「眠れない」「薬を飲んでいるけれど、なかなか改善しない」――
そんな慢性的な不眠に対して、いま世界的に第一選択とされている治療法が CBT-I(不眠症の認知行動療法) です。
睡眠薬だけに頼るのではなく、
睡眠に対する考え方や行動パターンを見直すことで、根本から睡眠を整えていく方法です。
CBT-I(不眠症の認知行動療法)とは?
CBT-I(Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia)とは、不眠症に対する認知行動療法のことです。薬に頼らず、考え方(認知)や行動のパターンを見直すことで、睡眠を改善していく心理療法です。
CBT-Iと睡眠薬
| CBT-I | 睡眠薬 |
|---|---|
| 根本改善を目指す | 即効性がある |
| 再発しにくい | 中止後に再発しやすいことも |
| 副作用がほぼない | 依存や副作用の可能性 |
現在では、多くの国で慢性不眠症の第一選択治療とされています。
CBT-I(不眠症の認知行動療法)は何をするの?
① 睡眠に関する誤った思い込みの修正(認知療法)
例:
- 「8時間寝ないとダメだ」
- 「今日眠れなかったら明日は最悪になる」
こうした考え方を、より現実的で柔軟なものに変えていきます。
② 刺激制御療法
「ベッド=眠る場所」と再学習させます。
- 眠くなってから布団に入る
- 眠れなければ一度起きる
- ベッドでスマホを見ない
などを徹底します。
③ 睡眠制限療法
あえて「寝床にいる時間」を短くし、睡眠の質と効率を高めます。
※最初は少し眠くなりますが、徐々に改善していきます。
④ 睡眠衛生指導
生活習慣の見直しです。
- カフェインの制限
- 就寝前のスマホを控える
- 朝日を浴びる
- 寝室環境の改善
などを行います。
CBT-I(不眠症の認知行動療法)の効果
睡眠薬などの治療だけではなく、不眠症の認知行動療法を同時に行うのが大事というお話。
※CBT-Iはうつ病である不眠症のかたへの効果も高かった
■対象者
睡眠薬の効きめが悪い慢性的な不眠症の方
■2つの治療法を比較
A:不眠症の認知行動療法+通常治療
B:通常治療
■治療後の寛解(症状がなくなること)
A:不眠症の認知行動療法+通常治療: 74%寛解
B:通常治療:20~25%寛解
※睡眠薬は飲んでいるが不眠症状がおさまっている
■睡眠薬の半減成功率
A:不眠症の認知行動療法+通常治療: 79%
B:通常治療:20~25%
■睡眠薬を飲まなくなった
A:不眠症の認知行動療法+通常治療: 38%
B:通常治療:5%ぐらい
■補足
通常治療の割合があいまいなのでグラフでの読み取りだったからです。
不眠症の認知行動療法は、参考文献に明確な数字が記載されていました。
参考:企画シンポジウム:慢性不眠症治療のストラテジー CBT‒I の理論と実践
CBT-Iと睡眠薬などの通常治療は同時に行うことが大事
睡眠薬だけではなく、CBT-I(不眠症の認知行動療法)も同時に行うことは大事。
改善率が大きくあがるのもメリットだけど、認知行動療法はデメリットがないのが嬉しいところ。
不眠症の認知行動療法自体は病院での専門家に行ってもらうことが大切。
ただ、僕のほうでまとめると。
①睡眠の正しい理解をすること:3Pモデルなど
②行動介入
・睡眠制限(睡眠効率療法):双極性障害のかたなど、一部適さないかたがいる
・刺激制御療法
・ストレス軽減テクニック:腹式呼吸、筋弛緩法
③認知介入
・睡眠日記
・不眠認知の解消
・受動的覚醒(寝よう寝ようと思わず、「ベッドで目を瞑って起きる!」みたいな逆説的意図)
今後、僕の方も詳しくまとめるのだけど、時間がかかるので、それぞれ僕の動画や記事で対応したものを紹介。
参考資料
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1479-8425.2010.00481.x
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/58/7/58_616/_pdf
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23953170/


