「最近お腹まわりが気になる」「体重はそれほど増えていないのに、ぽっこりお腹になってきた」――そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
その原因のひとつとして考えられるのが内臓脂肪です。
内臓脂肪は見た目の問題だけでなく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病とも深く関係しているため、健康維持のためにも正しく理解しておくことが大切です。
一方で、内臓脂肪は生活習慣の影響を受けやすい反面、食事や運動の改善によって比較的減らしやすい脂肪でもあります。また、近年では男性ホルモンであるテストステロンとの関係についても注目されています。
この記事では、内臓脂肪とは何か、その特徴や増える原因、効果的な減らし方、さらにテストステロンとの関係についてわかりやすく解説します。
内臓脂肪とは?
内臓脂肪(visceral fat)とは、お腹の中で胃や腸などの臓器の周りにつく脂肪のことです。
皮膚のすぐ下につく「皮下脂肪」とは異なります。
医療機関ではCT検査で正確に測定できますが、一般的には
- 男性:ウエスト85cm以上
- 女性:ウエスト90cm以上
が内臓脂肪蓄積の目安として使われます。
内臓脂肪の4つの特徴
内臓脂肪は、お腹の中で胃や腸などの臓器の周りにつく脂肪です。皮下脂肪に比べて体の代謝と関係が深く、生活習慣の影響を受けやすい脂肪といえます。
①比較的つきやすい
内臓脂肪は、食べ過ぎや運動不足、飲酒、睡眠不足などの生活習慣によって増えやすい特徴があります。特に、摂取カロリーが消費カロリーを上回る状態が続くと、余ったエネルギーが脂肪として蓄えられ、内臓まわりにも脂肪がつきやすくなります。
②食事改善や運動で減らしやすい
一方で、内臓脂肪は比較的「落としやすい脂肪」ともいわれます。
食事の量や内容を見直し、ウォーキングなどの有酸素運動を続けることで、エネルギーとして使われやすくなります。極端な食事制限ではなく、主食・主菜・副菜のバランスを整えながら継続することが大切です。
➂過剰に増えると生活習慣病のリスクを高める
内臓脂肪が増えすぎると、血糖値、血圧、血中脂質などに悪影響を与えやすくなります。
その結果、糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病につながるリスクが高まります。見た目の体型だけでなく、健康状態にも関係するため注意が必要です。
④男性に多い傾向があるが、女性にもつく
内臓脂肪は、一般的に男性につきやすい傾向があります。
男性はお腹まわりに脂肪がつきやすく、いわゆる「ぽっこりお腹」になりやすいです。ただし、女性にも内臓脂肪はつきます。特に加齢や閉経後はホルモンバランスの変化により、内臓脂肪が増えやすくなることがあります。
内臓脂肪が増える6つの原因
内臓脂肪は、日々の生活習慣の影響を受けやすい脂肪です。
特に、摂取するエネルギーが消費するエネルギーを上回る状態が続くと、余ったエネルギーが脂肪として体内に蓄えられ、内臓まわりにも脂肪がつきやすくなります。
①食べ過ぎ
食事の量が多かったり、脂っこいものや甘いものをよく食べたりすると、摂取カロリーが増えやすくなります。特に、菓子類、揚げ物、ファストフード、糖分の多い飲み物などを習慣的に摂ると、余分なエネルギーが内臓脂肪として蓄積されやすくなります。
②アルコールの摂り過ぎ
アルコール自体にもカロリーがあり、飲み過ぎるとエネルギー過多につながります。
また、お酒と一緒に食べるおつまみは、揚げ物や味の濃いものが多くなりやすいため、さらにカロリーや塩分の摂取量が増えます。飲酒習慣が続くと、内臓脂肪が増える原因になります。
➂運動不足
運動量が少ないと、消費カロリーが減り、余ったエネルギーが脂肪として蓄えられやすくなります。デスクワークや車移動が多い生活では、日常的な活動量も少なくなりがちです。筋肉量が減ると基礎代謝も低下し、脂肪がつきやすい体になりやすくなります。
④睡眠不足
睡眠が不足すると、食欲を調整するホルモンのバランスが乱れやすくなります。
その結果、食欲が増したり、甘いものや高カロリーなものを食べたくなったりすることがあります。また、疲れが残ることで活動量が減り、内臓脂肪が増えやすい生活につながります。
⑤ストレス
ストレスが続くと、食べ過ぎや飲酒量の増加につながることがあります。
特に、甘いものや脂っこいものを食べることで気分を落ち着かせようとする場合、摂取カロリーが増えやすくなります。また、ストレスによる睡眠の質の低下も、内臓脂肪の増加に関係します。
⑥加齢による代謝低下
年齢を重ねると、筋肉量が減りやすくなり、基礎代謝も低下しやすくなります。
若い頃と同じ量を食べていても、消費されるエネルギーが少なくなるため、脂肪がつきやすくなります。特に運動習慣がない場合、内臓脂肪が増えやすくなります。
内臓脂肪を減らす5つの方法
内臓脂肪を減らすためには、特別な方法や極端なダイエットよりも、食事・運動・睡眠などの生活習慣を見直し、継続することが大切です。日々の小さな改善を積み重ねることで、無理なく内臓脂肪を減らしていくことができます。
①甘い飲み物や間食を減らす
ジュースや炭酸飲料、加糖コーヒー、菓子類などには多くの糖分が含まれていることがあります。
これらを頻繁に摂取すると、気づかないうちに摂取カロリーが増え、内臓脂肪の蓄積につながります。飲み物は水やお茶を中心にし、間食は量や回数を見直すことで、無理なくカロリーを抑えることができます。
②ご飯・パン・麺の食べ過ぎを控える
ご飯やパン、麺類は体に必要なエネルギー源ですが、食べ過ぎると余ったエネルギーが脂肪として蓄積されることがあります。特に、大盛りやおかわりが習慣になっている場合は、適量を意識することが大切です。主食を極端に減らす必要はありませんが、野菜やたんぱく質をバランスよく組み合わせることで、食べ過ぎを防ぎやすくなります。
➂ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を行う
有酸素運動は、体内に蓄積された脂肪をエネルギーとして利用しやすくするため、内臓脂肪の減少に効果的とされています。
ウォーキングやジョギングのほか、自転車、水泳なども有効です。まずは無理のない範囲で始め、継続することを目標にしましょう。日常生活の中で階段を使ったり、一駅分歩いたりすることも運動量の増加につながります。
④筋トレで筋肉量を維持・増加させる
筋力トレーニングは直接脂肪を燃焼させるだけでなく、筋肉量を維持・増加させることで基礎代謝の向上につながります。
基礎代謝が高まると、日常生活の中でもエネルギーを消費しやすくなり、脂肪がつきにくい体づくりに役立ちます。スクワットや腕立て伏せなど、自宅でできる簡単な運動から始めるのもよいでしょう。
睡眠を十分にとる
質の良い睡眠は、食欲や代謝を調整するホルモンの働きを整えるために重要です。睡眠不足になると食欲が増し、高カロリーな食品を欲しやすくなることがあります。また、疲労によって活動量が減ることも、脂肪の蓄積につながります。規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
⑤継続することが大切
内臓脂肪は皮下脂肪に比べて代謝されやすく、比較的減らしやすい脂肪とされています。
そのため、食事内容の見直しや運動習慣の改善を継続すると、数週間から数か月程度で体重やウエスト周囲径に変化が現れることがあります。
ただし、短期間で急激に体重を落とそうとすると、筋肉量の減少や体調不良につながる可能性があります。無理なダイエットではなく、健康的な生活習慣を継続することが、内臓脂肪を減らし、生活習慣病を予防するための重要なポイントです。
内臓脂肪とテストステロンの関係
内臓脂肪とテストステロン(男性ホルモン)は、互いに影響し合う関係にあります。
一般的に、内臓脂肪が増えるとテストステロンは低下しやすくなり、テストステロンが低下するとさらに内臓脂肪が増えやすくなるという悪循環が生じることがあります。
脂肪組織には、男性ホルモンであるテストステロンを女性ホルモン(エストロゲン)に変換する酵素(アロマターゼ)が存在しています。
内臓脂肪が増えると、この酵素の働きも活発になり、体内のテストステロン濃度が低下しやすくなります。
また、内臓脂肪の蓄積は慢性的な炎症やインスリン抵抗性とも関係しており、これらもテストステロンの分泌を低下させる要因になると考えられています。
テストステロンには、筋肉量の維持や脂肪の蓄積を抑える働きがあります。
そのため、テストステロンが低下すると次のような変化が起こりやすくなります。
- 筋肉量が減少する
- 基礎代謝が低下する
- 脂肪が燃焼されにくくなる
- お腹周りに脂肪がつきやすくなる
- 活動意欲や運動量が低下する
結果として、内臓脂肪がさらに増えやすくなります。
テストステロンが低下すると、以下のような変化がみられることがあります。
- 疲れやすい
- やる気が出ない
- 集中力が続かない
- 筋力が落ちる
- お腹が出てくる
- 性欲の低下
- 朝の勃起が減る
これらは加齢だけでなく、内臓脂肪の増加とも関連していることがあります。
