「力を抜いて、リラックスしなさい」と言われても、「力を抜く」も「リラックスする」も分からないと思うことはありませんか?
かつての僕も力を抜いているつもりなんだけど、力が抜けているのかリラックスしているのか分からない人でした。
今、リラックスしやすくなっているのは、リラックス状態と通常の状態の違いが分かるからです。
漸進的な筋弛緩は「力を抜いて(ゆるめて)、リラックスする」だけではなく、力が抜けているとはどういう感覚なのか?を知る方法です。
漸進的というのは、少しずつ目的を達成していくという意味で、少しずつ筋肉をリラックスする方法と思っていただければ大丈夫です。段階的な筋弛緩法、漸減的な筋弛緩法と呼ばれることもあります。
僕の場合は、瞑想に筋弛緩法を取り入れることで、体のリラックス感を知ることができました。
おかげで以前よりもリラックスすることが簡単になってきています。
今でも緊張はしやすいですが、リラックスがしやすくなることで、「緊張は敵」みたいな緊張に対するネガティブイメージがかなりなくなっています。
考え方はマインドフルネスのRAINと同じです。
野上しもん
・29年間の睡眠障害を克服
・5年以上の双極性障害とうつを克服
・上級睡眠健康指導士
・メンタル心理カウンセラー
・食生活アドバイザー
・YouTube「メンタルコーチしもん」登録数1.3万
著書
・眠れない理由を知って眠れる方法を知れば安眠
・脱・中途覚醒 “夜中に目覚める”悩みが消える
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漸進的な筋弛緩法とは?
漸進的な筋弛緩法は1930年代にアメリカ医師エドモンド・ジェイコブソンによって導入された不安軽減法です。誰でも習得ができる方法であり、将来にわたって役立つスキルでもあります。
漸進的な筋弛緩法を分かりやすく伝えると、「筋肉にいったん力を入れてから、力を抜くことでリラックスする方法」です。
ただ大事なポイントは「力を入れたとき」と「力を抜いたとき」の感覚を学んでいくことです。
慣れてくると、「力を入れて力を抜いてリラックス」ではなく、「力を抜いてリラックス」ができるようになってきます。
漸進的な筋弛緩法は、不安軽減効果、リラックス効果があるため、睡眠に大きな効果があります。
さらに、筋肉の緊張を解く感覚が分かってくることで、緊張状態が減り、結果的に体の痛み・不快感の改善につながってきます。
漸減的な筋弛緩法のやりかた:7ステップ
①リラックスしやすい、ゆったりとした服装に着替える
ベルトや靴などしめつけるものは外して行います。
②目を閉じてリラックスができる椅子に座る
力を抜くことが大事なので、ひじ掛けがあるアームチェアがおすすめです。
③ゆっくり5回深呼吸をして、体と心を静める
④足から頭にかけて、順番に行っていく
頭からでも何処からでもいいです。順番に迷ってしまうとリラックスに集中しにくいため、足から頭、頭から足のように流れを決めておいたほうが行いやすいです。
⑤ゆっくり呼吸しながら、特定の部位の筋肉のみに5秒間力を入れる
力の入れ方はあとでお伝えします。15秒ぐらいまで時間を延ばしてもOKです。
ただし、時間を延ばすときは力を抜く時間ものばしていきましょう。
⑥息を吐きながら、筋肉の力を素早く抜く
操り人形の糸が切れたように、素早く力を抜きます。
手足を物にぶつけないようにお気を付けください。
⑦力が抜けてリラックスした状態を15秒味わう
30秒など時間を延ばしても大丈夫です。
重要なのは「力を入れたとき」と「力を抜いたとき」の感覚を覚えていくこと。
呼吸法を取り入れて行うと、よりリラックスがしやすくなります。
筋弛緩法の「力の入れ方」具体例
体の部位ごとの力の入れ方具体例
下半身→腕→上半身→顔の順番です。「力を抜く」は省いています。
力を入れるときは全力ではなく、気持ちいいぐらいに力を入れてください。足や腕の力を抜くときに床や椅子にぶつけてしまう場合は、クッションやタオルで床や椅子をカバーしておきましょう。
※筋弛緩できれば良いので、あくまで参考程度にお考え下さい。
下半身
⑴つま先を下に伸ばす
⑵つま先を上にあげる
⑶太ももを伸ばす
⑷お尻の穴をきゅっとしめる
腕(左右の腕を別々に行う)
⑴手を握りしめる
⑵腕に力こぶを作るように肘を曲げる
上半身
⑴お腹に力を入れる
⑵深呼吸で胸を広げる
⑶頭の後ろで手を組み、背中を丸める
⑷耳に近づけるように肩をあげる
頭部(顔)
⑴ひょっとこのように唇をつきだす
⑵まぶたをぎゅっと閉じる
⑶眉をあげて、額にしわをよせる
セルフマッサージ感覚で1日20分
セルフマッサージ感覚で1日20分ぐらい行っていくと、リラックスするだけではなく、リラックスする感覚が身に付いていきます。
リラックス感覚を身に着けることが大事なので、ベッドで横になったあとではなく、起きているときに椅子で漸減的な筋弛緩法を行うことをおすすめします。
慣れてくると、軽く息を吐くと同時に全身の力を抜くことができます。
筋弛緩法のゴールは「力を入れて、力を抜く」ではなく、単に「力を抜く(筋肉をリリースするだけ)」ことができることです。
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