力を失ってしまう。

と考えることがあります。

しかし、眠れないことと、眠る力を失うことは別です。

今眠れないからといって、眠る能力そのものがなくなったわけではありません。

眠れない原因を一つひとつ減らしていくことで、少しずつ眠れるようになっていきます。

一晩眠れたかどうかだけで判断するのではなく、少しずつ眠れる状態に近づいているかを見ることが大切です。

眠れない原因を100%なくさなくてよい

眠れない原因も、100%なくす必要はありません。

0か100かで考えなくてOKです。

たとえば、4時間眠れたとします。

仮に睡眠の推奨時間を7時間と考えると、

4時間 ÷ 7時間 = 約57%

となります。

つまり、睡眠が完全に0%だったわけではなく、57%は眠れていると考えられます。

また、入眠後およそ3時間を含む夜の前半は、深い睡眠の割合が多い時間帯です。

深い睡眠は夜の前半に多く、時間がたつにつれて減っていきます。

そのため、

4時間しか眠れなかった。

と考えるだけではなく、

深い睡眠もある程度取れた4時間だった。

と考えてもよいでしょう。

これは4時間睡眠を最終的な目標にするという意味ではありません。

睡眠を0点か100点かで評価せず、少しずつ安眠を手に入れていけばよいということです。

できることから始めていけばOKです。

睡眠への考え方が極端なら反対の極端も見る

どうしても睡眠への考え方が極端になる場合は、

ショートスリーパーになる。

といった内容の動画を見るのも、ある意味ではおすすめです。

ショートスリーパーになることを、そのまま信じたり実践したりすることが目的ではありません。

極端さを改善するために、反対側の極端な考え方を見るのです。

たとえば、

人間は絶対に8時間眠らなければならない。

という考え方しか知らない状態で、いきなり中間の考え方を見つけようとしても、難しいことがあります。

そこで、反対側にある、

短い睡眠でも問題ない。

という極端な考え方も見てみます。

両方を知ることで、

自分にとっては、どのあたりが現実的なのだろうか。

と考えられるようになります。

思考のバランスを取るときは、いきなりバランスを取ろうとするよりも、両側の極端な考え方を知るほうが簡単なことがあります。

極端な考え方の範囲を少しずつ狭めながら、

どこでバランスが取れるか。

と考えてみてください。

不眠認知16パターンのまとめ

今回は、眠れない原因になる不眠認知16パターンをお伝えしました。

不眠認知とは、不眠を長引かせやすい睡眠への考え方や思い込みです。

たとえば、次のような考え方があります。

  • 8時間眠らなければならない
  • 眠れないと翌日は何もできない
  • 一晩眠れないと1週間睡眠が崩れる
  • 日中の不調は睡眠不足が原因だ
  • このまま眠る力を失ってしまう
  • 薬だけが不眠の解決方法だ

こうした考え方を絶対的な事実として捉えると、睡眠への不安やプレッシャーが強くなります。

その結果、脳や体が覚醒し、さらに眠りにくくなります。

不眠認知をやわらげる方法は、次の3つです。

  1. 自分の不眠認知に気づく
  2. 自分の不眠認知の強さを知る
  3. 不眠認知の現実的な考え方を知る

点数が高かった人は、週に1回ほどのペースで見直しチェックをしてみてください。

重要なのは、点数が高いか低いかではありません。

以前と比べて、どのような変化が生まれたか。

を見ることが重要です。

睡眠改善に取り組んでいるときは、睡眠への意識が強くなり、一時的に点数が高まることもあります。

そのため、睡眠改善をしているときも、月に1回くらいは確認しておくとよいでしょう。

点数が安定して下がり、全体で30点以下などの低い状態になった場合は、それほど気にしなくてもよいと思います。

不眠認知を完全になくそうとする必要はありません。

毎晩完璧に眠るのではなく、睡眠が長期的に安定していけばOKです。

英語版の正式な16項目については、Sleepwellの「Beliefs About SleepでDBAS-16をセルフチェックする」ページで確認できます。

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