ビタミンCは、体内で十分に合成できない水溶性ビタミンで、食事から継続的に摂る必要があります。
主な働きは、コラーゲンの生成を助けること、抗酸化作用によって細胞を守ること、植物性食品に含まれる鉄の吸収を助けることです。
不足すると、コラーゲンの生成が低下し、歯ぐきからの出血、あざができやすい、傷が治りにくい、疲労感などが現れることがあります。重度の欠乏では壊血病につながります。
ビタミンCは、キウイフルーツ、ブロッコリー、いちご、みかんなどの野菜や果物に多く含まれます。
ただし、水溶性で加熱や茹で調理によって減少することがあるため、調理方法も意識すると効率よく摂取できます。
成人の1日の推奨量は、男女ともに100mgが目安です。
通常の食事で過剰摂取になることは少ない一方、サプリメントなどで大量に摂ると、下痢や吐き気、腹痛などの胃腸症状が起こることがあります。
ビタミンCは「多く摂るほどよい」栄養素ではなく、野菜や果物を取り入れながら、毎日必要量を不足なく摂ることが大切です。
ビタミンCとは
ビタミンCは「アスコルビン酸」とも呼ばれる水溶性ビタミンの一つです。
私たちの体内では、コラーゲンの生成を助ける、抗酸化作用によって細胞を守る、植物性食品に含まれる鉄の吸収を助けるなど、さまざまな働きをしています。
人間はビタミンCを体内で十分に合成することができないため、食品から摂取する必要があります。
また、ビタミンCは水溶性で、体内に大量に蓄えておくタイプの栄養素ではありません。摂取量が多くなるほど吸収率は低下し、余分なビタミンCは尿中へ排泄されます。
そのため、一度に大量に摂るというより、野菜や果物などから日常的に摂取することが大切な栄養素といえます。
ビタミンCの4つのメリット
ビタミンCには、健康を維持するうえで重要な働きがいくつもあります。
①コラーゲンの生成を助ける
代表的なのが、コラーゲンの生成を助ける働きです。
コラーゲンは、皮膚だけでなく、血管、骨、軟骨などの結合組織を構成する重要なたんぱく質です。傷ついた組織を修復するときにも必要になります。
ビタミンCは、コラーゲンを正常につくるために必要な酵素反応を支えています。つまり、ビタミンCは単に「美容のためのビタミン」というより、体の組織を正常に維持するために必要な栄養素なのです。
②抗酸化作用がある
私たちの体では、食べ物からエネルギーをつくる過程などで「フリーラジカル」と呼ばれる反応性の高い物質が生じます。
ビタミンCは抗酸化物質として働き、こうした物質による酸化から細胞を守る働きを持っています。
つまりビタミンCは、体内で起こる酸化反応を適切にコントロールする仕組みの一つを担っています。
③鉄の吸収を助ける
ビタミンCには、植物性食品などに含まれる非ヘム鉄の吸収を高める働きもあります。
鉄は、血液中のヘモグロビンなどをつくるために必要なミネラルです。
例えば、豆類や野菜など鉄を含む食品と、ビタミンCを含む野菜・果物を同じ食事で組み合わせることで、鉄を効率よく摂取しやすくなります。
④免疫機能を支える
ビタミンCは免疫機能にも関係しており、体を正常に機能させるために必要な栄養素の一つです。
ただし、ビタミンCを大量に摂れば摂るほど免疫機能が高まるという意味ではありません。まず重要なのは、必要な量を不足させないことです。
ビタミンCが不足すると?
ビタミンCが不足すると、特に影響を受けやすいのがコラーゲンを必要とする組織です。
不足した状態が続くと、
- 疲労感
- 歯ぐきの腫れや出血
- あざや皮下出血ができやすくなる
- 傷が治りにくくなる
といった症状が現れることがあります。さらに深刻な欠乏状態になると「壊血病」を発症します。
なぜ出血などが起こるのでしょうか。
ビタミンCが不足すると、正常なコラーゲンをつくる能力が低下します。すると血管を支えている結合組織が弱くなり、毛細血管が傷つきやすくなるためです。
つまり、
ビタミンC不足
→ コラーゲン生成が低下
→ 結合組織が弱くなる
→ 歯ぐきからの出血や皮下出血、傷の治りにくさにつながる
という流れです。
ビタミンCを多く含む食品
ビタミンCは、特に野菜や果物に多く含まれています。
文部科学省の「日本食品標準成分表」によると、代表的な食品100g当たりのビタミンC量は次のとおりです。
| 食品 | ビタミンC |
|---|---|
| キウイフルーツ(黄肉種・生) | 140mg |
| ブロッコリー(花序・生) | 140mg |
| キウイフルーツ(緑肉種・生) | 71mg |
| いちご(生) | 62mg |
| うんしゅうみかん(生) | 32mg |
食品成分値は文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に基づきます。
「ビタミンCといえばレモン」というイメージがありますが、実際にはキウイフルーツやいちごなどの果物、ブロッコリーなどの野菜からも摂取できます。
また、ビタミンCは水溶性なので、茹でることで茹で汁へ溶け出す場合があります。例えばブロッコリーは、生では100g当たり140mgですが、茹でたものでは55mgとなっています。
そのため、生で食べられる果物を取り入れるほか、電子レンジ調理や、汁ごと食べられるスープなどを活用するのも一つの方法です。
ビタミンCの摂りすぎにも注意
ビタミンCは水溶性で、摂取量が増えると吸収率が低下し、余分な分は尿中へ排泄されます。そのため、通常の食事だけで過剰摂取になるケースは多くありません。
一方、サプリメントなどを利用すると、食品から摂る場合よりもはるかに多い量を一度に摂取できます。
大量のビタミンCを摂取すると、吸収されなかったビタミンCの影響などによって、
- 下痢
- 吐き気
- 腹痛・腹部のけいれん
- その他の胃腸症状
が起こることがあります。
特に、1回で大量に摂取すれば、その分すべてが体内で有効利用されるわけではありません。ビタミンCは「多ければ多いほどよい」というより、必要量を継続的に摂ることが基本です。
日本の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、ビタミンCについて耐容上限量は設定されていませんが、これは無制限に摂取してよいという意味ではありません。サプリメントを使う場合は、高用量を習慣的に摂ることを避け、製品の摂取目安量を確認することが重要です。
ビタミンCの1日の推奨量(成人の目安)
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の成人男女のビタミンC推奨量は1日100mgに設定されています。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18~29歳 | 100mg | 100mg |
| 30~49歳 | 100mg | 100mg |
| 50~64歳 | 100mg | 100mg |
| 65~74歳 | 100mg | 100mg |
| 75歳以上 | 100mg | 100mg |
例えば、黄肉種のキウイフルーツは100g当たり140mg、いちごは100g当たり62mg、うんしゅうみかんは100g当たり32mgのビタミンCを含んでいます。
そのため、特定の食品だけに頼る必要はありません。野菜や果物を日々の食事に取り入れることで、複数の食品からビタミンCを摂取できます。
ビタミンCは、コラーゲンの生成や抗酸化作用、鉄の吸収など、体を正常に維持するさまざまな反応に関わる栄養素です。一度に大量に摂ることよりも、毎日の食事から不足しないよう継続して摂ることを意識するとよいでしょう。

