勉強中に「休憩を自分の好きなタイミングで取る」のと、「あらかじめ決められたタイミングで取る」のでは、どちらが効率的なのでしょうか。本研究では、大学生87人を対象に、ポモドーロ・テクニックを含む計画的な休憩と自己判断による休憩を比較し、集中力や疲労感、学習効率への影響を調べました。
参考:努力の調整方法を理解する:「ポモドーロ」方式の休憩と自己調整による休憩の比較【2023年】
【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。[ ]のメモは僕の意見・感想です】
結論
あらかじめ決められたタイミングで休憩を取るほうが、疲れにくく集中しやすい傾向が見られました。 一方で、学習課題の達成度そのものには大きな差はありませんでした。
ただし、計画的な休憩のほうが同程度の成果をより効率的に達成できる可能性が示されました。
「疲れにくく集中しやすい傾向が見られたのに、学習課題の達成度そのものには大きな差がない」は不思議な結果ですね。集中しやすかったのは「計画的休憩」のほうが自己コントロール感があったからかもしれませんね。内発的動機に関わる自己決定理論の理屈です。
続きを読み進めていきましょう。
内容の信頼性:9/10点
評価理由
- 査読付き学術誌「British Journal of Educational Psychology」に掲載された研究。
- オランダの大学生87人を対象に実施。
- 実際の自習環境で行われたため現実性が高い。
- 一方で、対象が大学生のみであり、学習成果を客観テストではなく自己評価で測定している点は限界。
何の研究か?
大学生の自習において、以下の3つの休憩方法を比較した研究です。
- 自己調整型
- 休憩を取るタイミングを自分で決める
- 計画的休憩(長め)
- 24分勉強+6分休憩
- いわゆる「ポモドーロ・テクニック」
- 計画的休憩(短め)
- 12分勉強+3分休憩
研究者は、これらの方法が疲労感、集中力、やる気、学習効率にどのような影響を与えるかを調べました。
研究した理由は?
勉強を続けるには集中力や作業記憶(ワーキングメモリ)を維持する必要があります。
しかし、休憩のタイミングを自分で判断すること自体にも認知的な負荷がかかります。
研究者は、
- 「自分で休憩を管理する負担が集中力を下げているのではないか」
- 「計画的な休憩のほうが効率的に勉強できるのではないか」
という疑問を検証するために研究を行いました。
結果はどうだったか?
① 自分で休憩を決める人は、休憩回数が少なく1回あたりが長くなった
休憩を自分で決める「自己調整型」の学生は、120分間の学習セッション中に取った休憩回数が平均約2.1回でした。一方で、計画的休憩グループは、短時間型で8回、ポモドーロ型で4回の休憩を取るよう設定されていました。
また、自己調整型の学生は1回あたりの勉強時間と休憩時間が長くなる傾向が見られました。
- 自己調整型
- 平均勉強時間:43.96分
- 平均休憩時間:14.67分
- ポモドーロ型
- 平均勉強時間:24.05分
- 平均休憩時間:6.01分
- 短時間型
- 平均勉強時間:12.01分
- 平均休憩時間:3.01分
つまり、自分で休憩を管理すると「長く勉強して、長く休む」というパターンになりやすく、研究者はこれが疲労や集中力低下につながった可能性があると考えています。
当然ですが、ポモドーロ型も短時間型もしっかり時間を守っているのが嬉しいですね。
実際、自分で行うと「もうちょっとやりたい」って少しルーズになりがちです。気を付けねば。
② 計画的な休憩のほうが集中しやすく、気分も良かった
学習中の状態を調べたところ、自己調整型の学生は計画的休憩グループと比べて、休憩直前の状態が悪化していました。
具体的には、
- 疲労感が高い
- 気が散りやすい
- 集中力が低い
- 「また勉強を再開しよう」という意欲が低い
という傾向が統計的に確認されました。
研究者は、休憩時間があらかじめ決まっていることで、
「あと少しで休憩だから今は集中しよう」
という心理が働き、スマートフォンやSNSなどの誘惑に耐えやすくなった可能性があると考察しています。実際に参加者からも、「もうすぐ休憩が来ると分かっていたので、スマホを見るのを我慢できた」という感想が寄せられています。
逆にいうと、自己調整型は勉強中もチラチラとスマホを見ていたんですね。
③ 計画的な休憩グループは、学習を難しく感じにくかった
学習終了後に「どれくらい集中できたか」「課題をどれくらい難しく感じたか」を9段階で評価してもらったところ、計画的休憩グループのほうが良好な結果となりました。
特に、
- 計画的休憩グループのほうが集中できたと回答
- 自己調整型のほうが学習を難しく感じた
ことが確認されました。
一方で、「どれだけ努力したか(精神的努力量)」についてはグループ間で差はありませんでした。つまり、努力量は同じでも、計画的に休憩したほうが学習を楽に感じ、集中しやすかったと解釈できます。
| 項目 | 自己調整型 | 計画的休憩 |
|---|---|---|
| 精神的努力量 | 差なし | 差なし |
| 集中度 | 低い | 高い |
| 難しさの感じ方 | 高い | 低い |
精神的努力量は同じでも、「学習が楽」というのは、矛盾して聞こえますが。
いわゆる「がんばった感」なので、「今日はがんばったぞー」という達成感みたいなものが一緒だったんですね。
④ 学習成果そのものには大きな差は見られなかった
参加者は学習開始時に自分で目標を設定し、終了時にどれくらい達成できたかを評価しました。
その結果、
- 全体の平均達成率:48.3%
でした。
しかし、
- 自己調整型
- ポモドーロ型
- 短時間型
の3グループの間で、達成率に統計的な差は確認されませんでした。ただし研究者は、計画的休憩グループは自己調整型と同程度の成果を出しました。
学習効率が高かったにしろ、「同じ学習時間を与えられている」ので、「達成率に差はない」と判断してもOKだと思います。ただ、モチベーションが高い・集中力が高い・疲労感が少ないので、「継続すればするほど、学習モチベーションに差が生まれ、達成度も計画的休憩のほうが高まるのでは?」と考えられますね。
⑤ ポモドーロ・テクニックは有望な学習法だった
本研究では、一般的に知られているポモドーロ・テクニック(24分勉強+6分休憩)も検証されました。
その結果、
- 疲労感が少ない
- 集中力が維持されやすい
- 勉強を再開する意欲が高い
- 学習を難しく感じにくい
という点で、自己調整型より良好な結果が得られました。
また、短時間型(12分+3分)との比較では大きな差はありませんでしたが、短時間型のほうが「学習への興味」をやや高く維持していました。
研究全体を通してみると、
「疲れてから休む」のではなく、「疲れる前に決まったタイミングで休む」ほうが、集中力やモチベーションを維持しやすいことが示唆されました。特にポモドーロ・テクニックは、学習効率を高める有望な方法の一つと考えられます。
長期戦略で考えると、ポモドーロテクニックなどの計画休憩は有効ですね。最近、自己調整型にしていたので、再度計画休憩にしてみようと思いました。
まとめ
この研究から、「休憩をその都度自分で決めるよりも、あらかじめ決めたスケジュールで休憩するほうが集中力やモチベーションを維持しやすい」ことが示されました。
特にポモドーロ・テクニックのような計画的な休憩は、同じ成果をより効率的に達成できる可能性があります。
ただし、学習成果そのものに大きな差はなかったため、最適な休憩時間や学習内容との相性については今後の研究が必要です。

