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実行制御力とは?AI時代において「IQよりも重要な能力の一つ」

「やるべきことがあるのに、なかなか行動できない」
「集中したいのに、すぐ気が散ってしまう」
「感情的になって後で後悔してしまう」

こうした経験は、多くの人が日常の中で感じるものです。
実はこれらには、**「実行制御力(実行機能)」**と呼ばれる脳の働きが深く関係しています。

実行制御力とは、自分の行動や感情、思考を調整しながら、目標に向かって行動するための重要な力です。
学習や仕事、人間関係など、私たちの生活のさまざまな場面で大きな役割を果たしています。

この記事では、実行制御力とは何か、その特徴や仕組み、そして高める方法について、わかりやすく解説します。

ブログ管理者:メンタルコーチしもん
・29年の不眠症と5年の双極性障害を克服
・38歳から運動を開始
マラソン完走&800m優勝
・コーチング実績1,000件超
一部の相談者や子どもから「しももん」と呼ばれる
・書籍5冊出版(読者2,000人超)
・IQは金田一少年くらい
・子守歌ボイスの持ち主
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実行制御力とは?

実行制御力(Executive Function / 実行機能)とは、
自分の行動・感情・思考をコントロールし、目標に向かって適切に行動する力のことです。
主に脳の前頭前野(ぜんとうぜんや)という部分が関係しています。

簡単に言うと
「やるべきことを計画し、集中して実行し、途中で調整する力」です。

実行制御力が高い人の特徴

  • 計画を立てて行動できる
  • 集中力が続く
  • 感情に振り回されにくい
  • 問題解決が得意
  • 自己管理ができる

実行制御力の主な3つの要素

1. ワーキングメモリ(作業記憶)

ワーキングメモリとは、
必要な情報を頭の中に一時的に保ちながら、それを使って考えたり行動したりする力のことです。

単に「覚える力」というより、
覚えた情報をその場で使う力と考えるとわかりやすいです。
たとえば、聞いたことをすぐに整理したり、途中の情報を保持したまま次の作業を進めたりするときに働きます。

  • 先生の説明を聞きながらノートを取る
    話の内容を一時的に頭に置きつつ、重要な点を選んで書き出す必要があります。
  • 計算の途中の数字を覚えておく
    暗算では、前の計算結果を頭の中に残しながら次の計算を進めます。
  • 会話の流れを理解する
    相手が少し前に話した内容を覚えているからこそ、話のつながりを理解して適切に返答できます。

この力が必要な場面

  • 説明を聞いて理解する
  • 読書をして内容を追う
  • 段取りよく作業する
  • 複数の情報を比べながら考える

弱いと起こりやすいこと

  • 話を聞いている途中で内容が抜けてしまう
  • 指示を最後まで覚えていられない
  • 作業の途中で何をしていたか分からなくなる

2. 抑制力(インヒビション)

抑制力とは、
その場の衝動や気持ちにすぐ流されず、自分の行動や言葉をコントロールする力のことです。

人は、気になるものがあるとすぐ反応したくなったり、感情的になると勢いで言葉や行動に出してしまったりします。
抑制力は、そうした反応をいったん止めて、
「今どうするのが適切か」を考えるためのブレーキの役割を果たします。

  • 勉強中にスマホを見ない
    通知や誘惑があっても、今やるべきことに意識を戻します。
  • 怒ってもすぐ言い返さない
    感情のまま反応せず、一度落ち着いてから言葉を選びます。
  • ルールを守る
    自分のしたいことがあっても、場面に合った行動を優先します。

この力が必要な場面

  • 集中して勉強や仕事をするとき
  • 感情的になりやすい場面
  • 集団生活や対人関係
  • 我慢や順番待ちが必要な場面

弱いと起こりやすいこと

  • すぐ気が散る
  • 思ったことをすぐ口に出してしまう
  • やってはいけないと分かっていてもやめにくい
  • 感情のコントロールが難しい

3. 認知の柔軟性

認知の柔軟性とは、
状況の変化に合わせて考え方ややり方を切り替える力のことです。

一つの方法にこだわりすぎず、必要に応じて別の見方をしたり、やり方を変えたりできる力です。
「予定通りにいかない」「予想と違う」という場面でも、混乱しすぎずに対応するために大切です。

  • うまくいかない方法を変える
    今のやり方で進まないときに、別の手順や考え方を試してみます。
  • 別の視点から問題を見る
    自分の考えだけでなく、相手の立場や他の可能性も考えられます。
  • 予定変更に対応する
    急な変更があっても、気持ちを切り替えて次の行動を考えます。

この力が必要な場面

  • トラブルへの対応
  • 新しいやり方を学ぶとき
  • 人と意見が違うとき
  • 予定変更や環境の変化があるとき

弱いと起こりやすいこと

  • 一つのやり方にこだわってしまう
  • 変更や失敗に強いストレスを感じやすい
  • 視点の切り替えが難しい
  • 臨機応変な対応が苦手になる

3つの要素の関係

この3つは、それぞれ別の力ですが、実際には組み合わさって働いています

たとえば授業中なら、

  • ワーキングメモリで先生の話を頭に保ち、
  • 抑制力で周囲の誘惑に流されず、
  • 認知の柔軟性で分からないところがあれば考え方を切り替える

というように、同時に使われます。

つまり実行制御力とは、
「覚えながら考える力」「衝動を抑える力」「切り替える力」が協力して、目標に向かう行動を支えているものだといえます。

実行制御力が弱いと起きやすいこと

実行制御力は、自分の行動・感情・思考を調整し、目標に向かって行動する力です。
この力が十分に働かない場合、日常生活や学習の中で次のようなことが起こりやすくなります。

先延ばしが多い

やるべきことが分かっていても、なかなか行動を始められないことがあります。

これは、

  • 何から始めればよいか整理できない
  • 面倒な作業を後回しにしてしまう
  • 他の楽しいことに意識が向いてしまう

といった理由によって起こります。

例えば

  • 宿題や課題を締め切り直前まで始めない
  • やらなければならない仕事をつい後回しにする

といった行動が見られることがあります。

集中力が続かない

実行制御力が弱いと、注意を保ち続けることが難しくなることがあります。

そのため

  • 周囲の音や動きにすぐ気を取られる
  • 作業中に別のことを考えてしまう
  • 勉強や仕事を長時間続けるのが難しい

といった状態になりやすくなります。

例えば

  • 勉強を始めてもすぐスマートフォンを触ってしまう
  • 作業中に別のことを始めてしまう

などが見られることがあります。

忘れ物が多い

実行制御力にはワーキングメモリ(作業記憶)が関係しているため、
必要なことを覚えておくのが難しくなることがあります。

その結果

  • 持ち物を準備し忘れる
  • 指示を覚えていられない
  • やるべきことを途中で忘れてしまう

といったことが起こることがあります。

例えば

  • 学校に教科書を持っていくのを忘れる
  • 先生や上司の指示を途中で忘れてしまう
  • 買い物の予定を忘れる

などです。

感情的になりやすい

実行制御力には、感情をコントロールする働きも含まれます。
そのため、この力が弱いと感情を落ち着かせるのが難しくなることがあります。

例えば

  • 怒りや不満をすぐに表に出してしまう
  • ちょっとしたことでイライラしてしまう
  • 悲しい気持ちを切り替えにくい

といったことが見られる場合があります。

本来は
「一度落ち着いてから考える」
という調整が行われますが、それが難しくなるためです。

計画通りに行動できない

実行制御力には、計画を立てて行動を進める力(プランニング)も含まれます。

この力が十分に働かない場合

  • 計画を立てるのが苦手
  • 作業の順番を整理できない
  • 途中で別のことをしてしまう

などの理由で、予定通りに行動することが難しくなることがあります。

例えば

  • 宿題や仕事の段取りを考えるのが苦手
  • 作業の途中で別のことを始めてしまう
  • 時間配分がうまくできない

といったことが起こる場合があります。

実行制御力を高める方法

実行制御力は、生まれつきの差だけで決まるものではなく、日々の習慣や環境によって少しずつ育てていくことができる力です。
ここでは、実行制御力を高めるためによく挙げられる方法を、わかりやすく説明します。

1. 計画を書く(ToDoリスト)

やるべきことを頭の中だけで管理しようとすると、忘れたり混乱したりしやすくなります。
そこで役立つのが、ToDoリストや予定表などにやることを見える形にして書き出すことです。

書くことで、

  • 何をする必要があるのか
  • どの順番で進めるか
  • どこまで終わったか

がはっきりし、頭の負担が軽くなります。
これは特に、ワーキングメモリへの負担を減らす助けになります。

  • 朝のうちに、その日にやることを3〜5個書く
  • 「提出物を出す」「メールを返す」など具体的な行動で書く
  • 終わったらチェックをつける

「勉強する」「仕事を頑張る」のような曖昧な書き方よりも、
「英単語を10個覚える」「資料の1ページ目を作る」のように、行動がはっきりした形で書く方が実行しやすくなります。

2. 小さな目標に分ける

大きな課題は、内容があいまいで負担も大きく感じやすいため、
「何から始めればいいかわからない」となって先延ばしにつながることがあります。

そのため、やるべきことを小さな単位に分けることが大切です。
目標を細かくすると、始めやすくなり、達成感も得やすくなります。

たとえば「レポートを書く」という目標を、そのままにせず、

  1. テーマを決める
  2. 資料を集める
  3. 構成を書く
  4. 最初の段落を書く
  5. 見直す

というように分けます。

最初の一歩は、できるだけ小さくするのが効果的です。
たとえば、

  • 「5分だけやる」
  • 「1問だけ解く」
  • 「机に向かうところまでやる」

といった形にすると、行動のハードルが下がります。
実行制御力が弱いときほど、“頑張る”より“始めやすくする”工夫が役立ちます。

3. 運動をする(前頭前野が活性化)

適度な運動は、注意・気分・思考の切り替えによい影響を与えると考えられています。
実行制御力に関わる脳の働きを支えるうえでも、運動は重要です。

特に、軽い有酸素運動や体を定期的に動かす習慣は、

  • 集中しやすくなる
  • 気分が安定しやすくなる
  • ストレスをためにくくなる

といった面で役立つことがあります。

  • 散歩をする
  • 軽いジョギングをする
  • ストレッチや体操をする
  • 通学・通勤で少し多く歩く

激しい運動である必要はありません。
大切なのは、無理なく続けられる形で習慣にすることです。
たとえば、1日10〜20分程度の散歩でも、気分転換や集中の立て直しに役立つことがあります。

4. 瞑想・マインドフルネス

瞑想やマインドフルネスは、今この瞬間の自分の状態に気づき、注意を向け直す練習です。
実行制御力の中でも、特に注意のコントロール感情の調整を助ける方法としてよく紹介されます。

日常では、気づかないうちに考えがそれたり、不安やイライラに引っ張られたりすることがあります。
そうしたときに、自分の呼吸や身体感覚に意識を戻す練習をすると、
気持ちを落ち着けたり、注意を立て直したりしやすくなります。

  • 1〜3分ほど呼吸に意識を向ける
  • 息を吸う・吐く感覚を静かに感じる
  • 雑念が浮かんでも、否定せずに呼吸へ戻す

「何も考えないようにする」必要はありません。
考えごとが浮かんでも、気づいて戻ること自体が練習になります。
短い時間でも、毎日続けることで落ち着きや自己コントロールにつながることがあります。

5. ゲームやパズルで脳トレ

ゲームやパズルの中には、
記憶する・順序立てて考える・ルールを守る・切り替えるといった力を使うものがあります。
そのため、楽しみながら実行制御力を使う練習になることがあります。

  • 神経衰弱のような記憶ゲーム
  • 将棋やオセロなど先を読むゲーム
  • パズルや迷路
  • ルールに従って進めるカードゲーム

大切なのは、「難しすぎて嫌になるもの」ではなく、
少し考える必要があるけれど続けられるものを選ぶことです。
また、脳トレだけで実行制御力のすべてが大きく伸びるわけではなく、
日常生活の中で計画する、我慢する、切り替えるといった経験とあわせて行うことが大切です。

実行制御力を高めるうえでは、
一度に大きく変えようとしないことがとても大切です。

たとえば、

  • 毎日ToDoを1つだけ書く
  • 課題を3つに分ける
  • 10分だけ歩く
  • 1分だけ呼吸を整える

といった小さな習慣から始める方が、無理なく続けやすくなります。
実行制御力は、「気合い」で身につけるものというより、やりやすい環境と習慣で育てていく力と考えるとよいでしょう。

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