こんにちは、メンタルコーチのしもんです。
今回は、「完璧主義をどう直していけばいいのか?」というテーマでお話しします。
僕が人のご相談に乗っていて、すごく感じるのは「完璧主義の方って多いな」ということです。そして、完璧主義であるがゆえに苦しみ、目の前の問題が解決しない、あるいは自分のことを否定してしまって苦しんでいる方が、かなり多いという印象があります。
僕自身もそうですし、これまで多くの人が伝えていることでもありますが、「100%ではなく、70%くらいの意識にしましょう」という考え方があります。つまり、100を70に和らげるということですね。
また、「部分的な成功を見る」という考え方もあります。これも先ほどと同じですが、成功か失敗かで考えるのではなく、100%の成功、70%の成功、30%の成功、10%の成功というように捉えていくと、そもそも「失敗」という言葉が薄れてきます。
そうすると、より柔軟に考えやすくなります。白か黒ではなく、グラデーションで考える。このような思考を取り入れることで、完璧主義は和らいでいきます。
ただ、今回お伝えしたいのは、少し別の方法です。もしかすると、あまり他の人が言っていない方法かもしれません。
では、どうすればいいのか。
完璧主義というのは、要するに「完璧なものを追い求める」という状態です。では、この「完璧」を崩すにはどうすればいいと思いますか?
今までお話ししてきた方法では、「100」という完璧を崩すために、80にする、60にする、といったように少しずつ下げていくという考え方でした。
でも完璧を崩すにはもう一つ方法があるんですね。
完璧主義に条件を加える
それは、「100」という完璧なものに対して、プラス10を付けてあげるという方法です。
実は、それだけでも完璧は壊れてしまうんですよね。100であるからこそ、「完璧」は完璧なんです。これを110にしてしまうと、もう完璧ではなくなってしまいます。完璧を維持できなくなってしまうからです。
つまり110%になっている時点で、「完璧」という概念から外れてしまうんですね。
なので、完璧主義を崩すには、単に減らすだけではなく、「加える」という方法もあるんです。特に、強い完璧主義の方は、「減らす」ということに対して強い抵抗感を感じる場合があります。
そういった場合は、むしろ「加える」ことによって完璧主義を改善するという方法が、意外と効果的だと感じています。
ちなみに、僕自身もこの方法を使っているので、今回お伝えしています。
では、どのような方法かというと、「完璧主義に条件を加える」というやり方です。
完璧主義の方が苦しむ理由は、大きく分けて3つ
完璧主義の方が苦しむ理由は、大きく分けて3つあります。
1つ目は、行動ができなくなること。
2つ目は、失敗することを恐れてしまうこと。
3つ目は、自己否定につながってしまうこと。
この3つが、おそらく完璧主義で苦しんでいる方の特徴です。
この中で、「自分にとってどれが一番、人生の中でネックになっているか」を考えてみてください。そして、そのポイントに対して「条件付け」をしていきます。
①行動ができなくなる場合の条件付け
1つ目は、「行動ができない方」のケースです。
この場合は、完璧主義の考え方自体はそのままでも構いません。その代わり、「行動の期限を完璧に守る」という方向に意識を向けていきましょう。
行動ができないことがネックになっている場合、「行動できないこと」そのものが大きな問題になっています。ですので、完璧主義を無理に崩そうとするよりも、まずは期限を決めることを優先して考えていきます。
例えば、「8月29日にやろう」と思った場合、「8月29日」ではなく、「8月29日の17時までに行う」といったように、より具体的に設定することが大切です。
以前、「自信をつけるにはどうすればいいのか」というテーマでもお話ししましたが、人は未来予測ができたほうが、自分を信じて行動しやすくなります。
そのため、未来がイメージできるように、期限を具体的に決めていくことで、行動しやすくなっていきます。
人から指示された場合で考えると、分かりやすいと思います。
例えば、
「来月中にやっておいて」と言われるのと、
「来月15日までにやっておいて」と言われるのと、
「来月15日の13時までにやっておいて」と言われるのと、
「来月15日の15時25分までにやっておいて」と言われるのでは、
どれが一番守りたくなるでしょうか。
より明確で具体的になるほど、人は未来のイメージがしやすくなり、それに沿った行動を脳が無意識に考えるようになります。その結果、行動しやすくなるのです。
ですので、完璧主義で行動ができない方は、「具体的な期限を一つひとつの行動に設定していく」ことがおすすめです。
もし、それでも行動ができなかった場合は、「ここまででも行動できないんだな」と一度受け止めてください。そして、「行動できるようにするには、どんな準備が必要か?」と考えていきます。
それでも期限を守れなかった場合は、「この期限を完璧に守るためには、1日〜2日遅らせる必要があるかもしれない」といったように、完璧主義の考え方を逆に活用して、期限設定を調整していくのも一つの方法です。
つまり、完璧主義を手放すのではなく、「完璧に守る対象をうまくコントロールする」という方向で使っていく、ということですね。
➁失敗することを恐れてしまう場合の条件付け
2つ目は、「失敗を恐れる」というケースです。
では、この場合にどのような条件付けをすればよいかというと、「あえて失敗することを条件にする」という方法です。
そもそも、完璧に至るためには試行錯誤が必要であり、基本的にはそのプロセスなしに、より良いものは生まれませんよね。単に「できることを積み重ねる」だけではなく、失敗と成功を繰り返しながら、その経験を糧にして完成度を高めていく、というイメージを多くの方が持っていると思います。
だからこそ、「完璧に至るためには失敗は必ず必要なものだ」と捉えてみてください。むしろ、積極的に失敗を取り入れるくらいの意識でも良いと思います。
例えば、何かに取り組んで「今回は一度も失敗しなかったな」と感じた場合、「これは自分の完璧主義的には少し問題かもしれない」と考えてみる。そして次は、「少なくとも2〜3回は失敗するようなチャレンジをしよう」と設定するのです。
実際に失敗したときも、「よし、今回は失敗できた」と前向きに捉えます。「失敗できたからこそ、前よりも良いものが作れる」と考えるわけです。
もし2回失敗したなら、「これまで失敗せずにやってきたけれど、この2回の失敗という経験を糧にして、今まで以上に良い、より完成度の高いものが作れる」と捉えることができます。
このように、「失敗を恐れる」という完璧主義の特徴に対して、あえて完璧主義の考え方を応用し、「失敗を条件として組み込む」ことで、完璧主義全体のバランスを崩し、デメリットを和らげることができるのです。
➂自己否定につながる場合の条件付け
3つ目は、「自己否定につながるケース」です。
完璧主義の方は、「どうして自分はダメなんだ」「自分はクズだ」といった考え方に陥りやすい傾向があります。
これは以前、「自責思考を改善するにはどうすればいいのか」というテーマでもお話ししましたが、自分を責めるときには、「ダメージが非常に大きくなる責め方」と、「場合によってはプラスに働く責め方」があります。
完璧主義で、自分を責めたり否定しがちな方は、この違いを意識することが大切です。
強い苦しさにつながるのは、「変えられないものを責めること」です。例えば、自分の才能、生まれ育った環境、遺伝、性格などですね。
こうしたものは、すぐに変えられるものではなく、変えるにも非常に時間がかかります。そのため、そこを責めてしまうと、対処ができず、結果的にずっと自分を責め続けることになってしまいます。これは非常に苦しい状態です。
では、何を責めればよいのかというと、「変えられるもの」を対象にすることです。
今回の完璧主義のケースであれば、「行動」に注目するのがおすすめです。行動は比較的すぐに変えられるものなので、責めるのであれば行動にフォーカスします。
例えば、友達とケンカをして、思わず辛辣な言葉を言ってしまったとします。
このとき、「自分はなんてダメな人間なんだ」「性格が悪い」といったように、自分の本質を責めてしまうと、改善までに時間がかかるという認識が働き、結果的に自分を責め続けることになります。
一方で、「辛辣な言葉を言ってしまった」という“行動”に目を向けると、それは変えられるものです。
ここで、完璧主義の考え方をうまく活用します。「これをより良く、完璧に近づけるにはどうすればいいか?」と考えるのです。
例えば、「次からは言葉を発する前に一度深呼吸して冷静になる」と決めるのも一つですし、「頭に血が上ったと感じたら、一度その場を離れて気持ちを落ち着かせる」といった行動を取るのも良いでしょう。
また、「自分がイライラしているときやストレスが溜まっているとき、焦りがあるときは、衝突しやすい相手とはあえて距離を取る」といった工夫も有効です。
このように、「次にどう行動を変えればいいか」に意識を向けることで、自分の目指す“より良い状態(=完璧に近い状態)”に近づいていくことができます。
つまり、完璧主義を否定するのではなく、「行動改善のためのエネルギー」として活用することで、完璧主義のデメリットを和らげていくことができるのです。
完璧に完璧を組み合わせるって、完璧主義を崩せていないのでは?
「完璧に完璧を組み合わせているだけで、それって完璧主義を崩していることにはならないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
ですが、実際にはそうではありません。
まず1つ目の「期限を設ける」という方法ですが、期限がある時点で、準備を100%完璧にすることは難しくなります。つまり、この時点で完璧主義はすでに崩れているのです。
2つ目の「失敗をあえて2〜3回する」という考え方も同様です。失敗が前提に含まれている時点で、「失敗=不完全なもの」を受け入れていることになります。これもまた、完璧主義が崩れている状態です。
そして3つ目の「変えられないものではなく、変えられるものを責める」という考え方も同じです。行動だけに焦点を当て、性格などは責めないという時点で、すべてを100%評価するのではなく、一部に限定した評価になっています。
これは、最初にお話しした「グラデーションの思考」にもつながっています。つまり、「すべてを100%で評価する」のではなく、「変えられる部分」という一部(例えば50%)に焦点を当てているため、結果的に完璧主義は崩れているのです。
このように、「完璧主義を崩す」というと、「力を抜く」「手を抜く」といったイメージを持ってしまい、不安を感じる方もいるかもしれません。
ですが、そうではなく、「より完璧にするためには、どのような条件を加えればよいか?」と考えていくことで、結果的に全体の完璧主義は柔らぎ、現実的でうまく機能する形に変わっていきます。
もし、「完璧主義を緩めようとしても、なかなかうまくいかない」と感じている方は、今回の方法を一度試してみることをおすすめします。
例えば、1週間ほど実践してみて、その結果をもとに自分に合っているかどうかを判断してみてください。
結局のところ、大切なのは「試行錯誤」です。何か新しい知識を得たときも、それが正しいかどうかだけで判断するのではなく、「実際に試してみて、自分にとって有効かどうか」を確かめることが重要です。
さらに、それをゲーム感覚で楽しみながら取り組むことで、自分の弱点や「見たくない部分」も受け止めやすくなり、より良い方向に活かしやすくなります。
ということで、今回の動画はここまでにしたいと思います。
それでは、また次の動画でお会いしましょう。
ご視聴ありがとうございました。

