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儀式的な行動は不安をやわらげる働きがあるのか?【2022年】

決まった動作を繰り返す「儀式的な行動」には、不安をやわらげる働きがあるのでしょうか。

この研究では、同じ動作や言葉を規則正しく繰り返すことで、不安を感じる本人の意識や、皮膚の反応として表れる身体的な不安がどのように変化するかを調べました。

参考:予測可能な行動パターンが不安のダイナミクスに及ぼす影響【2022年】

【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。[ ]のメモは僕の意見・感想です】

結論

規則的で予測しやすい行動をした参加者は、何もしなかった参加者や、不規則な行動をした参加者よりも、不安が大きく低下する傾向を示しました。

ただし、参加者全体で見ると、グループ間の差は小さく、結果の推定精度も十分ではありませんでした。そのため、この研究だけで「儀式的な行動には明確な不安軽減効果がある」と断定することはできません。

一方、スピーチの準備によって強い不安を感じた参加者では、儀式的な行動をしたグループの身体的な不安が、何もしなかったグループよりも大きく低下しました。

研究結果は、儀式的な行動が誰にでも同じように効くのではなく、実際に強い不安を感じている人に対して効果を示す可能性があることを示しています。

内容の信頼性:7点/10点

この研究は、実験前に分析方法を登録し、参加者を無作為に3つのグループへ分けたうえで、本人の申告と身体反応の両方から不安を測定しています。また、研究仮説を知らない研究助手が実験を担当する二重盲検の方法を採用しています。

一方で、研究対象は主に大学生であり、一般の人々にも同じ結果が当てはまるかは分かりません。また、不安を起こすための課題で十分な不安を感じなかった参加者が多く、グループ間の差も小さいものでした。

強い不安を感じた参加者だけを対象にした分析では効果が確認されましたが、この分析は当初の主要分析ではなく探索的な分析です。対象人数も少なくなっているため、論文でも追加研究が必要だとしています。

何の研究か?

グループ人数行ったこと
儀式化グループ92人決まったパターンの動作、または同じ文章を繰り返した
対照グループ85人不規則な動作、または単語を不規則に並べた文章を読んだ
中立グループ91人特別な行動をせず、画面を見ていた

規則的で反復的な「儀式化された行動」が、不安を軽減するかどうかを調べた研究です。

チェコとスロバキアの大学生270人を募集し、途中で離脱した2人を除く268人を分析しました。参加者の平均年齢は22.6歳で、女性162人、男性104人でした。

参加者は、次の3つのグループに無作為に分けられました。

  • 儀式化された行動をするグループ:92人
  • 不規則な行動をする対照グループ:85人
  • 行動をせず画面を見る中立グループ:91人

参加者には、作品について5分間のスピーチを行う可能性があると伝え、3分間準備させることで不安を引き起こしました。

その後、参加者は次のいずれかの課題を3分間行いました。

運動課題では、画面上の点を手で追いました。儀式化されたグループでは点が決まったパターンで動き、対照グループでは点が不規則に動きました。

言語課題では、エスペラント語の文章を声に出して読みました。儀式化されたグループでは同じ文章を繰り返し、対照グループでは同じ単語を不規則に並べた文章を読みました。

不安は、0~100点の自己評価と、電気皮膚活動による身体反応の2つの方法で測定されました。

研究した理由は?

人は、自分では制御できない危険や不確実な状況に直面すると、決まった手順や動作を繰り返すことがあります。

過去の研究では、儀式的な行動が不安をやわらげる可能性が示されていました。しかし、なぜ不安が軽減するのか、その具体的な仕組みは十分に分かっていませんでした。

研究者たちは、反復的で厳格な行動には、次に何が起こるかを予測しやすくする働きがあると考えました。予測しやすい行動を繰り返すことで、頭の中の不確実性や予測のずれが減り、不安が低下するのではないかと仮説を立てました。

また、宗教的な祈りなどの現実の儀式には、文化、信念、習慣など多くの要素が含まれています。そのため、この研究では儀式の意味や文化的背景を取り除き、行動の「反復性」と「規則性」だけに不安軽減効果があるかを調べました。

結果はどうだったか?

分析内容統計値統計的に明確か分かりやすい結果
スピーチ準備による自己申告不安の上昇β=0.66、95%CI[0.51, 0.81]明確不安は12.2点から23.7点に上昇した
スピーチ準備による身体的不安の上昇β=0.40、95%CI[0.36, 0.45]明確皮膚反応は平均23回から34.4回に増加した
儀式化グループ内の自己申告不安の低下β=−0.34、95%CI[−0.49, −0.19]明確儀式後、不安が平均5.5点低下した
儀式化と対照グループの自己申告不安の低下幅の差β=0.11、95%CI[−0.09, 0.31]明確ではない儀式化の低下幅は大きかったが、対照より優れているとは断定できない
儀式化と中立グループの自己申告不安の低下幅の差β=0.06、95%CI[−0.13, 0.24]明確ではない儀式化が「何もしない場合」より優れているとは断定できない
儀式化グループ内の身体的不安の低下β=−0.41、95%CI[−0.46, −0.35]明確皮膚反応が推定12.7回減少した
儀式化と対照グループの身体的不安の低下幅の差β=0.03、95%CI[−0.05, 0.12]明確ではない儀式化が対照より優れているとは断定できない
儀式化と中立グループの身体的不安の低下幅の差β=0.06、95%CI[−0.02, 0.14]明確ではない儀式化が中立より優れているとは断定できない
不安が低い人:儀式化と中立の身体的不安の差β=0.00、95%CI[−0.11, 0.12]明確ではない不安が低い人では効果の差はなかった
不安が高い人:儀式化と対照の身体的不安の差β=0.11、95%CI[−0.02, 0.23]明確ではない対照グループとの差は断定できない
不安が高い人:儀式化と中立の身体的不安の差β=0.14、95%CI[0.02, 0.26]明確強い不安を感じた人では、儀式化は何もしない場合より身体的不安を大きく低下させた

不安を起こす課題の効果

自己申告による不安の予測値は、スピーチ準備前の12.2点から、準備後には23.7点へ上昇しました。

身体的な不安の指標である非特異的皮膚コンダクタンス反応は、3分間当たり平均23回から34.4回へ増加しました。

このため、スピーチの準備によって、全体として本人の自覚と身体反応の両方に不安が生じたと判断されました。

ただし、スピーチ準備後の自己申告による不安で最も多かった回答は0点でした。すべての参加者が十分な不安を感じたわけではありません。

本人が感じた不安

儀式化された行動をしたグループでは、スピーチ準備後から課題終了後にかけて、自己申告による不安が平均5.5点低下しました。

不規則な行動をしたグループや、何もしなかったグループでも不安は低下しましたが、儀式化されたグループのほうが低下幅はわずかに大きい結果でした。

ただし、グループ間の差を示す95%信頼区間には0が含まれていました。そのため、儀式化された行動が他の条件より確実に優れていたとは結論づけられませんでした。

身体的な不安

儀式化された行動をしたグループでは、皮膚反応の回数が推定12.7回減少しました。

この低下も、対照グループや中立グループよりわずかに大きい傾向でした。しかし、参加者全体の分析では95%信頼区間に0が含まれており、グループ間の明確な差は確認できませんでした。

強い不安を感じた人の結果

研究者は、スピーチ準備中の自己申告による不安が24点未満のグループと、24点以上のグループに分けて追加分析を行いました。

不安が低かったグループでは、身体的な不安の低下にグループ間の差はありませんでした。

一方、不安が高かったグループでは、儀式化された行動をした人の身体的な不安が、何もしなかった人よりも大きく低下しました。この比較では、95%信頼区間が0を含みませんでした。

ただし、この分析は探索的なもので、対象人数も少なくなっています。論文では、結果は予備的なものであり、確認にはさらなる研究が必要だとしています。

研究全体から分かったこと

儀式化された行動をした人では、本人が感じる不安と身体的な不安の両方が低下しました。

しかし、参加者全体では、他の行動をした場合との差は小さく、結果の精度も十分ではありませんでした。

儀式的な行動の効果は、特に強い不安を自覚している人に現れる可能性があります。ただし、大学生以外の人や、日常生活で長く続けている儀式にも同じ結果が当てはまるかは、この研究では確認されていません。

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